2015年10月19日

皮装幀

皮装幀 中国書論集 (2).JPG皮装幀 中国書論集 (1).JPG


 中田勇次郎先生の
    中国書論集(1970)が安く売っていた。 黄庭経のことを70Pも書いてあったので、買ってみたのだ。
 新品同様の本だったのだが、寝転んで読んでいたら、そこらに青黒い汚れがついてしまった。
 おかしいなあ、と思ったが、どうも、背の黒い皮の上下の端の部分が崩壊して汚しているようだ。

 こういう崩壊は西洋の皮装幀にもあるが、それは120年以上前の古い装幀だ。そういう場合でも、こういう変な汚しかたはない。

  50年にもならない、新品同様の皮装幀でこれありなのか? そりゃ、既製品でありコストも安く抑えてあるものだろう。水道橋のリーブルでやっているような高級な皮装幀じゃない。 けれど、一応の背皮装幀である。

  一方、普通のクロスのものは問題がない。

  どうも皮装幀というのは、日本ではあまりよくないのじゃないかな、気候・湿度などの問題かもしれない。
  一応、樹脂で端を覆って固定して解決したが、こういうこともあるんだな、と思った。


posted by 山科玲児 at 08:50| Comment(0) | 日記

西洋美術館 来年3月末まで改修閉館


上野の西洋美術館は、10月10日から部分閉館、来年は3月末まで全面閉館で改修します。
東京へ行く人は予定に注意してください。

2015年10月08日に、
西洋美術館に埋もれていた絵が発掘公開されたhttp://reijiyamashina.sblo.jp/article/165237176.html
で、特筆しておいたドラポルトの作品もまた常設に展示してもらいたいものです。。
タグ:西洋美術館
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2015年10月18日

維新の全体主義への暴走



>大阪維新、BPOに申し立て ダブル選めぐり朝日放送番組を問題視
http://www.sankei.com/west/news/151016/wst1510160100-n1.html

  もともと放送法4条ってのは、両陣営を同じくらいだせということだから、偏った意見の人物を両方ともどんどん出したほうがいいということですよ。
  これでも弁護士なんだから驚きです。

  こんなことでは、もともとテレビはそうだけど、「なあなあ」のイエスマン・八方美人しかでなくなる。第一、昔の橋下徹弁護士なんか絶対出演できないでしょ。
  だいいち、これは「信書の秘密」を犯していて、憲法違反でしょうが、、

   全体主義そのものです

  上記のように、言論弾圧を平気でやっている橋下維新だが、政党資金:お金でも、ヤミ金みたいな無茶なことをやっているようだ。

>維新、交付金振込先の口座取り合い 議員が通帳をガード
>2015年10月17日22時50分
>党本部が大阪にあることも活用。新党組の議員が待機し、党の通帳などを管理している。執行部>側の松木謙公幹事長代行が16日に本部を訪れ、党名義の口座の通帳と印鑑を引き渡すよう求めたが、新党組の井上英孝衆院議員らが拒否した。10、12月分の政党交付金13億円は、この口座に振り込まれる。

   まあ、朝日新聞だから、話半分だが、これはひどい。

で、1ヶ月前の9月16日
>【政治】橋下氏、「お金はいらない。全部向こうに渡したらいい」維新の分割求めず
=新党名は「おおさか維新の会」

 もともとさ、橋下が作ったような政党なんだから、最初から人数割で政治資金を分割しようと言えばいいじゃないの。橋下に批判的な人間でも、この件だけは「それはもっともだ」と賛成すると思うよ。 それを、かっこつけてウソをふきまくるから、こういうことになってしまう。

【追加】読売も記事にしたから、朝日新聞の捏造記事じゃないようです。醜悪というより犯罪なんじゃないの。横領か窃盗。 国会会期中は国会議員には不逮捕特権があるそうだけど、会期終わったんだから、逮捕したほうがいい。


posted by 山科玲児 at 12:02| Comment(0) | 日記

原寸大や原色版

秋萩帖王羲之臨書の研究をしていて、実物も観察したが、字の大きさという問題を考えるとき、ミリ単位で正確な大きさの写真図版がいることがわかった。 写真図版で原寸大と自称していても、実は結構誤差があることが多いので、かなりあきれることが多い。

