2016年12月31日

衣替え


2011年に、
縄文土器の衣替え
というのを書いたが、

この定期的に使っているものを一斉に破棄して、新調するという習慣・慣習は縄文時代以来、日本人に染みついたものらしい。たぶん単なる儀礼的・宗教的なものでなく、実用的・公衆衛生的・現実的な意味があったんだろうと思う。
年の瀬、大晦にあたっていろいろ掃除をしていて、おもうところである。
posted by 山科玲児 at 20:36| Comment(0) | 日記

やつし と 世を忍ぶ仮の姿

春信 風流やつし七小町sss.jpg


   鈴木春信の浮世絵版画に、「風流やつし七小町」てのがある。イメージはそのなかの「卒塔婆小町」
この「やつし」ってのがいかにも日本的ですが、似たような概念に「世を忍ぶ仮の姿」ってのがありますね。これって英訳したらどうなるのかな「AVATAR」かしら。なかなか翻訳困難な概念ですね。
 ただ、「世を忍ぶ仮の姿」は、遠くユーラシアの西の端、ケルトの神話にある「醜い姿をしたアイルランドの女神」にもありますから、意外と人類の深いところに根ざしているのかもしれません。この「アイルランドの女神」はモーツアルトの魔笛のパパゲーノとパパゲーナにもありますからね。

日本の作家:故  藤枝静男の
    田紳有楽
   http://www.amazon.co.jp/dp/4061960830
という怪作は、かなりグロですが、
「やつし」 「世を忍ぶ仮の姿」を、あっという形でだしてました。

Image Source Ref. MUSEUM No.233  1970 Aug 01,東京国立博物館刊行

posted by 山科玲児 at 11:53| Comment(0) | 日記

スペインのオルガンでフォリア


トランペット管があるスペインの古いオルガンで18世紀の
Antonio Martin y Collによるラ フォリア 変奏曲がyoutubeにあります。
https://www.youtube.com/watch?v=m2dsqSRcX-4


やはり、古いオルガンは良いですね。
このオルガンがある
Torre de Juan Abad はカスティリアの南の端、州境というか県境にあります。
一般的に古いオルガンは辺境にしか残っていないのかな、、

このAntonio Martin y Collによるラ フォリア は、コレルリのラフォリアより前かと思ったら、むしろ後みたいです。
コレルリのラフォリアの、シカゴのゴスロリ姉御による破天荒な演奏は、、
エミリーオータム
Emilie Autumn - Corelli: La Folia (live) .
http://www.youtube.com/watch?v=mny6Q5jjzcA

また、この原曲のもっと古い形については、、
2016年09月17日
イスパニアの甘美な憂鬱 まとめ
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/176907745.html
posted by 山科玲児 at 11:14| Comment(0) | 日記

2016年12月30日

国産小麦の うどん

うどん県のうどん.JPG石丸さぬきうどん.JPG



 最近、国産小麦(讃岐の夢)を使ったうどんを西友セイユーで買いました。
二種類もありました。
  一つは讃岐物産の「うどん県のうどん」
  一つは石丸(私も長年買ってる老舗)の「国産小麦讃岐うどん」
です。

ウォルマートと提携してる(のっとられた?)西友で売ってるとは驚き
TPPとは逆の動きですよねー

 
posted by 山科玲児 at 19:43| Comment(0) | 日記

ビルバオ美術館のフランドル絵画


   2016年10月25日
   聖ルキア伝の画家
    http://reijiyamashina.sblo.jp/article/177393159.html
で書いたように、 スペイン  バスクの都市、ビルバオで大きな15世紀末ごろのフランドル祭壇画がオークションされ、収蔵者がベルギー ブルージュのグロニンヘン美術館へ3年リースしています。 これでビルバオという町に注目したのですが、 先月 触れた 「スペイン収蔵のフランドル絵画」カタログにもビルバオ収蔵の絵画があったのでビルバオ美術館のサイトを漁ってみました。

面白いものもありました。

@ ピエタ
 これは前述のカタログにのっていたもので、アンブロジウス=ベンソンの作品だそうです。ベンソンってなんか英国人みたいな名前ですが、ベルギーのブリュージュで活躍したイタリア人だそうです。なんか変だな。ロヒール ファンデアワイデン風であり、なかなかの佳作だと思う。

A三連祭壇画
十字架降架
https://www.museobilbao.com/catalogo-online/descendimiento-69324

  どっかでみたような、と思ったら、ブリュージュのど真ん中  聖血教会にある「ピエタ」(下イメージ)に似てるんだよな。これは、どういうことだろう。最初にあげた「聖ルチア伝の画家」の作品ももとブリュージュにあったらしいし、@のベンソンもブリュージュで活躍した人です。
  ビルバオとブリュージュって意外な関係がある?

