2016年04月14日

カラヴァッジョ 発見??

東京では、カラヴァッジョ展
カラヴァッジョ展 CARAVAGGIO 
2016年3月1日[火] - 6月12日[日]  国立西洋美術館

が開催されているようで、おそらく、昔庭園美術館で
エマオの晩餐やボルケーゼやバルベリーニのカラヴァッジョが展示されて以来の盛況であろう。

まあ、ボッテチェルリ展ですらいけなかったんだからカラヴァッジョ展には無理である。

NHKやTV局主催の展覧会ではリストがでないことが多いのでヤキモキするのだが、、西洋美術館が主催に入っているためか、こっちにリストがある。

 この展覧会では、たぶんイタリア?で発見されたという 法悦のマグダレーナというかなり不気味な絵画(個人蔵)が新発見として展示されている。1967年の A.O.Della Chiesa の目録 No.70ではマルセイユ美術館の似た絵が挙げられており、オリジナルは失われ多数のコピーがあるという意見だった。

 なんか、よくわからない新発見と称する絵画を日本の公共美術館の特別展で展示して箔をつけるという悪習か?と不快に思ったが、絵自体はカラヴァッジョかどうかはともかくそう悪くはないようだ。
こういうテーマはルーベンスやスペイン絵画にもある。ルーベンスのはリールにあるものを昔池袋で観た。

 カラバッジョ風の絵画というのは、当時大流行したので、ほかの画家による似たような絵画は非常に多い。例えば、現代では大画家として賞賛されるラトゥールの作品も、19世紀にはカラバッジョ派の群小作家の作品、それもスペインの画家の作品とされていたこともあったのである。カラバッジョ派の画家、今回の展示でも作品が出ているサラチーニの作品(らしい)ものでラトゥールの作品とよく似たものを観たこともある。

 署名がなく、来歴がわからず、移動しやすいカンバス画の場合は、確実な画家名をあてるのはなかなか難しいものだと思うので、暫定的に考えたほうがよさそうだ。文献記録がしっかりしている教会の壁画なんかは署名なんかなくても明確に基準作になっているものである。ミケランジェロの最後の審判だってサインなんかない。

 そういえば、俵屋宗達の風神雷神図、あんなに有名なのに署名も何もないのに気が付いてました? 西洋絵画でも東洋絵画でも、サインがあるほうがコピーで、ないほうが真作とされているものがいくらでもある。中国絵画では馬遠の華灯待宴図(台北國立故宮博物院にある2点)とかがあげられよう。

 ほぼ同時に、とってつけたように、
屋根裏から「カラバッジョ名画」発見 推定150億円の価値 仏 写真13枚 国際ニュース:AFPBB News

という 報道があったが、マッチポンプ臭いものだ。まあオークショナーやディーラーはできるだけ有名人の作にして値段を釣り上げたいという気持ちになるのはよくわかるのだが、部外者にはどうでもいい。
ネット経由の画像だけでみると、
色合いなどからして、カラバッジョ派の女流画家として有名な、 アルテミジア・ジェンティレスキ の作品、または 他のカラバッジョ派の画家の作品にみえる、と私は感じている。

REF.
Tout L'Oeuvre Peint du Caravage
Chastel, Andre and Angel Chiesa, Caravaggio
Published by Flammarion (1967)


posted by 山科玲児 at 07:32| Comment(1) | 日記