正確な寸法の記録と縁までちゃんと撮影している写真を何度も対照して、
古谷 稔 先生の

秋萩帖と草仮名の研究  1996/4

の図版は、かなり精密な「原寸大」であることを確認できた。


二玄社の書跡名品叢刊に原寸大でないものがあるのは、ここで指摘しておいたが、

どうも、拡大縮小率の表記について、かなり無頓着な編集者が多いようにも思った。


原色という、ふれこみは更におかしいことが多く、書道で、原色というのでは、紙の色で失望することが多い。
どうしても白紙が黄色っぽくなってしまうのだ。

そのために、蘇東坡の寒食詩巻はモノクロの巻子本を愛好しているぐらいである。
原色だと、かなり原本と印象が違ってしまうのだから。

ただ、拓本の補墨についてはカラー版のほうがよくわかると思うし、平安時代の華麗な料紙については原色版のほうが望ましいと思う。


posted by 山科玲児 at 10:02| Comment(0) | 日記

ルイ=ヴィトンのファッションショー


 ちょっと前ですが、カリフォルニアのリゾート地でのルイ=ヴィトンのファッションショーのヴィデオを観ました。

   Louis Vuitton  Cruise 2016 Full Fashion Show  Exclusive YouTube
      https://www.youtube.com/watch?v=1C0vMQ6xEvM

  
  なんか変だなあ、と思ったのは観客の方々のことです。
  
  こういう、招待(Exclusive)のショーに来る観客というのは、億万長者なんて下にみているような超お金持ちの上流階級の方々、またはそういう階級の関係者でしょ。その割には、あまりそれらしくないんだな。坐っているためかもしれない。全員立っていたりしたら、もう少し傲然とした感じがでてくるのかもしれないなあ。
 日本の富豪は、処世術で、腰の低い人、あえて下がった姿勢をみせる人が多いけれど、アメリカの富豪はあえてカジュアルな感じを演出しているのだろうか? ヨーロッパ映画でみるような、豪華絢爛で威圧的な上流階級(スペイン的ともいうよね)ってのは、世界的には、限定的なものかもしれません。


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2015年10月17日

E.M.シオラン の翻訳者

Incovenient Cioran (1).JPG
2015年8月3日 に
作家の出口裕弘さん死去 86歳
http://www.sankei.com/life/news/150803/lif1508030026-n1.html
というニュースがありました。

 この出口裕弘氏は、私には、

   生誕の災厄
   E.M.シオラン (著),    出口 裕弘 (翻訳)  1976/2
      http://www.amazon.co.jp/dp/431400147X
 の翻訳者として記憶しています。

 過激・矯激な放言 アフォリズムで有名な、ルーマニア生まれでフランス語で著作していたE.M.シオランの著作のなかでは、一番バランスのとれた本だと思います。

 初期の「歴史とユートピア」「崩壊概論」なんかは、青臭く生硬な文章がめだつので、どうも親しめないものでしたが、これは欧州文明の深い学識を背景にした箴言の宝庫です。私にとって、人生で苦しいときの良き助け・良き慰めという役割がありました。

 「まあ、これほど苦しんでいる人がいるのだから、オレなんかはまだましだ。」というような意味合いもありましたね。
 イメージのように、仏文の原本も買ってみました。そうすると、前の所蔵者がマーカーで塗っているところがあるんです。そうはいってもその箇所に感心するとは限らないので、人それぞれ気に入るところは違うんだな、と思います。
Incovenient Cioran (3).JPG



  一時、文体を「ですます」に変えた変な翻訳になっていてがっかりしたんですが、確か、もとに戻っていたと思います。

  今でも刊行されているようで、なによりです。


posted by 山科玲児 at 08:23| Comment(0) | 日記

2015年10月16日

ボッス の洗礼者ヨハネの秘密

bosch johannes baptesma  lazzaro.jpg

ヒエロニムス=ボッス 逝去500年というので、色々な研究が行われているのですが、
 赤外線リフレクトグラフィーを使うことにより、マドリードのラザロ=ガルディアーノ美術館にある  荒野の洗礼者ヨハネ の下:それも真ん中の植物の下に、人物像(寄進者像?)がみつかったようです。 (イメージ)
 ラザロ=ガルディアーノ美術館
    http://www.flg.es/
   洗礼者ヨハネの不可視光線撮影
     http://boscointeractivo.es/en/
 寄進者像を塗りつぶすというようなことは、ときどきあるんですが、これの場合は、真ん中ですし、全部描き変えているとしか考えられません。

