2016年08月27日

台南の奇美博物館

Graal Tapis BurneJones.JPG

クラーナハ展―500年後の誘惑
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2016cranach.html
の展示作品の代表作をみていたとき、

「子供達を祝福するキリスト」というのが、台湾の奇美博物館の所蔵であることに気が付いた。おかしいなと思って調べてみると、これは少なくとも3点同じような絵があって、フランクフルト、プラハ、台湾に
あるらしい。まだあるかもしれない。

 この奇美博物館の旅行会社「台北ナビ」の紹介サイトがあり、なかなか要をえているが、

 この中に、エルグレコの「聖マルタンと乞食」がある。あれ、これは欧米の美術館にあったはずだが、と思っていて、調べるとやはり、ワシントンのNG、シカゴ、台湾にあるもののようである。ワシントンのが一番大きくて有名だ。 大阪と東京で2012年〜2013年に開催されたエルグレコ展では、この台湾台南市の奇美博物館の所蔵品が展示されたもののようである。

 ところで、上にあげた台北ナビの頁をみると、
エドワード=バーン=ジョーンズ下絵、モリス商会制作の「聖杯伝説」の美しい大きなタペストリー(イメージ)があるようだ。でも、これはバーミンガムだったはず?と思っていたら、三セットぐらい織られていたもので、やはりその一つのようである。 ただ、これは個人的にはかなり関心があり、奇美博物館へいってみようかな?と思わせる作品だ。ここは楽器蒐集で有名だったこともある。

 どうも、奇美博物館の西洋絵画は、複数ある有名作のうちの一つを入手しようというような作戦で蒐集したものではないか?と邪推したくなる。

 ただ、解説なしでチラシやポスターだけで見せられると、あの有名作か、と間違えそうな感がないわけでもない。



posted by 山科玲児 at 18:56| Comment(0) | 日記

ひょっとしたら酷い絵なのかも

Annunciation MET Piemont Morgan Rogier Memling.jpg


 ニューヨーク メトロポリタン美術館に1917年というから100年近く前からずーーーとある
大きな「受胎告知」の板絵がある。なんと高さ186cmというから、
ブリュージュのメムリンクのマリア ヨハネ  祭壇画(高さ170cm)
より大きく、ミュンヘン  アルテピナコテークのロヒール コルンバ祭壇画(高さ138cm) よりも大きい。 


Hans Memling  The Annunciation  The Met
http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437490
Clugny family,(186.1 x 114.9 cm)

  こんなに大きいのに、しかも100年間もメトロポリタン美術館という人目に触れやすいところにあるのに、全く注目されていない。古くはロヒール=ファンデアワイデンの作品とされ、現在はメトロポリタン美術館はメムリンクの作品としているようだが、あの碩学Dirk de Vosのメムリンクのカタログレゾネにも、ロヒールのカタログレゾネにも、まともにのっていない(Dirk De Vos, Hans Memlig Complete Works, 1994, LondonとDirk de Vos, Rogier van der Weyden, 1999,Antwerp)。なんでやねん。同じメトロポリタン美術館のメムリンクの受胎告知なら、旧レーマンコレクションのずっと小さい受胎告知(80cm以下)の方がずっと有名で、古くから何度も何度も紹介されているし、私もメトロポリタン美術館では是非見たい絵画の一つに数えている。

  古い Martin Davis, Rogier van der Weyden, 1972,Londonには記載があるが、日本ででたロヒールの本にも全く取り上げられない。

 また、展覧会履歴をみると、館外への貸し出しがない。まあ、大きいからということもあろうけれど、世界中から貸して欲しいという要請があれば、だしそうなものである。
 2mもあるプラドの「十字架降架」、3mもあるエスコリアルの「カルバリオ」、 高さ2m以上のダンチッヒの「最期の審判」程は大きくないとはいえ、数少ない ロヒール/メムリンク系統の大画面という点では、貴重にみえる。

   私は、現物を観たことがないので、あまり軽々しくはいえないのだが、この絵は実物をみると、がっかりするようなひどい絵なんじゃあるまいか??
   フリートレンダー先生のMax J. Friedl&aumlnder   van Eyk  to Breughel, Cornell Paperbooks/Paidon Books(1981/1956)
にも「大きいが空疎(large  and rather empty)」というひどい評がある。

 こういうところでは、カラー写真での判断の限界がでて、実物を観ないとわからないというレベルの議論なのかもしれない。



posted by 山科玲児 at 08:48| Comment(0) | 日記