2016年09月25日

ボス展の展覧会評 抜粋


ペンシルベニア大学のLarry Silver先生のボス展 展覧会評
http://www.hnanews.org/hna/exhibitions/reviews/Bosch2016.html   (英文)
は、面白いのだが、文字が小さすぎるので、ワード文書にして印刷して読んでいる。


 ちょっと、面白いところをつまみ食いしてみる。これらは事実というより解釈意見の相違である。
歴史事実と歴史認識の違いに近いね。


* BRCP(Bosch Research and Conservatuon Project)はボスの伝承作品全部を科学機器で精査しようとしたが、プラド美術館とウイーン美術アカデミーは自分らで独自にやることにした。プラドは今回のカタログで公表しているが、ウイーンのほうは未だだ。

*ウイーンの「最後の審判」には明白に複数の画家の筆がみえるので、両展覧会から避けられたのではないか?
(小生: これはちょっと酷すぎる放言に感じるのだが、、)

*BRCPのカタログレゾネにおいては、ボス工房作にしたのは少数の油絵と少数の素描で、殆どの素描がそのまま真作になっている。これは、コレニー博士Dr.Fritz Korenyの意見に反発した結果ではないか?

*ボスの作品の美点は動物描写のすばらしさにもあるのだから、ボスがルーベンスのように「動物専門の画家」を工房に雇っていたとは思えない。

*北ブラバントでの展示では、素描がまとまって展示されていたので、比較ができ判別しやすかったが、プラドではバラバラにおいてあったので比較しにくかった。

*両展とも、主題別に絵画をわけて、展示してあった。そのため、プラドでは、同じ「十字架を担うキリスト」のエスコリアルとウイーンの作が並ぶこととなった。これで観ると同じ画家の作品とは思えない印象を受ける。

* 真蹟とされたブリュージュの「最後の審判」はパスティーシュだとおもう。また誇大な大騒ぎで紹介されたカンサスの「聖アントニウス」断片は、研究にほとんど寄与するところはない。

*紋章や家系研究によって、プラドの三賢王礼拝の祭壇画とボストンの「この人を観よ」祭壇画が1490年代半ばであることがわかった。これは絵画年代推定で基準点となる。
(小生:ボストンのほうの年代は怪しい。紋章に疑問があるそうだ by ERIC BRYUIN)

*ボスの絵画の発展史を考えるとき、1世紀前にバルダスが提言したことが有用だろう。背景の風景描写を指標に使うのである。

*BRCPカタログは、未だに決定版とはいえない。

 プラドのカタログのエッセイやプラドでの講演では、あまり過激なことは言っていないようで、むしろつまらないくらいだが、ここではドナルド=トランプなみに言いたい放題ですねえ。


posted by 山科玲児 at 12:07| Comment(2) | 日記

ボス展のカタログを読む その15 Koreny博士も参加してた

Drawing  discovered boschnian.jpg


 プラドのボス展も、今日で終わりです。現地時間で12時までやってるそうで、スペイン人はほんとに夜ずっぱりだなあ。朝は遅めですけどね。今日はボス展でいきますね。

 ボスの鑑識に大鉈を振るった意見を提出した、 ウイーンのコレニー博士Dr.Fritz Korenyが、素描の各作品の解説を寄稿しているのに気が付いた。よく考えれば、コレニー博士はボスの素描の456pもある浩瀚なカタログレゾネを2012年に刊行してるし、素描版画の殿堂 ウイーンのアルベルティーナで長年働いていたから当然といえば当然である。

Fritz Koreny, Hieronymus Bosch: die Zeichnungen: Werkstatt und Nachfolge bis zum Ende des 16. Jahrhunderts: catalogue raisonné, Turnhout 2012,
http://www.brepols.net/Pages/ShowProduct.aspx?prod_id=IS-9782503542089-1



そうはいっても、乾し草の車、「放浪者」+「船」+「守銭奴の死」、「七つの大罪 テーブル」などをボスとは別人の作にしたり、ブリュージュの「最期の審判」もまた別人の作としたりと、賛成したくなる意見だが、大胆な意見なので、賛否両論を巻き起こしていた。 私は、てっきり、マスコミの名声ほしさにイロモノの奇説を振り回す学者かと思っていた。

しかし、十分まともな老学究のようだ。


最近、新発見として騒がれた、ボス風のデッサン(イメージ)は2003年のササビーズででたものらしい。

注目して研究し、ブリュージュの「最期の審判」と同筆を指摘したのは、このコレニー博士だそうだ。これはプラド美術館にはでていなかった。ボス真筆とお墨付きがないと嫌だと、所蔵家が嫌ったのかもしれない。

