2016年09月11日

9・11とサウジ賠償法


 9・11テロで、ニューヨークの国際貿易センターが崩壊し約5000人が犠牲になった。日本人も犠牲者にいる。
  2001年9月11日、私は、ベルギーに旅行中で、ブリュッセル:ルイーズ広場の近くの小さなビジネスホテル、ARGUSにいた。博物館関係者のシモネ氏からメッセージが入っていた。部屋から電話すると、ホテルにむかえにきてくれるとのこと。ありがたく待っていた。ロビーで、新聞を手にとると、ニューヨークでハイジャック機が2機、国際貿易センタービルに突っ込んだという大変なニュースを知った。
 ということで、海外でフランス語でこの事件を知るという奇妙なことになっていた。

米同時多発攻撃から15年、永続化する米国の戦い
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160911-00000021-jij_afp-int
 この事件で、米国下院への報告書(CIAやNSCが作ったのだろうか)の一部が機密あつかいだったというので、きな臭いものがあったが、最近 公開され、サウジ有力者の関与が明らかになった。シリアで反政府勢力に化学兵器を仲介したバンダル王子も関与しているらしい。
 そのためか、
    サウジ法案可決 オバマ政権は拒否権発動へ
      http://mainichi.jp/articles/20160910/k00/00e/030/181000c
という事態になっている。上院では4月に可決されていて、下院が最近可決ということである。
   ネットの一部では「70兆円賠償」とかいうデマが流れていたが、これはサウジが米国債を買っているのが70兆円だから、それが凍結差し押さえされる可能性を考えて誇張していっているだけで、あまり論理的ではない。

posted by 山科玲児 at 19:22| Comment(0) | 日記

藤原行成の書


東京国立博物館で「行成の書の企画展やってます。

藤原行成の書 その流行と伝称
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1816

東京にいたら、いきたくなる優れた選択ですね。

  有名な 白氏詩巻  1巻 藤原行成筆 平安時代・寛仁2年(1018)
は、有名な割りには、あまり出品されません。知ったかぶりしてる人でもちゃんと観た人は意外に少ないかもしれません。

さらに、「個人蔵」の、基準作として重要な
  陣定定文案  1巻 藤原行成筆 平安時代・11世紀 個人蔵 

さらにやはり「個人蔵」で、なかなか観る機会が少ない
  重文 書状  1幅  藤原行成筆 平安時代・寛仁4年(1020) 個人蔵
も出品されます。

通常料金で、たぶん空いてる会場で、これだけみることができるのはありがたいことです。
あと「屏風歌切」「行成詩稿」「紙背かな消息」があればいいのですが、まあ小企画展ですしね。

仮名はないか、といっても、信頼できる行成の「ひらがな」はないので、、
「伝」行成  になりますが、結構でてますね。
 このなかでは、敦忠集切、升色紙が好みかな。。
  あと、、集古浪華帖 巻四  集古墨帖    梅園奇賞続集 など資料的なものがでていることは東博らしいんですが、自分が書き物をするとき、こういうところでつまづくことが多いので、やはり重要なことだと思います。こういう資料の原本は意外と看過して、孫引きで済ませたことが大怪我のもとになったりしますからね。

行成についての、疑い深い 実証的な研究は、
田村悦子先生の「三蹟」  日本の美術 No.122、1976年 至文堂 です。
 私も啓発されました。40年も前の本ですが、現在読んでも素晴らしい。

  書道界やお茶の世界だと、このような快刀乱麻的なわりきりではなく、どうしても古い伝称 にとらわれがちになってしまうんだよな。

posted by 山科玲児 at 11:33| Comment(0) | 日記

九州国立博物館の名物裂帖

九博 前田家名物裂帖  .jpg

 昨日、東京国立博物館の「 上海博物館との競演」企画について、上海から元明の染織品を借りる必要性について疑問を呈したが、念頭においていたのは、
  東福寺の屏風の裏に貼られた大きな元ごろの染織品である。

