2016年01月11日

うつほ物語のモデル?

で、
>・化け物のような、国母 詮子のキャラクターは、たぶん 宇津保物語「国譲」の巻にでてくるパワフルな大后の宮がモデルかな? 実際、皇后定子への圧迫がこの「姑の嫁いびり」であったということは、かなり有力な説らしい。

と書いたが、これには、かなり錯綜した問題があるようである。

 というのも、うつほ物語 自体が何度も増補され書き継がれて大きくなった小説らしいという研究があるからだ。
 第一章はそれ自体独立したもののようだし、第2章から第12章までは、枕草子以前に既に面白い小説として人口に膾炙していたらしい。
 ただ、それ以降の後半には一条天皇の御代以降と思われる形跡があるので、どうも清少納言や紫式部と同時かそれ以後に、書き継がれたものではないか、という説が最近はでているようだ。

 そういえば、第一章の主人公の俊蔭は、清原俊蔭で 清原家の人、なんと清少納言と同族なのだ。
この小説の第一章を書いた人は、清原家と縁のある人、ひいては清少納言の先祖と関係のある人かもしれないね。

 そういう時代背景・成立年代からすると、「国譲」の巻にでてくる、后の宮の陰謀も、むしろ皇太后 東三条院;藤原 詮子(ー 1002年)による、定子、伊周の粛清工作というニュースをもとにしたモデル小説ではないか?という想定ができる。

 もしそうなら東三条院;藤原 詮子(ー 1002年)の没年より後の発表だろうから、後半は1003年ごろの作品になる。

そうなると、むしろ大鏡に先行したジャーナリスティックな小説ということになるかもしれない。実際、後半の重厚で錯綜した政治小説的な筆致は当方も何度も読みたくなる魅力がある。

著者名が伝わらないのもそういう理由かもしれないね。



posted by 山科玲児 at 20:02| Comment(2) | 2016年日記

暴れん坊少納言

暴れん坊少納言.JPG







  清少納言の枕草子のことを新年に書いていたら、臨夏さんから
   暴れん坊少納言 コミック 1-7巻 (ガムコミックス)という作品を紹介してもらった。

通販の古本屋で
安い本を買って読んでみたが、なかなか面白く寝過ごしてしまった。
 なんというかなあ、素直で品格が高いと思うし、工夫がある。
 絵柄に新味はないが、セリフや細部の凝りかたがいい。
  勿論、今わかっている「史実」から大幅に変えてあるが、それはちゃんと挿入された四コマで説明されている。
 2回読み返してしまったが、結構いろいろ気がつくものだ。

・紫式部は「左利き」になっている。レオナルドを初め左利きの天才が多いということからか?
・敵役がいつのまにか味方になるという少年マンガの王道による藤原彰子のキャラクターは見事。この人80まで生きるんだよな。
・障子の家屋構造は、たぶん当時は違うと思う。寝殿造りは巨大なワンルームをセパレーションで区切ったようなつくりになっているので。
・酒の飲み方は、杯の形、酒瓶の形などを含め極めて忠実
・清酒の出現時期については、まだよくわからないところもある。
・「虫好き」というキャラクター設定は、堤中納言物語の「虫めづる姫君」から。
・化け物のような、国母 詮子のキャラクターは、たぶん 宇津保物語「国譲」の巻にでてくるパワフルな后の宮がモデルかな? 実際、皇后定子への圧迫がこの「姑の嫁いびり」であったということは、かなり有力な説らしい。
・毛皮を襟につけたような衣装がでてくるが、実は当時、渤海からの貿易品で毛皮が超人気な高級品であったので京都の貴族には結構使われていたと思う。


posted by 山科玲児 at 12:59| Comment(1) | 2016年日記