Master Saint Sang Brugge Basilica.jpg



B聖アントニウスの誘惑

コルマールのマルチン  ショーンガウアー制作の版画をもとに制作した絵画。
ショーンガウアーは広い意味ではフランドル風 ワイデン風ですし、、
  版画→絵画というのがあまりにあからさまなので、あげてみました。
もとの版画はこれです。


C最後に、フランドルではなく、まさにスペインのエル  グレコをあげてみます。


 ただ、これって確かトレドかマドリードになかったか。 細部をみると模写らしい感じがありますが、よくできてますね。遠くから観たり小さな写真図版では区別がつかないでしょう。
  で、調べたら、
 プラドに二倍ぐらい大きな絵があるんだよな。これがかなり生々しい絵です。聖母の顔がちょっと宮廷婦人風。。

で、更に3点目が、プラドの近くにあるティッセン ポルミネッサ美術館にもあります。
http://www.wga.hu/html/g/greco_el/12/1203grec.html
  これは、ビルバオのに似てるなあ。サイズもほぼビルバオと同じです。

  グレコも当時結構人気あったんだね。これだけアトリエや弟子による模写が多いということは。
  なんか エルグレコはフェリペ2世にあまり評価されず、トレドで逼塞していてトレドの貴族や僧院のためにだけ描いていたような感じがありますが、そうではなく結構、他から注文があったんじゃないかなあ。


posted by 山科玲児 at 09:22| Comment(2) | 日記

2016年12月29日

黒崎書店

浪速料理屋入船亭引札.JPG
黒崎書店

 大阪あべのの南田辺駅前にある古書店です。大阪の郷土志や考古学発掘修理報告、民族学の本に強い店です。実はいったことがないのですが、和堂先生の清和書談をネットで買った縁から、ずっとカタログを送ってくださってます。
今回は、江戸 明治の印刷物に面白いものがありました。高いものが多いので実際は、カタログでみてるだけですが、
「浪速 入船亭 引札」という料理屋の広告が目につきました(イメージ)。
 港ちかくの料亭のCMちらしなんですが、藁葺きだし、ずいぶんな田舎風ですね。当時ほんとにこうだったのか、それとも「やつし」という趣味であえて田舎風にして広告しているのか、ちょっと迷うところです。

  結局、今回はこの引札のような高いものは遠慮してみてるだけ。色々考えて、かなり安かったので、昭和13年限定500部 高橋誠一郎先生の「浮世絵二五〇年」を買いました。
この本についてはのちほど。

posted by 山科玲児 at 17:25| Comment(0) | 日記

2016年12月28日

イタリアの銀行 コレクション

Siena  chigi Salatini.JPG


イタリア最古の銀行 モンテデパスキが危ないということで、イタリア政府が公金注入を図っているそうです。
Monte dei Paschi
http://www.bbc.com/news/business-38412557
 実は、これはEUルール破りなんで、もうEUから半分脱退してるようなものです。レンツイ辞任 総選挙でリラ復活があるかな。

    ともかく、この銀行になぜ関心があるかというと、ここはシエナのキージ=サラチーニ宮(イメージ)とその美術コレクションのオーナーだからです(少なくとも東京展のときはそうききました、ただ現在しらべると少し複雑みたいです、どちらにせよ、密接な関係があるようです。スポンサーというところかな?)。ここが破綻するとあそこが破壊されることになります。新自由主義+グローバリストのマンデル教授は、トスカナのヴィッラのトイレのためにヨーロッパ破壊を企んだんですから、モンテデパスキ銀行破綻は大歓迎でしょ。ゴールドマンサックスにでも買収させて米国化を企みかねないね、マンデルは。 イタリア政府は常識的な行動をしてると思います。

 キージ サラチーニ宮は、観光客を入り口で10人ぐらい集めてガイドが案内してたんですが、とても良かったので、この銀行には関心をもっています。 意外に思ったのはフランドル絵画の収集が結構あったことですね。

キージ サラチーニ のサイト
http://www.chigiana.it/scopri-laccademia/visite-al-palazzo/

   キージ サラチーニ コレクションのかなり良い部分が、2001年に日本で巡回展覧されたことがあります。当方は東京ステーションギャラリーで実見しました。サーノ=ド=ピエトロの作品はよく憶えています。ブリュッセル王立所蔵の作品に並ぶ佳作ですね。

