2016年07月31日

細部は写真で

Bosch Brugge Ship.JPG


 今回、マドリードにいって、ボスやドラトゥール、ブリューゲルなどの絵画の実物を観賞しましたが、なんでわざわざ金と時間と体力を使ってマドリードまでいくのか。画集でみりゃいいじゃん。ネットもあるしさ、という当然の疑問について、メモを書いてみました

  本当のところを言うと、 まず、絵画の質を評価するということが第一の目的です。カラー図版だと偽物のほうが良くみえることが多いんですね。このへんは写真だけでオークション入札するのは危険ということにもつながります。

 前あげた
  ていうのは、実物をみるとしょうもないものなんですが、カラー図版をみると,それほどは、ひどくは見えません。

  私は昔は、細部を確かめるために実物をみにいったものです。しかし、、昔のように粗悪な小さなモノクロ写真しかないという時代ならともかく、有名作品の場合は、現在は、豊富なカラー図版、部分拡大図版カラー複製があります。むしろ細部は写真のほうがよくとらえています。 実は台北國立故宮博物院に孫過庭:書譜を観に行って、詳細なメモをとったことがあります。モノクロのコピーをもっていって、細かくその上にメモしたのですが、あとで、日本でのカラー複製と比較したら複製のほうが、みやすく再現されていてがっかりしたことがあります。

 今回では、例えばブリュージュの美術館にある
Hieronymus Bosch, Last Judgment, Groeninge Museum | Flickr 
  https://www.flickr.com/photos/snarfel/sets/72157627957640823/
は、今回多少修理されてきれいになったようで、ややみやすくなった印象がありますが、それでも細密画すぎて写真でみたほうが細部がよくわかります。ブリュージュで何度も原物うみたときには、真っ黒で全くわかりませんでしたからね。上のイメージにある天使がトランペット(ルネサンス風の直管型)を吹く船(上イメージ)なんか、なかなかオリジナリティがあると思いますが、拡大写真でみるまでその価値に気が付きませんでした。

また、
ボスのドローイングとして有名なフクロウ(ボイマンス)
https://en.wikipedia.org/wiki/File:The_Owl%27s_Nest_Bosch.jpg
もなんども実物をみていますが、左下に風景と軍隊の列(下イメージ)があることには、うかつにも全く気が付きませんでした。
 実物みても意外に細部は見落としていることが多いものです。

Bosch Owls Boymans detail.JPG
posted by 山科玲児 at 15:59| Comment(2) | 日記

新発見 伊東マンショ 肖像をみる



2016年07月10日
新発見 伊東マンショ (天正少年使節) 肖像
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/176020026.html
で紹介した絵を観に
長崎歴史文化博物館
http://www.nmhc.jp/
にいきました。
  いたって普通の肖像です。古色、肌合い、など問題のないものですね。
  
   しかし、こういう東洋人の肖像って、欧米に何万点あるかわからない膨大な肖像画のコレクションのなかに、まだ混じっているんじゃないかな?と思うところがあります。ルーベンスによる黒人の肖像などは珍しいので紹介されているようではありますがね。
 同じ部屋に初期洋画のリュートを弾く女性の絵があって、そのわきに複製古楽器でリュートだけではなく、ヴィオラダブラッチョなどが展示されていたのは面白かったと思います。

    2016年7月22日(金)〜8月31日(水)※休館日なし
天正少年使節のアニメがヴィデオ放映されていますが、色々微妙な問題はスルーできれい事になっていたのは、まあしょうがないのかな。



長崎歴史文化博物館の常設展は、前よりかなりよく整備された感があります。上野彦馬が使ったカメラとかありますしね。工芸コーナーで焼き物や鼈甲細工なども上手に展示されています。
ただ、竹久夢二の、長崎をテーマにした絵や版画もあってもよかった。

 

posted by 山科玲児 at 08:44| Comment(0) | 日記

2016年07月30日

覆ってしまった

St Antonius Prado Xray compare.JPG


 プラド美術館のボスのやや小型の板絵  聖アントニウスの誘惑
は、最近、修理され、上部の左右が板で覆われてしまった。 
 https://youtu.be/JJQbHaD9J5s の5.01分のところを参照

The Temptations of Saint Anthony
1510 - 1515. Oil on oak panel, 73 x 52.5 cm.