 同様の寄進者像の例がやはり赤外線写真で最近みつかっています。 ベニスにある、昔「コルシカの聖ジュリアの殉教」といわれた女性殉教者を主題にしたトリプティークのX線写真で、両翼の大きな改変がみえます。どうももとは大きな男性献納者の人物像が描かれていたのが、全部塗りつぶして聖人像を描いているみたいですね。
 http://boschproject.org/bosch_in_venice.html#martyr

bosch venis martyr.jpg

 これは、いろいろなところに波及する問題かもしれません。
 しかし、1500年ごろという、フランドル絵画の歴史では、それほど最古とは云えない時代、レオ
ナルドダヴィンチと同時代の絵画でも、錯綜した問題がどっさりでてくるのがボッスのボッスたる
ところなのかもしれません。


posted by 山科玲児 at 07:45| Comment(0) | 日記

2015年10月15日

ヤン=ブリューゲルの研究サイト


英語でのヤン=ブリューゲルの詳細な研究サイトをみつけました。


これは凄いですね。

私としては、花の絵でのヤンの本領は、開拓者であって大成者ではないと思っていますが、

それでも、静物画・動物画などにおけるキーマンには違いないので、なかなかこういうサイトは貴重です。

父親のブリューゲルや他の画家もこういうサイトがあれば便利なのにな。


posted by 山科玲児 at 07:28| Comment(0) | 日記

2015年10月14日

第二の信行禅師碑拓本


書道の影印本や拓本を多数紹介されているブログ
http://syodou.exblog.jp/24184800/
によると、唐時代の刻 信行禅師碑の拓本の別本が米国にあり、上海書画で出版されたようです。

大谷大学にある信行禅師碑拓本は重要文化財なんで、孤本とよばれ1冊しかないといわれていました。
大谷大学本は一行7字装幀で、新しい米国本は一行6字装幀ですから、あきらかに違いますね。
大谷本はもともと残本で半分ぐらいしかなく、完全なものではないようです。別本があれば
いままでなかったところをみることができるかもしれません。
ただ、もし、大谷本と残存部分が同じなら、一方が他方の翻刻である可能性がありますね。

posted by 山科玲児 at 09:15| Comment(0) | 日記

2015年10月13日

新発見?のブリューゲル


 新発見のブリューゲル大作 聖マルティヌスのワインについては2011年3月6日にレビューしておいた。これは、現在まで異論は出ていないようで、真作として認められているのは喜ばしいことである。

 最近、というか10月10日から開催中のロッテルダムのボイマンスでの展覧会(来年1月17日まで)では六点のブリューゲルの作品が展示されているそうである。
    ボイマンス自身が誇る「バベルの塔」、 ウイーン美術史美術館の「鳥の巣の諺」、ブラッセル王立美術館 「鳥罠のある冬景色」、ニューヨーク  フリック=コレクションの「3人の兵士」、ルーブルの「いざりたち」そして後述するもう一点である。

 http://www.boijmans.nl/en/10/press/pressitem/518
  この件は3月に述べておいた。
  2015年03月25日
  ボスからブリューゲル特別展 (ロッテルダム)
  http://reijiyamashina.sblo.jp/article/115666259.html

 そのうちの一点が、新発見というほどではないらしいが、一般の昔の薄めのカタログレゾネには
記載されていないもので、面白い。直径20cmの円形の板に描いた小さな絵で、
  For the first time in the Netherlands: Six panels by Pieter Bruegel the Elder together
    http://www.boijmans.nl/en/10/press/pressitem/547
に画像がある。
 個人蔵でほとんど公開されていなかったものだそうだ。ブリューゲルの小型の板絵には結構そういうものがあり、例えば最初期の年代が入っている「チベリアの海に現れるキリスト」が有名だ。「聖母の死」も今こそナショナルトラスト所蔵だが、その前はそういうあつかいだった。この絵も個人蔵からの借り物であり、ボイマンスが所蔵しているわけではない。

 同じ絵柄が、息子のピーター=ブリューゲル2世作というふれこみで。、2013年にクリスティーズで売られていたようだが、あまり感心するものではない。1億円近い落札価だけれど、まあね、買う人は買うんだろうね。
 http://www.christies.com/lotfinder/paintings/pieter-brueghel-ii-the-drunkard-pushed-into-5684576-details.aspx

 このボイマンスで展示された絵でちょっと気になることは、同じ絵の古い版画(↓↓下イメージ)があって、それと鏡映関係にないことだ。
  理由はよくわからないが、ブリューゲルの版画は原画の油絵テンペラ画デッサンが残っている場合は、私が見る限りはすべて左右反対で鏡映関係になっている。これは版画制作のときの技術的な問題なんだろうと思っている。
 なぜか、この絵だけ鏡映関係にないのは不審だ。確かにクリスティーズにでていた作品などよりずっと優れたもので、ボイマンスの研究員も認めているようだが、ちょっとひっかかるところがある。
 あるいは版画自体が版画をもとにして版画を作ったものなので2回鏡映して元に戻ったのだろうか??

  版画Source: ペーテル=ブリューゲル版画展、神奈川県立近代美術館、鎌倉、1972
                         このカタログ、解説は読みにくいが印刷はかなり良い。

 
Breugel Engrav Pig ss.jpg

posted by 山科玲児 at 09:07| Comment(0) | 日記