また、
九州国立博物館が2014年に購入した巨大な
***前田家伝来名物裂帖 
も、記憶に残っていた。

 名物裂帖というと、3cm四方とかせいぜい10cm四方ぐらいの小さな織物の断片が見本帖のように貼ってあるのが普通だが、これは何十センチ〜50cmぐらいの大きな布が惜しげも無く貼ってある(イメージ)。
帖自体も大きなもので閉じた状態で、1mx50cmもある。
もはや名物裂帖という概念を超えている。

2012年末に、購入前に九州国立博物館で展示されていたとき観賞したが圧倒的だった。
この内容が、元〜明の中国製の染織品ばかり300点なのだから、
これだけみても、上海から借りてくる必要があるのか?と疑問を感じざるをえない。

posted by 山科玲児 at 09:02| Comment(0) | 日記

2016年09月10日

上海博物館との競演 :東京国立博物館


 東京国立博物館の東洋館で
   上海博物館との競演
      http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1809
  という企画をやっている。
  上海博物館からのレンタル品と東京国立博物館の所蔵品を並べて展示するという企画である。
  幸い、上記ページから各部門のページに飛んでみると出品リストが公開されているので精査することができる。

  なんかさ、こういう企画では、双方の得意不得意を補うようなセレクションが望ましいのだが、どうも必ずしもそうじゃない感じがする。

  まず、中国書画の部分では、
    http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4938
  え、上海のがなにもない、、、というかタペストリーが2点だけ。上海は、明末以降の絵画はそうとう強く、興味深いものが多いのに惜しいことだ。ただし肉筆書は弱く、拓本はやや強い。

  じゃあ、上海が多い部門はというと染織 らしい、、
   http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4872
  ただ、こういう朝服や袍などは、日本のコレクションにも結構あるような気がする。果たして借りてくる意味があるのだろうか?また古い元明というようなものは時代判定が難しいし、そういう断片は名物切として日本伝世も多いはずである。
このリストのなかで、興味深いのは お経を刺繍で縫い取ったものだが、これは東京国立博物館所蔵である。染織品なら、ケイ州博物館の紀元前の楚の刺繍・錦や新疆出土の南北朝時代の錦などのほうが借りてくる価値があるのではなかろうか。

   中国家具については、上海からのものが中心だ。
http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4764
それほどいいものなんだろうか?上海博物館でみたときも、そう感心しなかった。むしろ上海博物館の家具部門に近いところの得意技は文房具・珍玩・小型彫刻などの英国で「ナチュラル オブジェクト」といわれる細かいものだと思うので、そういうものをレンタルしたほうがよかった。

    気を取り直して、陶磁器はどうだろう。
http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4787
上海と日本にある汝窯青磁盤を並べるという企画はありがたいものだが、両方、別々に観た経験からいうと日本の川端康成旧蔵のほうが、より良いのではないか?少なくとも保存は良いのではないか、と思っている。あと吉州窯の 玳玻釉仏像文碗というのが珍しい模様だとは思う。

 青銅器は、貯貝器などあまり日本にないものが来てるみたいだ。角光 などもある。小克鼎 克鐘などもあり、悪くない選択かもしれない。
http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4722
ただ、上海の考古部門で圧倒的なのは古玉である。新石器時代のものなど素晴らしいものが多いのでこちらのレンタルがあってもよかった。また、近年出土の戦国封泥も良い物を集めていたようなので個人的には、東博の封泥(陳介キ 旧蔵)と並べてもよかった。

  さて、上海博物館を訪ねるとき、意外に看過しがちな物は仏像部門である。
今回、多少きているようだが、上海の仏像展示は、よくみると見所の多い優れたものが多い。
http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=4708
 文字だけなので、今回レンタルした仏像のよさはわからないが、上海の仏像部門は
有名な隋の金銅のアルターピースを含めて、無視できないものが多いと思っている。


posted by 山科玲児 at 10:43| Comment(0) | 日記

2016年09月09日

ボス展のカタログを読む その10 サイン



Bosch Prado 2016.JPG


プラド美術館の学芸員 Pilar Silva Marotoおばさんの論説
Bosch and His Work に
「ボスのサイン」 という一節がある。
そこで「初期ネーデルランド絵画で、サインが多いのはヤン  ファン アイクとボスだけ」、
という貴重な指摘があった。

