2016年11月19日

ラトゥ-ルになれなかった絵画たち

LaTour Prado.JPG

  今回のプラド美術館のラトゥール展カタログ(イメージ)の特に面白いところは、もとラトゥールの絵とされていた絵画で、今はあまり信用されていない/不合格になった絵画が、解説図版のなかに結構良いカラー図版でどっさり収録されていることである。

 
こういうのを観ると、やっぱりちょっと違うなあ、と思ったり、いくらなんでもこれはナイだろうと思ったり、昔画集でみたフリック=コレクションの「聖女の教育」は欄外になったのか。惜しいな、とか思ったり、いろいろ考えを巡らせる動機になる。


 

posted by 山科玲児 at 09:11| Comment(0) | 日記

ドイツ銀行の罪


 ドイツ銀行(ドイツの中央銀ではなく、日本でいうとみずほみたいな巨大銀行)が米国司法省から140億ドルもの罰金を要求されているということは、ときどき話題になる。実際は交渉してもっと低い和解金になるのだろうが、それにしても巨額である。いったいドイツ銀行はなにをしたので追求されているのだろうか。

 それは、米国のみならず世界景気を暗転させ、米国の多くの人を破産させたりホームレスにしたサブプライム証券を作った首謀者がドイツ銀行だったからである。もう、忘れている人が多いのか、まとまったネット上の記事すら少ないので、再度、歴史的事実を顧みてみる。

  2005年2月のある夜、会議室の 木製のテーブルの周りにウォール街の大手投資銀行5社の代表が集まっていた。 テイクアウトの中華料理を食べながらの彼らの相談が、サブプライム(信用力 の低い個人向け)住宅ローン危機の完璧なお膳立てをした。

 会議の主催者はドイツ銀行(たぶんニューヨーク支店)のトレーダー、グレッグ・リップマン氏(当時 36)だった。同氏は住宅ローン担保証券から、企業の信用商品と同様に大きな ウォール街の収益源を育てることを夢見ていた。集まったのはほかに、ゴール ドマン・サックス・グループ(米国政府に食い込んで一番儲けた)のトレーダー、ラジブ・カミラ氏(当時34)、ベア ー・スターンズ(破綻して合併消滅)のトッド・クシュマン氏(当時32)。シティグループ(存続)とJPモルガン・チェース(三菱と提携して存続)の代表者も招かれていた。

  米国司法省としては、外国の銀行に自国をいいように引っかき回されたわけで、復讐というか懲罰的賠償金を要求したくなるだろう。まあ、そういうわけである。なんか第一次大戦でドイツが負けたときのヴェルサイユ条約で天文学的賠償金をドイツに課したことを連想したくなった。

  ドイツ銀行は、予想される巨額のの罰金にあてるために中国国内の華夏銀行の株を売って45億ドルを作ったが、その資金を中国からもちだせないでいる。中国政府が売却した金(人民元)をドルやユーロに替えて国外に持ち出すことを渋っているらしい。これで中国政府の外貨準備が実際には枯渇していることが明らかになった。

posted by 山科玲児 at 07:52| Comment(2) | 日記