2017年03月02日

G20と世界最古の紙幣

四川会子原版P1060748.JPG



  昨年7月、杭州で開催されたG20の記念品として、北宋時代に  四川省で発行された紙幣/手形のデザインが栞として制作されたようである。


この交子の画像のもとがなになのか、実物はどこにあるのか、宋時代の紙の実物はなく、原版しか残っていないのではないか?原版なら青銅だから土中でも保存されているだろうが、紙では消えてしまいやすい。それにこの交子は有効期限のあるものだったから、期限後は捨てられたことが多かっただろう。
というような問題については、7年前に
一応、
2010.01.07 世界最古の紙幣についての疑問
http://plaza.rakuten.co.jp/yamashinareiji/diary/201001070000/
で触れておいた。

  色々考えると、どうも原版の一つは1900年代に北京の骨董屋「尊古齋」にあって 上のイメージの拓本にとられていた。本からの転載ではなく拓本の現物であることを示すために全体を呈示している(クリックすれば精細画像)。この拓本が貼られた冊子は尊古斎の手控えのようなものであった。その原版はたぶん日本に売られて、今、日銀貨幣博物館にあるのではないかと思う。実見していないので確信はできない。

また、北京の印刷博物館にもそれらしいものがあるが、
  https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Beijing.China_printing_museum.Plate_of_Paper_money.Northern_Song_Dynasty.jpg
どうもこの印刷博物館は複製展示が多いので、いまいち信用できない。ただ、こういう原版は多数あるのが普通だから、複数あってもおかしくないが少し怪しい。
 交子の実物なるものが、中国 四川省の博物館にあるというニュースもあるが、やけに紙が新しく中華民国時代に原版から刷ったものがあるのではないかと思っている。韓国の海印寺の高麗版大蔵経も、20世紀でも少し1葉刷って売っていたりしたらしいから、似たようなことはあっただろう。

 

posted by 山科玲児 at 08:27| Comment(0) | 日記