確かに、そういえば、やや先輩のメムリンクの絵画にも事実上サインはない。その前のロヒール ファンデアワイデンなんか全くない。

ヤンファンアイクの麗々しいサインは、この時代ではかなり特異である。
とはいえ、ボスの代表作「快楽の園」はサインなし、リスボンの「聖アントニウスの誘惑」。プラドの「三賢王の礼拝」にはサインあり、である。妙なことに 偽物。流派作と思われるものに麗々しくサインがあることが多いが、それでも、他の画家に比べたらサインがあるほうだろう。

   確かに、ボスのサインは、現代で考えるサインというより、「ブランド表示」的であり、「シャネル」や「ルイヴィトン」のマークみたいな用途だったのではなかろうか?と思われるところもある。もっとも。1560年ごろに「絵画コメント」を書いた蒐集家フェリペ=デ=ゲバラは「偽のサインをいれた絵が多い」と指摘しているから、1560年当時では「画家のサイン」という意識はあったのだろう。またボスの絵が高価だったからなおさら鑑別が意識されたのだろう。

この2人に共通するものはなんだろうか?

ブルゴーニュ宮廷の金羊毛騎士団という貴族社会と関係が深かったことが共通するのではなかろうか、と思い至った。
        REF 金羊毛騎士団
         http://reijibook.exblog.jp/1527600


posted by 山科玲児 at 10:06| Comment(0) | 日記

クラーナハ 専門 サイト

CRANACH 世界の素描 (2).JPG

  既におしらせしたように、ルカス=クラーナハの特別展が 東京と大阪であるそうです。

クラーナハ展―500年後の誘惑

そのクラーナハの専門サイト  画像  資料 アルカイーブをみつけました


ただ、これはドイツ語なので、絵画画像ギャラリーの部分だけのURLを紹介したほうがいいようですね。
私もドイツ語は苦手なんで、このサイトは使いづらいのです。



 実は、私はクラーナハは、それほど好きだとはいえないのですが、
なぜか素描集(世界の素描 講談社の1冊)はもっています(イメージ)。
素描家としては評価しているということでしょう。
また、35年ぐらい前、たぶん奈良県立で プラハ美術館特別展があったときに、

 聖クリスティーナという上品な作品をみたことがあり
その印象と、他の有名なクラーナハ作品が違いすぎて違和感があるということも背景にあります。

宗教改革500年の関連催しとして、クラナーハ展は、世界の他都市でも開催されているらしく、
  プラハでも、クラーナハ展をやってるようです。





posted by 山科玲児 at 08:06| Comment(0) | 日記

2016年09月08日

盗賊と十字架:クラーナハのこと

narbonne.jpg


今年の4月 偶然、ヤフー知恵袋でみた質問に触発されて色々調べてみたことがある。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11157998996
従って、このアイディアは私自身のものではない。敷衍調査しただけだ。
 「西洋絵画のキリストの磔刑図で、同時に磔となった2人の盗賊が描かれていますが、ほとんどの絵ではキリストの手は釘打ちされているのに、盗賊の手は腕木に縛り付けてあるだけで釘打ちされていない。これはなぜなのか?」

   という問題である。言われるまでは気が付かなかったが、確かにそうだ。

 15世紀初期フレマールの画家(ロベール カンパン?)の フランクフルトにある「盗賊」もそうであるし、
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Robert_Campin_004.jpg
 14世紀の国際ゴシック様式のナルボンヌの掛け布(イメージ)では、もっと極端で盗賊の腕が後ろ手にしばられているかのようですらある。 
http://www.louvre.fr/oeuvre-notices/le-parement-de-narbonne

 じゃあ、釘打ちは全くないのかというとそうでもなく、フラアンジェリコの絵では、複数の例があった。
FRA ANGELICO
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Fra_Angelico_-_Crucifixion_with_Mourners_and_Sts_Dominic_and_Thomas_Aquinas_(Cell_37)_-_WGA00551.jpg

