2016年09月25日

ボイマンス美術館 展

東京(2017年4月)と大阪(2017年7月)で ボイマンス美術館 展をやるようである。


いづつやの文化記号

に教えていただいた。


目玉はブリューゲルの「バベルの塔」で、まるで1点展みたいな広告であり少し不愉快だ。
当方はむしろそれ以外のものに期待している。

なぜなら、一応、同時代の関連絵画を中心に90点というから、
例えば、「処女のなかのマリアの画家」の受胎告知とか、シントヤンスの神秘的な聖母子とかにお目にかかる可能性がなきにしもあらずだからだ。

勿論「バベルの塔」も傑作だと思うよ。

posted by 山科玲児 at 15:08| Comment(2) | 日記

ボス展の展覧会評 抜粋


ペンシルベニア大学のLarry Silver先生のボス展 展覧会評
http://www.hnanews.org/hna/exhibitions/reviews/Bosch2016.html   (英文)
は、面白いのだが、文字が小さすぎるので、ワード文書にして印刷して読んでいる。


 ちょっと、面白いところをつまみ食いしてみる。これらは事実というより解釈意見の相違である。
歴史事実と歴史認識の違いに近いね。


* BRCP(Bosch Research and Conservatuon Project)はボスの伝承作品全部を科学機器で精査しようとしたが、プラド美術館とウイーン美術アカデミーは自分らで独自にやることにした。プラドは今回のカタログで公表しているが、ウイーンのほうは未だだ。

*ウイーンの「最後の審判」には明白に複数の画家の筆がみえるので、両展覧会から避けられたのではないか?
(小生: これはちょっと酷すぎる放言に感じるのだが、、)

*BRCPのカタログレゾネにおいては、ボス工房作にしたのは少数の油絵と少数の素描で、殆どの素描がそのまま真作になっている。これは、コレニー博士Dr.Fritz Korenyの意見に反発した結果ではないか?

*ボスの作品の美点は動物描写のすばらしさにもあるのだから、ボスがルーベンスのように「動物専門の画家」を工房に雇っていたとは思えない。

*北ブラバントでの展示では、素描がまとまって展示されていたので、比較ができ判別しやすかったが、プラドではバラバラにおいてあったので比較しにくかった。

*両展とも、主題別に絵画をわけて、展示してあった。そのため、プラドでは、同じ「十字架を担うキリスト」のエスコリアルとウイーンの作が並ぶこととなった。これで観ると同じ画家の作品とは思えない印象を受ける。

* 真蹟とされたブリュージュの「最後の審判」はパスティーシュだとおもう。また誇大な大騒ぎで紹介されたカンサスの「聖アントニウス」断片は、研究にほとんど寄与するところはない。

*紋章や家系研究によって、プラドの三賢王礼拝の祭壇画とボストンの「この人を観よ」祭壇画が1490年代半ばであることがわかった。これは絵画年代推定で基準点となる。
(小生:ボストンのほうの年代は怪しい。紋章に疑問があるそうだ by ERIC BRYUIN)

*ボスの絵画の発展史を考えるとき、1世紀前にバルダスが提言したことが有用だろう。背景の風景描写を指標に使うのである。

*BRCPカタログは、未だに決定版とはいえない。

 プラドのカタログのエッセイやプラドでの講演では、あまり過激なことは言っていないようで、むしろつまらないくらいだが、ここではドナルド=トランプなみに言いたい放題ですねえ。


posted by 山科玲児 at 12:07| Comment(2) | 日記

ボス展のカタログを読む その15 Koreny博士も参加してた

Drawing  discovered boschnian.jpg


 プラドのボス展も、今日で終わりです。現地時間で12時までやってるそうで、スペイン人はほんとに夜ずっぱりだなあ。朝は遅めですけどね。今日はボス展でいきますね。

 ボスの鑑識に大鉈を振るった意見を提出した、 ウイーンのコレニー博士Dr.Fritz Korenyが、素描の各作品の解説を寄稿しているのに気が付いた。よく考えれば、コレニー博士はボスの素描の456pもある浩瀚なカタログレゾネを2012年に刊行してるし、素描版画の殿堂 ウイーンのアルベルティーナで長年働いていたから当然といえば当然である。

Fritz Koreny, Hieronymus Bosch: die Zeichnungen: Werkstatt und Nachfolge bis zum Ende des 16. Jahrhunderts: catalogue raisonné, Turnhout 2012,
http://www.brepols.net/Pages/ShowProduct.aspx?prod_id=IS-9782503542089-1



そうはいっても、乾し草の車、「放浪者」+「船」+「守銭奴の死」、「七つの大罪 テーブル」などをボスとは別人の作にしたり、ブリュージュの「最期の審判」もまた別人の作としたりと、賛成したくなる意見だが、大胆な意見なので、賛否両論を巻き起こしていた。 私は、てっきり、マスコミの名声ほしさにイロモノの奇説を振り回す学者かと思っていた。

しかし、十分まともな老学究のようだ。


最近、新発見として騒がれた、ボス風のデッサン(イメージ)は2003年のササビーズででたものらしい。

注目して研究し、ブリュージュの「最期の審判」と同筆を指摘したのは、このコレニー博士だそうだ。これはプラド美術館にはでていなかった。ボス真筆とお墨付きがないと嫌だと、所蔵家が嫌ったのかもしれない。

 
ボスの鑑識については、

ペンシルベニア大学のLarry Silver先生も、

「BRCPカタログは、決定版とはいえない」と断言しているし、まだまだ延々と議論が続きそうである。



あまりにおかしなことが多すぎる。


 
次は

Larry Silver先生のコメントから、刺激的なところを抜粋してみたい。


posted by 山科玲児 at 09:40| Comment(0) | 日記