2016年08月21日

プラドのラトゥール展のカタログ

LaTour Prado.JPG

 プラド美術館のラトゥール展のカタログ(イメージ)を読んでいたとき、なんかどこかで読んだような話だなあ、と思って著者を確認したら、ディミトリ・サルモンでした。
 この人には、日本語訳されたラトゥールの本がありまして、私も読んでいたものですから、なるほどそうか、同じ人なら、そう違ったこというわけないし、書き方も似てくるから当たり前だな、と思ったものです。「使い回し」という悪口が一瞬頭に浮かびましたが、それは酷すぎる中傷的な発想でした。小説のような創作物じゃなく、事実を書かなければいけないのだから、そう違ったこと書けるわけがない。

 このディミトリ・サルモンさんは、名前からするとロシア系か東欧系っぽいですね。

日本語訳された本は、
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール―再発見された神秘の画家 (「知の再発見」双書 (121))
2005/2
ジャン=ピエール・キュザン (著),    ディミトリ・サルモン   (著),    遠藤 ゆかり (翻訳),    高橋 明也
http://www.amazon.co.jp/dp/4422211811

 これはお薦めの本です。なんかもう絶版みたいですが、中古本は容易に入手できるみたいです。

  このカタログで、ほぼ同じ絵が2点ある「いかさまカード」(ルーブルとキンベル美術館)について、どう書いてあるかなああ、と個別作品解説を読んでみたんですが、どうもキンベルのほうが早い作品のようです。赤外線でみる下書きでルーブルのほうが、既存の絵画をなぞったようなあとがあるとか。また、ルーブルの左から2番目の女性の胴着はもともとキンベルと同じく赤で、その上に緑に変更したもののようです。ただ、この変更は模写の証拠にはならないような気もします。 この2点、プラドで至近で比較しても截然とした判断「こっちが絶対良い」は出来かねますね。画家の息子エチエンヌの協力ということは、何十年も前からいわれていますから、結構ヌエ的な作品があるのかもしれませんし、画家とほぼ同時代の作品には違いないでしょう。つまり後世の模写ではない。 また、この2点はMETの「女占い師」と比べると遜色がありますので2点とももっといいオリジナル(亡失)から派生した作品というケースもあるかもしれないなあ。


 


posted by 山科玲児 at 09:17| Comment(0) | 日記