 しかし、縛り付け図像が圧倒的に多いのは事実である。

  で、ここからは、少し私の独自発見かもしれないが、、
 最近、クラーナハ展が日本であるという話をきき、ルカス=クラーナハのことを調べていたら、
クラーナハの重要な磔刑図で盗賊が描かれているものは、皆、釘打ちであることがわかった。
なぜ、突然変異的に、ここで「釘打ち」図像がでてくるのか?全く理解できない。宗教改革となんか関係があるのだろうか???
CRANACH, Lucas the Elder
Crucifixion



 

posted by 山科玲児 at 09:24| Comment(0) | 日記

ドゥテルテ大統領

  ドゥテルテ大統領の暴言に潜むフィリピンの怒り 根深い社会問題と鬱積する不満




フィリッピン人の心を体現した、すばらしいリーダーだと、再認識した。

ただ、国際社会では、表面の取り繕い方、おためごかし、礼儀作法も、また必要だ。

それさえあれば、オバマよりトランプよりクリントンより、素晴らしい大統領になると思う。

posted by 山科玲児 at 08:31| Comment(0) | 日記

2016年09月07日

日本骨董学院


日本骨董学院というカルチャースクールの人が
「「骨董で贋作をつかまないシリーズ」」 というエッセイをネットで書かれています。

まあ、賛成できない意見もありますが、おおむね常識に沿った意見じゃないのかな。

この日本骨董学院  尚雅堂の日下さんも講師やってたみたいだから、わりと良心的なカルチャースクールだと思いますよ。

ただし、ここの主催者については、批判的な意見の方もいらっしゃるようです。まあどこでも、「悉く信じる」ことはできません。テレビ局の脚本に従わなければいけない中島誠之助ならなおさらですけどね。

posted by 山科玲児 at 07:44| 日記

2016年09月06日

ポメラが大きくなったわけ

pomera.JPGpomera detail.jpg


ポメラという、タイピングに特化したデジタルメモがある。
 最近の人はスマートフォンなどの画面文字入力に慣れた人も多いようだが、私はリアル キーボードでの文字入力の方が速い。そういうこともあって、長年、Palmを旅行先外出先でのキーボード入力用に使っていたがさすがに寿命が来てしまった。それに文字が小さく暗くてみにくいので他の携帯用デジタルメモ、電子タイプライターを探していた。

  それで、文房具 KING JIM社のポメラに注目した。
 折りたたみキーボードになっているところが魅力だった。
ところが現在売っているポメラDM100
  http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm100/
はノートPCの小さいもののような感じのもので小型感がないので、
使えるかどうかテストの意味もあり、
    DM10
   http://www.kingjim.co.jp/pomera/dm10/spec/
 を中古で安く買ってみた。

   たしかに、なかなかよくできていて、携帯してタイピングするには絶好である。
売れたのはむりはない。この良いデザインの機械を、なんでわざわざノートpc形にしてしまったのだろう??
デザイン的には改悪ではないか??
と思っていたら、

 半年ほど使っているうちに、上イメージの折りたたみ接続部分が壊れて外れるというトラブルが起こった。まあ中古なんで文句はいえない。そのあと色々分解して、模型 ミニュチュア用の細かい部品で補強したりして、そうとう手を加え、現在なんとか使えている。

 これでわかったのは、接続・回転する部分が長年使うと傷んで破壊しやすいということだ。それなのに
その穴の周囲が頑丈と思えない普通のプラスティックで、本体と一体鋳造成形なので、そこに無理がかかってしまう。軸受けが壊れてしまうのだ。おまけに例によって生産は中国製なので部品はともかくそういう機械駆動部分のプラスティックは中国製であろうから最上質の硬質プラスティックを使っているはずはない。

  こういう機械は、長年酷使する人が多いだろうから、この折りたたみ機構だけが壊れたというクレームがメーカーに多数寄せられ、結果としてやむを得ず平凡な造りのDM100になってしまったのだろう。
 日本工場で、材質を吟味して機械部分を作れば、電子回路電源部の寿命がくるまで機械部分が壊れることはなかっただろうが、値段が高くなってしまったかもしれない。


posted by 山科玲児 at 09:29| Comment(0) | 日記