2017年01月07日

面白くない中国絵画の本


 中国絵画の入門本・概論本で、中国語からの翻訳本はどうも面白くないものが多い。なんでか
と思うくらいである。各論の画家研究なら結構面白い物もあるんだけどね。
概論・総論になるとなんであんなに無味乾燥になるのだろう、と不審に思っている。

  最近、日本在住歴があり、日本語もできるらしい研究者王 凱 (Wang Kai)
の下記の本を覗いたが、これまた無味乾燥な文章で、内容は悪くないのかもしれないが、読む気になれなかった。
清王朝の宮廷絵画   2016/4/26
http://www.amazon.co.jp/dp/4864293635
王 凱 (Wang Kai)
  ジュゼッペ・カスティリオーネ郎世寧の話なんで、結構面白いかと思ったんだがダメでした。

こういう経歴で、早稲田にいた人なのにね。
1959年中国杭州市に生まれる。早稲田大学大学院芸術学専攻博士後期課程修了。文学博士。現在、中国・杭州師範大学教授。文部科学大臣賞、外務大臣賞、芸術文化賞、芸術功労賞、中国大使館賞、南京国際現代平和美術賞、アジア現代美術展優秀賞、早稲田大学美術史学会賞(小杉賞)など
同じ著者の次の本も同様に魅力がない
中国絵画の源流
http://www.amazon.co.jp/dp/488265542X
なんでなんだろうね。

  絵画そのものに対する愛情や執着があまり感じられないんだな。活字文献資料を扱うかのような突き放した感じがする。この二点の本より、清時代や中華民国時代の蒐集家鑑賞家たちの記録を漢文で読んだほうがよほど感情や思い入れを感じる。例えば、顧復の平生壮観とか。香港 朱省斎の省斎読画録とか。

  日本の東大教授:鈴木敬氏の「中国絵画史」は、日本的独断や偏見がひどいもので呆れる記述が多い本ではあるが、少なくとも絵画に対する情熱や愛情は現代中華人民共和国の研究者たちより感じることはできる。特に鈴木氏が得意な浙派の研究書「明代絵画史研究・浙派」は良いものだと思っている。新藤先生「山水画とはなにか」も良い本だった。 壮年で亡くなられた新藤先生のこの本は推薦したい。古書も入手容易のようである。 このような情熱は、中国絵画ではないが、最近繙いている高橋誠一郎「浮世絵二百五十年」にも横溢している。

 中華人民共和国のもとで書かれた本で、これらに並ぶ情熱を発散しているのは、楊仁ガイ「國寶ジョウ浮録」で散逸した清朝宮廷コレクションの書画の行方・運命を丹念に追い、再評価をも試みたもので、楊氏の自伝的な経験も織り込んだ傑作である。しかしこれは概論書とはほど遠いものだ。

  中国人が画の六法とか「原則」とか振りかざして書いた本は、悉く面白くないといっていい。
  日本人としては、
「ジュディの中国絵画っておもしろい」http://www.amazon.co.jp/dp/4544020174
でいいんじゃないの?と思うところである。

 当方も「私の中国絵画入門」
      http://reijibook.exblog.jp/i7
を書いてみたが腰砕けになってしまっている。


タグ:中国絵画
posted by 山科玲児 at 10:19| Comment(0) | 日記