2015年09月12日

1万年以前の大遺跡


  
2015年04月28日
日本人学者が発見した古代ペルーの大きなレリーフ
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/124169272.html
で書いた、南米ペルーのワカ=パルティーダ遺跡の詳細が書いてあったので、
   古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成 (朝日選書) 単行本  – 2015/8/10
     関 雄二 (編集)
         http://www.amazon.co.jp/dp/4022630353

を読んでいたら、西アジアの発掘で、知らなかった驚くべき情報があった。

 なんと1万年以前の大きな石彫が林立する大遺跡が発掘されていたのだ。発掘自身は21世紀以降だったから、そのころはあまり考古学ニュースには注意していなかったから私がいままで知らなかったのだろう。

 まだ5%しか発掘されていないので、今後が期待されるが、なんとこの場所、南アナトリアはイラク国境に近いところで、あのISIS ISIL イスラム国とクルドとの闘争が展開されている地域のすぐ近くである。かなり不安要因がある。



 1万年前というと、農耕すらなかっただろう。少なくとも遺跡採集された食物に栽培種(人為的に改良した植物や動物)はないらしい。

 つまり、保存のきく穀物などの冨の蓄積によって貧富の差が生まれ、それが支配被支配の関係に発展し、大きな組織ができたというのは誤りだった。 少なくとも1万年前のこの地域では。しかも南米アンデスのような世界文明からいうと隔離され独自に成長したところではなく、世界文明の発祥の地:西アジアの真ん中でそうだったのだ。

  どうも、J.J.ルソー以来の人類文明文化の発生のイメージをかなり変えなくてはいけないかもしれない。あるいは、ホモ=サピエンシスではない人々の遺跡なのだろうか?

  日本でも、わかりきった縄文農耕説が定説にとってかわるのに、長い時間がかかった。これは、ゴードン=チャイルドの新石器革命説はいうまでもなく、マルクス=エンゲルスどころか、もっと古い時代からの固定観念に変更を迫るものだから、あるいは「見なかったことにする」ことになるのを怖れるものである。ISISの戦乱でこの地域の発掘は長期間停止させられるだろうし、荒廃してしまうかもしれないのは、古い固定観念の持ち主にはむしろ好都合だろう。

 この遺跡は、丘上の水の便の悪いところにあるので、日本人的な感覚では、大規模な墓地という感じがする。二十ー三十年毎に石柱の更新があるというのも、いかにも墓地らしい。



posted by 山科玲児 at 08:02| Comment(0) | 日記