2016年04月23日

ボッス研究は難しい



ネーデルラント美術の魅力
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784756615428

 久しぶりにでたネーデルランド絵画の論文集なので、さっそくヒエロニムス=ボッスのボッス「快楽の園」(プラド美術館)に関する論だけをを読んだが失望を禁じ得なかった。イコノグラフィーとイコノロジーによる「結婚祝賀画」であるという主張が中心で、制作年代などの問題がその主張にそって曲げられているように感じた。まあ、主要部分である図像分析の部分はあえてどうこういう気はないが、 ミスについては、注意訂正する人がいなかったのかと残念に思った。

 個人攻撃するつもりはないので、2つだけいうと、この当時のベルギー オランダの板絵の木材はほとんどすべてバルト海沿岸からの輸入品であることを考慮して欲しいこと、120pに「タペストリーをはじめ数多くの模写作品がつくられているが、それらの制作時期は16世紀になってからである。」とあるがエスコリアルの模写はプラドの真作より年輪年代が古い明らかに15世紀のものであることを指摘しておきたい。

 他の論文は、未だ腰を据えて読んではないが、さらさらとのぞいた限りでは、メムリンクやホッサールト、ヤン=ブリューゲルの論文は面白そうである。


posted by 山科玲児 at 09:23| Comment(0) | 日記