・東京ステーションギャラリー(2001年10月6日(土)〜12月9日(日))
・京都国立近代美術館(2001年12月22日(土)〜2002年2月11日(月))
・高崎・群馬県立近代美術館(2002年2月23日(土)〜4月7日(日))
・山口県立美術館(2002年4月20日(土)〜6月2日(日))


 
posted by 山科玲児 at 11:25| Comment(0) | 日記

2016年12月27日

国内植民地主義

  ある動画で、ポリティカルコレクトネス(言葉狩り)は、「少数派優遇」であるという指摘をしているのを聴き、はっと思った。「少数派優遇」は、植民地支配の要諦でる。つまり、無国籍企業を背景とするグローバリストたちは、自分たちの国内で植民地経営をやっていたのだ。後進国を収奪するより、いわゆる先進国の中産階級から収奪したほうが、金銭的にはもうかる(資源などの実物利権はまた違うが)のは自明である。
 また、19世紀以来植民地経営をやって富を享受した欧米諸国の支配層にとって慣れた手段であろう。
 インドでも、アラビアでも、イラクでも、シリアでも、独裁権力者は、意外なほど少数派の出自が多い。また、東南アジアでの華僑の立ち位置も考えてみるといい。GHQは誰を優遇したのか?

 少数派に権力を与えた植民地が独立したあと、利権をもった少数派と多数派が大衝突したのはそういう背景があった。

  中国共産党幹部は、華僑的買弁資本家的というよりも、むしろグローバリストの仲間であり、末席に連なっているとしたほうが、なっとくがいく。彼らは一番効率よく国内で搾取をし、海外に巨額の財産を移しているのである。

 トランプ ショックは、この植民地支配の手法を米国の国内でやった結果なのでは??  米国をよく知る人が「米国は国内に発展途上国を抱えている」と言っていたがそういう状況をしめすのか、あるいはそういう背景があったから植民地支配方式がやりやすかったのか。。

 収奪され、言論がファシズム的に弾圧された 中産階級に不満がたまるのは当たり前である。米国では「メリー クリスマス」でさえ避けられ、「ハッピー  ホリデイ」になっているそうだ。多宗教国民への配慮だそうだが、ひどい言葉狩りである。こんなファシズム状況がトランプ大統領を生んだのだろう。


posted by 山科玲児 at 17:29| Comment(2) | 日記

2016年12月26日

出土した曜変天目


 クリスマスも過ぎたんで曜変天目の話でも、、
 12月20日放映の 「開運 なんでも鑑定団」において、どうでもいい茶碗を「曜変天目」と称して2500万円と鑑定した話をきいて呆れましたが、それを無批判に日経新聞産経新聞まで記事にしたのは更に驚きました。

 ただ、ただ一つ良かったのは、ネットで2009年杭州出土 の割れた曜変天目茶碗破片のイメージをみることができたことです。
 これは、鑑定団事件以前の記事のようですが、非常に美しい写真がでてます。
    茶碗の中の宇宙 4個目の曜変天目茶碗!? 世界の謎と不思議
       http://nazo108.sblo.jp/article/114620213.html
      昔、京都国立博物館の大徳寺展で実見した  龍光院の 曜変天目の写真もでてますね。ちょっとこれは地味すぎるかな、実物はもう少しマシです。

 2009年杭州出土破片の出土 事情は、PDFですが、
杭州出土の曜変天目 - 専修大学学術機関リポジトリ(SI-Box)
 にのっています。
 割れた陶片を繋いだのが「アルファ=シアノアクリレート系接着剤」らしいってのが笑いました。これって日本製のアロンアルファでしょ。
 この文の中で、20世紀建窯での天目模倣作品製造のことにも言及されてますね。「建窯瓷厰における兎毫斑天目碗の再現は一定の成果を得て、香港等の美術市場において対日本向けに販売された。」そうです。 そういや観たことあるなあ、あのネットサイトとかねえ。。

 出土事情はかなりひどいもので、マンションを南宋皇宮遺跡の上に強引に建設し、その折りにゴミためからでた陶片が「お宝探し」「トレジャー ハンター」の餌食となって、この曜変陶片も民間蒐集家のものになっていたようです。いかにも現代中国らしい現実です。1970年ごろなら全く違っていただろうにね。

