2016年02月20日

書聖 王羲之 展  図録

書聖 王羲之.JPG

  3年前の特別展「書聖 王羲之」 は、東京国立博物館で観賞はしたが、重いカタログは、買わなかった。
       平成館 特別展示室   2013年1月22日(火) 〜 2013年3月3日(日) 書聖 王羲之 展
           http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1569

このときの記録はここにメモしておいた。
   2013年02月27日
     王羲之 展
     http://reijiyamashina.sblo.jp/article/62953703.html
     http://reijiyamashina.sblo.jp/article/63002871.html

 まあ、なんというか本があふれてしまうので大きいカタログを買うのはひかえていたのである。

 しかしながら、秋萩帖王羲之臨書の研究のため、この図録でどういう解説をしているかをみる必要性に迫られたので、古書でまあ妥当な値段で購入したのである。ネットオークションで、去年の一時期、高値をつけていたようだが、もうそういう爆買いの嵐は過ぎたようだ。

 「ひょっとして既に研究されてしまっていてはまずい」という、みみっちい意図で買ったものだが、それ以外の解説に興味深いところが多かったのは幸いだった。

  まず、伊藤滋さんの黄庭経心大平本についての解説があったのはびっくりである。もっとも、この展覧に「個人蔵」となっている拓本法帖には伊藤さん所蔵のものが多かったから、そういう縁だろう。非常に専門的で第一流の論文だが、果たしてどれだけの読者が読んだのかなあ?まず「心大平本」と「水痕本」の意味がわからないかもしれないなあ。

  また、手鑑を解体してでた古筆切のなかから、王羲之の模写本:大報帖 
を発見した名児耶先生(五島美術館)の生々しい報告もあってこれも面白い。この大報帖は、九州国立博物館での「美の名宝」展のとき貸し出されて展示されていたが墨が均質でペタとしていていかにも模本らしいものだった。
  また、跡見学園の横田恭三先生の秦漢時代〜王羲之の時代の書体変化についてのわかりやすい解説があった。この分野は近年の発掘で大きく変わっているので新しいまとめが必要なところだった。

  また、62番 孔侍中帖の解説のなかで、江戸時代初め元和年間の江月宗玩の記録「墨跡之写」の写真図版を小さいながらいれているのは、有り難かった。 私も写真は初見だ。解説の冨田さん(東京国立博物館)に感謝したい。

  ただ、80番のチョ模蘭亭の巻子本は、明成化5年ごろの陳鑑刻本なのだが、従来の解説を踏襲して「宋拓」としているのは残念だ。
REF: https://www.jstage.jst.go.jp/article/shogakushodoshi/2011/21/2011_45/_pdf

  安易な動機で通販古書店で買ったものだが、解説・図版とも充実していて、まあ正解だったかな。


posted by 山科玲児 at 09:17| Comment(0) | 日記