2015年11月16日

ヴェロネーゼ カナの婚宴 1 楽器

cana Viol.jpg
【部分イメージ:全体はこの10倍以上ある巨大な絵画】


今はたぶん自動小銃をもった警察官が警戒しているであろうルーブル美術館
には大きな絵が多いが、なかでも偉観なのは、このヴェロネーゼ《カナの婚宴》 だろう。
  http://www.wga.hu/html/v/veronese/06/2cana.html

横が10m近く、高さが6m60cmもある巨大な絵である。

 モナリザやミロのヴィーナスほど人だかりがしていないので、観賞にも便である。
 絵画の質からいうと、ダヴィッドのナポレオンの戴冠やルーベンスの連作より優れているように感じた。
 実のところこの作品は、1563年の作品であり、後期ルネサンス、ティティアーノとティントレットの間ごろである。相当古いのだ。

 あまりに明るく、明澄で豪華であり、なんの物語も問題意識も苦悩もないようにみえるこういう絵画は、二〇世紀のひねこびた評論家には扱いにくい対象であったようで、モノグラフもあまりみかけない。

  画家が耳を切ったり、教皇と喧嘩したり、同性愛したり、自殺したり、貧窮のなかで死んだりしなければ、本にしにくいのであろう。

 ところが、最近、
【名画の秘密シリーズ】ヴェロネーゼ 《カナの婚宴》 
 http://www.nishimurashoten.co.jp/pub/details/204_728.html
がでた。図書館から借りてきてみたが、いろいろ面白いことをみつけた。

  まず、イメージに出した手前の楽士たちの左の人がチェロのような楽器を抱えて膝の上において弾いているが、現代ではこういう奏法をする楽器は古楽のコンサートでも見たことがない。いわゆるヴィオラ ダガンバはチェロみたいに足の間において縦にかまえて弓は横にひくのが普通である。

  ヴァイオリンはこのイメージの右の方で演奏しているように、胸にあてて演奏する。
  これは17世紀の絵でも同じで、バロック時代でも踏襲された演奏法である
   2012年01月12日
    17世紀のヴァイオリン奏法
    http://reijiyamashina.sblo.jp/article/53058605.html

  この前に抱えて弾いている楽器は、なんだろうか?なんとも不思議な感じがする。また、弓の持ち方もかなり違うようにみえる。

  ちょっと考えるべきなのは、この絵画は一応ルネサンス時代の絵画であってバロック時代ではない。描き方がルーベンスなどに近いようにみえるので、勘違いしがちだがずっと古い時代なのだ。
  つまりバロック音楽ではなく、ルネッサンス音楽なのだ。
  そういうことを考えると、全く別の楽器だと考えたほうがいいのかもしれない。

  デヴィッド マンロウの「中世 ルンサンスの楽器」を参照してみたが、よくわからなかった。

  あるいは、最近流行していて寺神戸亮氏も熱中しているスパラ(肩掛けチェロ)と関係があるのかもしれない。


posted by 山科玲児 at 09:26| Comment(0) | 日記