  「開運  なんでも鑑定団」の曜変天目については、ネットでも、まともな意見は殆ど無く、大阪市立東洋陶磁美術館の専門家 小林仁氏のTwitterコメントを馬鹿にするネット民もおり、大統領選挙前のヒラリー押しを思わせて気持ち悪いと思いました。 実は私は10年以上前に、テーマ型ネット解説サイトで「古美術」担当でバイトしたことがありましたが、全くアクセスが伸びずに退任しました。当時は腹が立ちましたが、この曜変天目に関するコメントをのぞいていると、今でもネットユーザーの古美術リテラシーは非常に低いので、当時ではまして無理もなかった、短期間とはいえ、よくやらせてもらえたものだ、と感謝したい気持ちです。



posted by 山科玲児 at 09:05| Comment(0) | 日記

2016年12月25日

バリャドリッド祭壇画

Valladrid1.jpgValladrid2.jpg

【訂正】ヴァヤドリードをバリャドリッドになおしました。より一般的な読み方にしたほうがいいという判断です。
カスティリーア語の発音的にはどうなのかなあ? 私のフランスーラテン風発音ならヴァヤドリードなんだけどな、、


 2001年にブリュージュを訪ねたときグロニンヘン美術館で古い小さなカタログを買いあさりました。そのとき「スペイン所蔵のフランドル絵画」という小さな特別展カタログを買いました(REF1)

  そのなかにあった、興味深い大きな祭壇画がこのバリャドリッドの聖堂にある一対です。「羊飼いの礼拝」と「三賢王礼拝」が彫刻を中心とする大きな祭壇にはめ込まれています。絵だけでも  各237x142cmという大きさです。高さ2m以上というのは相当大きいですよ。

バリャドリッド祭壇画 かなり良い写真画像です。
http://artevalladolid.blogspot.jp/2012/11/un-retablo-flamenco-en-valladolid-el.html

 
  この祭壇画は、「モリソン祭壇画のマスター」の作品ということになっているのですが、肝心の基準作:モリソン祭壇画のカラー写真をみるとちっとも似ていません。
   モリソンというのは、英国人蒐集家Alfred Morrison( 1821-1897)のもとにあったのでつけられた名前らしいです。このモリソン祭壇画は、明らかにメムリンクの強い影響のもとに描かれたものです。おそらくメムリンク工房にいた弟子だったのでしょう。
  一方、バリャドリッド祭壇画は、どっちかというと、「処女達の中のマリアの画家」の作品に近いと思います。
  http://www.wga.hu/bio/m/master/virgo/biograph.html
  また、羊飼いの礼拝パネルの図像には、昨日、クリスマスイブで紹介したヘールトヘン  トット シントヤンスを思わせるところもあります。「処女達の中のマリアの画家」もオランダの都市デルフトと関係あるような推察もあるようですし、シントヤンスもオランダ南部のハーレムですし、かなりちかいんじゃないかな?

  このバリャドリッド祭壇画については、古くはクエンティエン=マーチエス と推定されましたが、その後、フリートレンダーなどによってモリソンのマスターの作品ということになっているそうです(ref1)。フリートレンダー先生は尊敬しておりますが、これはちょっと違うんじゃないかなあ??

  それに、ここまで大きな祭壇をみると、祭壇ごとベルギーから運んできたのか、パネルだけもってきて祭壇にはめ込んだのか、最初は小さかった祭壇を拡大したのか?、それとも画家自身がベルギーからやってきて描いたのか? 色々考えてしまいます。絵の基底材 材木がバルト海のオークなのかどうか?とかいうところが決めてになるかとも思います。

 スペインの王都だったこともあるバリャドリッドは、マドリードに近い古都で、古建築も多いところだそうです。セヴィリアやセゴヴィアの白雪姫の城もそうですがスペインにはみどころが多いですね。
  ヒエロニムス=ボスはじめ、フランドル絵画は、スペインに膨大な量が所蔵されていて、本国より多いのではないか、と思うくらいです。現在、ブリュッセルやアントワープの美術館にある絵画でも、実はスペインからの出戻りというのが実に多くて驚きます。

 そういう背景で、
   2016年10月25日
   聖ルキア伝の画家
    http://reijiyamashina.sblo.jp/article/177393159.html
で書いたように、高さ170cm以上もある大きなフランドル派の祭壇画がスペインのビルバオから最近発見されて、ブリュージュの上でも言及したグロニンヘン美術館に長期(三年間)貸し出しというような事態が起こったということだろうと思います。

  REF1::  Musee Comunal des Beau Arts, Groening,  L'art Flamand dans les Collections Espagnoles, 1958


posted by 山科玲児 at 11:06| Comment(0) | 日記