 
ボスの鑑識については、

ペンシルベニア大学のLarry Silver先生も、

「BRCPカタログは、決定版とはいえない」と断言しているし、まだまだ延々と議論が続きそうである。



あまりにおかしなことが多すぎる。


 
次は

Larry Silver先生のコメントから、刺激的なところを抜粋してみたい。


posted by 山科玲児 at 09:40| Comment(0) | 日記

2016年09月24日

クルーズ上院議員がトランプ支持



共和党の有力候補だったテッド=クルーズ上院議員がトランプ支持を明言したことについては、
日本も米国のマスコミも混乱していて、全く要領をえない。翻訳もおかしい。

 ただ、英国のガーディアンが簡潔なまとめをしていたので、エッセンスだけ翻訳する。

クルーズの発言「2つの理由でトランプの投票することにした。一つは、私は共和党候補を支援すると明言していたからだ。2つは、どう考えても、クリントンが大統領になることは容認できないからだ。」

トランプの答え
 「すばらしく名誉なことだ。 我々は(選挙戦を)戦い、クルーズ上院議員は強くかつ素晴らしい対戦相手だった。 アメリカを再び偉大な国にするため、今後ずっと(何年も)協力したい。」


posted by 山科玲児 at 15:31| Comment(0) | 日記

香港サザビーズ オークション

 10月の東美特別展に石山切がでていたりして、面白いなと、思っていましたが、
それより早い、香港ササビーズ(10月1日から)のほうに、ちょっとコメントしたくなるオークションがありました。実はYOUTUBE CM 動画でちょっと気になるものがあったからです。

  まあ、オークションというのは、ワインから宝石から不動産から、なんでもやるのが商売ですから、古美術ばかりやってるわけじゃありません。極一部です。

 一つは、Roger Keverne氏の売り立て(10月5日)

 このRoger Keverne氏は、もと ロンドンの BLUETT SONSの重要スタッフで、独立して古美術商をやった長老です。六嶋さんの「ロンドン骨董街の人々」にも出てきましたね。業界50年記念というのでセールをやります、ということです。さすがにRoger Keverne好みというか、いかにもそれらしい一味あるものがそこそこあるようですね。なかでも注目したので竹の筆筒で、一つは深彫のもの、ひとつは留青です。留青のほうは、張希黄(款あり)の酔王亭記だそうなんですが、METにあるものとほぼ同じ作風ですね。フリーアのほうが良いとは思いますが、それなりに高価なものになるでしょう。

 また、8月に逝去された不言堂 坂本五郎さん旧蔵品の金銅仏 売り立てもあります(10月5日)。
 小さな物が多く、博物館美術館むきではないのですが、十一面観音なんかは珍しいのかな。また東魏の礼拝天人? 断片なんかは魅力的に感じました。 ただ、金銅仏は昔から真贋鑑定が難しいものなので写真だけでは到底判断できないのがつらいところです。






posted by 山科玲児 at 13:14| Comment(0) | 日記

記事 削除

クリントンの選対、クレジット不正請求

という、クリントン キャンペーン  のスキャンダルについては、

情報が絶対確実とはいえず、

選挙用のデマ流布という怖れも、いくらかあるので、削除します。

posted by 山科玲児 at 10:12| Comment(0) | 日記

日本原子力学会には学者はいないのか



もんじゅ運転を要望=巨額費用「やむを得ず」―原子力学会
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160923-00000070-jij-soci
時事通信の歪曲である可能性があるので
日本原子力学会の正式なプレスリリースも読んだ。
http://www.aesj.net/post_pr20160923
 どうも、アクセスが殺到して、文書は読みにくくなくなっているようだ。

 正式なプレスリリースには、「もんじゅ」がなければできないという5つの実験があげられているが、そもそも20年間でできなかった実験が今後10年でできると思うのがおかしい。文部科学省の許可がえられなかったから、という言い訳なら、今後も許可はないだろうから意味なし。

 まじめな学者なら、未経験の「高速増殖炉の廃炉」という素晴らしいイベントに、喜んで参加するのが、普通の反応でしょ。そして、より安全な優れた原子炉や核転換炉の提案をするのが普通の学者というものだ。
 十年1日のような、つまらない旧式原子炉の「もんじゅ」にいつまでも関わりたいと思う意欲的な学者が、どこにいるだろうか。