これは、上のイメージのように、X線写真でみると上部が後の時代に板を付け加えた後があるからである。
そうだとすると、この部分は19世紀の補筆ということになるのだが、相当上手い補筆だと思った。
2015年07月05日に書いた
Joseph Van der Veken ジョゼフ=ヴァン=デア=ヴェーケン
のような名手がやったのだろうか?

しかし、覆って隠すというのは良いことだったのかな?

 ところで、この作品それ自体が模倣作だとBRCPは言っているようだが、賛成しがたい。



posted by 山科玲児 at 11:02| Comment(0) | 日記

2016年07月29日

素描の役割

Breugel Fortitude drawing  ss.jpg



ボス展のカタログ解説を読んでいるとき、ボスの素描Drawingの話がしばしばでてくる。絵画の下にあって赤外線やX線でみえる素描  下書きは別として、絶対確実なボスの素描があるのかどうか、という疑問もある。

 なにより、古典的西洋絵画において、素描の役割というか位置づけが結構複雑だと思う。

私は大きくわけて4種あると思う。
1.油絵テンペラ絵や壁画などを制作するための準備素描、絵の下絵素描も含む
これは、 素描−>油絵など の方向で制作されたもの。
大きな作品の注文をうけるとき、注文主に提出するようなこともあったらしい。

2.既にある絵画作品を模写して記録にするもの、日本でいう粉本
 ロヒールの本を読んでいたら、こういうのはモデーロというと書いてあった。
 17世紀のクロード=ロランも自作の素描を多数あつめてもっていて、あとで刊行していた。
 先輩や有名な絵画を模写してノートにすることも多かっただろう。 
これは、 油絵など−>素描 という逆方向で制作されたもの。

3.版画の原稿としての素描。
  ブリューゲルが描いた緻密な素描は版画刊行業者の依頼で描いたものだろう。
  上イメージのように、版画とは左右逆になることがほとんど
これは、素描−>版画である。

4.素描自体を売るための素描。
  17世紀のボロメオ枢機卿がラファエロのアテネの学堂の素描を高価に買った先例からいって、素描 ドローイングそれ自体の蒐集は古い。とすると、商品としての素描もできてくるわけである。

ボスの素描といわれるもののなかでも、この4つが混じっているような感じがする。
posted by 山科玲児 at 09:51| Comment(0) | 日記

人体内にいる細菌から抗生物質


 中国などで抗生物質を乱用しているせいか、耐性菌が出現して、大きな問題になっている。
 新しい抗生物質の探索にも莫大な費用がかかるので、製薬業界自体がやりたがらないという話もきいた。
 そういう中で、

人の鼻から新抗生物質発見、耐性菌に効果か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160728-00000012-jij_afp-int


 従来は
 >抗生物質化合物は通常、土壌中に生息する細菌から採取される。
 なのが、
>「人に関連する細菌が、実効のある抗生物質を生成することが明らかになるとは、まったくの予想外だった」
という発見のようである。これは、大発見かもしれない。

 
posted by 山科玲児 at 08:38| Comment(0) | 日記

2016年07月28日

相模原 津久井やまゆり園 テロ事件


 19人死亡、26人重軽傷、犯人はもと職員の男性 というテロ事件だ。
 マスコミがあまり書かないこと、ただ少しは書き出していることを2つ書く。

@
  この広大な施設(3万平方メートル、プール 体育館もある)
「やまゆり園」は強度行動障害者の受け入れ施設 であることである。

 強度行動障害とは「直接的な他害」「間接的な他害」「自傷行為」が非常に多い頻度で見られ、
通常の環境下では対応が非常に困難な特性を持つ人を指す

 こういう人々は家庭内で介護することは不可能である。もしやれば、必ずDVどころか一家心中、尊属殺人の悲劇を起こす。また、普通の福祉施設での生活も不可能だろう。
 「犯罪を起こす病気」というものがあることを、一応は知ったほうがいい。

  いいにくいことだが、植松聖が一人で短時間に多量殺人できたのは、被害者が暴れたり自殺できないように拘束されていたからではなかろうか。ISダーイッシュテロで、逃げ回る群衆への銃撃の被害数と比較するとわかる。

