2016年01月03日

枕草子 再読


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 昨晩は、
『枕草子(上・下)』 新潮日本古典集成 萩谷朴校注
ISBN-10: 4106203111
ISBN-10: 410620312X
をところどころ読み返していた。

 この校訂注釈は萩谷 先生の新機軸で、枕草子を散文詩のように解釈して本にしたという評判が高く、学問的にも3巻本という、古い時代の流布本とは違う本を底本にテキストを作るというもので斬新である。
日本文学大賞 を受賞していたと思う。

 テキストとして、断片集成のような26個のものが末尾についているが、これが目も覚めるような清新な感じがする文章で清少納言の一面を表しているのだろう。

上巻の末にある「解説」のなかの清少納言伝がとても面白かった。 清少納言の生涯や心情を従来の固定観念や説を批判しながら、かなり実証的にまた一方では思い入れ深い想像で述べたもので、「解説」後半の本文校訂の論文とともに萩谷先生の力作だと思う。

もう思い入れがすごく、紫式部を攻撃する文章も面白い。

 なんのかんのといって1000年も前の人の伝記、それも国王でもなんでもなく、宮廷の侍女だった人なんだから、確かな伝記になるのは今後とも難しいだろう。

 明治時代〜大正時代に紫式部を持ち上げて清少納言を貶めるという風潮があったらしいのは、驚きで、そういう妙なフィルターが現在でもあるのかもしれない。

 イメージは鎌倉時代制作の枕草子絵巻だが、この火鉢は 新潮本では167段「宮にはじまてまいりたる」にある御前の「沈の火桶の梨絵したる」もののようである。ただ、絵全体としては99段「淑藝舎に」らしい。
 枕草子マンガも、名作があれば読みたいものだ。


posted by 山科玲児 at 09:59| Comment(4) | 日記