  役人に「こう言ってくれたら、ポストや研究費をあげますよ」とでも吹き込まれたんだろう。情けない連中だ。学者の風上にも置けない。


posted by 山科玲児 at 09:19| Comment(0) | 日記

プラド ボス展 60万人超え

bosch 2016.JPG


プラドのボス展は、いよいよ今週末25日で閉幕です。

月23日の記事では60万人の入場者確実ということでプラド美術館の新記録になったそうです。
(EL PAIS紙による)
この記事はスペイン語

従来、入場者が多い展覧会では、ピカソ展、ダリ展などがありますが、これは、あのアトーチャ駅近くの巨大な美術館 レイナ ソフィア  センター (ゲルニカがあるとこ)で開催されたもので、十分キャパシティがあるわけです。 あのプラドの決して大きくない特別展用スペース(ヘロニモ館)で、
この人数というのは、かなりつらいものがあると思います。






posted by 山科玲児 at 08:12| Comment(0) | 日記

2016年09月23日

東博の橋本コレクション展示から


東京国立博物館の8月の橋本コレクション展示リストから、佳作をピックアップしてみました。

↓ ↓ この展示リストから選びました。

過去に観た経験から、良いと思った作品を選んでみました。
大阪でみたときのリストなどから、もっと大きな採点表を作る予定ですが、まず、これから始めてみます。

  漁童吹笛図  1幅 鄭文林 中国 明時代・16世紀
  周茂叔愛蓮図  1幅 陶成筆 中国 明時代・15〜16世紀
  梅柳待臘図  1幅 盛茂Y筆 中国 崇禎6年(1633) 
  幽壑高棲図  1幅 姚宋筆 中国 清時代・17〜18世紀  
  雪梅群兎図  1幅 沈銓筆 中国 清時代・康煕55年(1716)
 
  重文 探花図巻  1巻 石鋭筆 中国 明時代・15世紀  
  漁楽図巻  1巻 李著筆 中国 明時代・16世紀  
  三山書院図巻  1巻 朱翰之筆 中国 清時代・順治8年(1651) 
  江山泛舟図巻  1巻 陸?筆 中国 清時代・康煕36年(1697)  
  松山一角図  1巻 高鳳翰筆 中国 清時代・雍正12年(1734) 
  阿羅漢像冊  1冊 丁観鵬筆 中国 清時代・18世紀

posted by 山科玲児 at 08:36| Comment(0) | 日記

2016年09月22日

ボス展の展覧会評


2016年09月18日に、
二つのボス展の批評文があった
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/176924672.html
という記事を書きました。

  この英文展覧会評
http://www.hnanews.org/hna/exhibitions/reviews/Bosch2016.html   (英文)
  をよく読みなおしてみると、相当辛辣で面白いものなので、何度も読み返しています。そりゃ、まあ、賛成できないところも多いのですが、米国人らしい無遠慮さが、この場合は良いほうにいっているのかな。
  確かに話題がいろいろと跳ぶので、さらっとは読めないけれど、まあ読みやすい米語だし、お薦めかな。
  この ペンシルベニア大学のLarry Silver先生は、Crime and Punishments. Bosch's Hellというエッセイをプラド展カタログに寄稿してますが、 これよりも、展覧会批評のほうがよさそうな感じかな。。
 意地悪じいさんっぽい感じもします。

動画は、こっち、少し顔がやせてる


posted by 山科玲児 at 10:54| Comment(0) | 日記

Provigilというドラッグ 


ヒラリー クリントンの件で、述べた
Provigil  〔同じ薬の別名は、Alertec, Modavigil, Modafinil)

だが、【頭脳のパイアグラ】とも呼ばれて、米国では乱用されているというニュース記事があった。

ABCニュース〔2013年)

(自動開始動画附きサイトなので、注意)

本来は、ナルコプレシー(嗜眠症」)や睡眠時無呼吸症の薬であり、処方箋が必要な薬のはずだが、ネットでも販売しているようだ。

依存性が比較的少ないとはいえ、これは不味いんじゃないかな。

 軍隊でやむを得ないときの利用などはともかく、長距離運転トラックとか、「二四時間働けますか」のブラック企業での利用とか、無茶過ぎるだろう。 そのうちドラッグ漬けで奴隷労働させた企業が告発されたという事件が明るみに出そうだ。

アメリカ人のドラッグ好き は、かなり異常な感じがする。

クリントンもドラッグ漬けが、体調不良の原因なのかもしれないね。


 
posted by 山科玲児 at 09:36| Comment(0) | 日記