 事件の施設、重度の障害者を介助 「民間で対応難しい」  
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160727-00000005-asahi-soci
これは、朝日新聞の記事だが、「民間で対応難しい」というのはもはや本当だろう。
警察をもつ県が主体となって運営する他ないのではないか。不足予算は国家が補助するべきである。
こういう問題なら赤字国債をどんどん出してよい。政府紙幣を出しても問題ないだろう。  
  植松容疑者はこういう刺青をいれていたそうだが、
  容疑者自身のTwitter
    https://twitter.com/tenka333/status/557503061036240898?ref_src=twsrc%5Etfw
 公務員なら大阪はともかく、採用者をある程度フィルタリングできるだろうし、待遇や退職後の見込みも良くなるので人材を集めやすいだろう。警察のパチンコ業界への天下りが指弾されているが、こちらへ鞍替えしたほうがいいかもしれない。

>政府は13年度末から4年間で施設の入居者を4%以上減らし、施設を出て地域生活に移る人を12%以上増やすことを目指す。

ということを、前きいたとき、家庭内の悲劇を増やす政策だと思ったものだ。
 財務省官僚が医療介護予算を減らすために、こういう非道な政策を押し込んでいるのだろう。政治家が唯々諾々と財務省官僚に従うのはまことに情けない。
  介護予算は国内GDPを増やすもので、経済成長に寄与するのだから、増やすのが当然であろう。
  安倍内閣の政策のなかでも「介護報酬の削減」「診療報酬の削減」は最悪の政策だ。これは、単に国民に害になるだけではなく、経済政策としても悪手である。デフレ促進政策だ。
  東大のバカ学者に影響される財務省官僚は大脳を替えた方が良い。

A
 これは、日本国憲法の思想信条の自由に内在する矛盾と関係がある。
 「大量殺人を思想信条とする自由」を主張した場合、日本社会と政府、裁判所はどう対応できるかという問題である。これはオウム真理教事件のときも提起されるべきだったことだが、
オウム裁判も「殺人罪」の裁判になってしまって矮小化され、なんとなく忘れられてしまった。

 今年2月、植松聖 容疑者は、大量殺人の要望書を衆議院議長に出していて、その直後に警察が動いて措置入院、しかし10日前後で解放されている。措置入院で、こういう短期というのも少ないらしいが、違法ではない。舛添や小沢一郎の政治資金問題と同じで法律が現実に追いついていないのだ。
 この事件を起こしたので、植松は退職した。施設のトップは穏便に自主退職の形にした。 
 この辺の事情については、意外とNHKのサイトがよく整理されていて、時系列がわかりやすい。

 「事件が起こるまでは拘束できない」ということは、逆に言えば「思想信条によって拘束されることはない」ということを保証しているわけである。

 まあ、ネットの「殺害予告」などは「脅迫」「威力業務妨害」などで逮捕されているようなのに、こういう途方もない予告については意外なほど策がない。

 日本国民の安全保障と「思想信条の自由」とにどう折り合いをつけるのか、難しいことだと思う。



posted by 山科玲児 at 07:13| Comment(0) | 日記

2016年07月27日

マドリードのホテル

Hotel Catalonia Puerta del Sol.JPG


マドリードで泊まったホテルは
だった。
 このホテルは古建築を改造したものらしく、階段が豪華である。
宿泊客はエレベーターばかり使っていて、
この階段を観賞しないのは、もったいないなあ、と思いました。



タグ:マドリード
posted by 山科玲児 at 07:17| Comment(0) | 日記

2016年07月26日

アメリカ大統領選挙の混迷


米国大統領選挙で、今  フィラデルフィアで民主党大会が開催されていて クリントンが指名確実
のようだが、
 予備選で、民主党幹部が サンダースを落とそうと画策していたメールが流出して、
民主党支持者内部での混乱を起こしているようだ。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/07/post-5537.php

 その責任をとってデビー ワッセルマン シュルツという幹部(女性)が辞任するそうだ。
 https://en.wikipedia.org/wiki/Debbie_Wasserman_Schultz
 若く見えるが50歳である。

 ここまで工作やってると、ささやかれてきた予備選挙の内部の不正もありそうですね。サンダース支持者としては収まらないだろう。

 一方、共和党の方は、幹部はトランプを落とそうと工作していたが失敗してしまい、結局  トランプが指名された。民主党と正反対・真逆の状態である。イスラエルはトランプ支持だろうけど、うまくやれるかな。

 この「メール流出」は、ウィキリークスらしいが、イスラエルやロシアが関わっているかもしれない。

posted by 山科玲児 at 11:22| Comment(0) | 日記

ロシアがトリチウム除去装置を提案


 ロシアの公式宣伝サイト  Sputnik日本 
   http://jp.sputniknews.com/
  は、欧米マスコミとは違った観点からのニュースが多いので、参考になることが多い。
むろんプロパガンタやウソも多いだろう。プラウダの後継だからね。

 最近、

ロシア 福島第一原発の汚染水を最大限効果的に浄化する装置を日本に提案
 http://jp.sputniknews.com/opinion/20160622/2347671.html
という記事があった。
 実のところ、この記事を読んではじめて、東電が こういう装置の入札を世界の企業に募っていたことが
わかった。
 >ロシアの「ロスラオ」以外に、国際入札には、米国のKurionや、カナダ・日本共同のGE/Hitachiが参加し、勝利を目指し戦っている。

 KURIONって、確か福島にいれた汚染水浄化装置がうまく動かなかった会社じゃなかったけ。よくもまあぬけぬけと売り込みにきたものだ。

>アレバとキュリオンは結局「役立たず」 汚染除去の本命東芝製「アルプス」はいつ稼働
>   http://www.j-cast.com/2013/09/09183400.html?p=all

  ただね、アレバの装置よりは動いたはずだから、そこが評価されたのかな???


 これは、トリチウム以外を除去して、トリチウムを無視すると水道水レベルまでの浄水になった「もと汚染水」をためておくタンクがどんどん増えてしまうので、トリチウムを除いてタンクを空けたいという問題であろう。トリチウムの半減期は約12年だからどんどん少なくはなるのだけど、やはり追いつかないのだろう。トリチウム除くと、もう蒸留水として売ってもいいレベルになるけれど、まあ海へ流すんだろうな。
 除くといっても自然に存在するトリチウムレベルぐらいまで落とすということだろう。

 ただ、大規模な核融合実験には多量のトリチウムがいる。もし、こういう方法の副産物として
高濃度トリチウムが多量に生産する方法が確立できればそれは、よいことなのかもしれない。

  実は、世界の原子炉はトリチウムは、皆外界に放出している。宇宙線によって自然生成されるトリチウムが7−9京ベクレルだから、それより少なければいいという理屈なのかもしれないが、あまり望ましいとはおもえない。
 もし、トリチウム生産施設ができるなら逆に商品になるかもしれない。


posted by 山科玲児 at 08:24| Comment(0) | 日記

2016年07月25日

ドイツでシリア人難民がなたで襲撃、妊婦殺害、他2人傷害



独でシリア人がなたで襲撃、3人死傷 恋愛のもつれ動機か 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160725-00000001-jij_afp-int
AFP=時事
の見出しは、半分はウソか間違い。

「 恋愛のもつれ動機か」という部分は、 
もとになったAFPの記事にもないよ。
https://www.yahoo.com/news/no-evidence-machete-killing-terrorist-attack-german-police-172222261.html

 アホですか? それとも事件を矮小化しようとしてるのか?
45歳の妊婦を殺害して、「恋愛のもつれ」ってどういうセンスですか?
時事通信はひどい嘘つきだ。

デイリーメール紙:
シリア難民、21歳。妊婦を襲撃殺害
Syrian refugee, 21, hacks PREGNANT woman to death
が普通の見出しでしょ。

事実だけいうと、
・現地時間 午後2時半、ロートリンゲンの中心部のバスターミナル
・21歳、シリア人として難民申請していた男が 45歳のポーランド系の妊婦をナタで殺害
 (じつは、ホントにシリア人なのか? わからないところがある)
・その後逃げようとしてシトロエンに乗っていた男と女に切りつける。
・他の自動車にはねられて、ころがったところ、警察が逮捕。

 
posted by 山科玲児 at 08:32| Comment(0) | 日記