2017年04月12日

九州国立博物館のタイ古美術展



太宰府の 九州国立博物館のタイ古美術展にいってきました。実は初日には「タイ古典舞踊イベント」があるので無理して休みをとって高速バスで博多までいったわけです。
古典舞踏・音楽の独自性も堪能できましたが、むしろ刺激的だったのは、古代からのタイ美術を私が知らなかったと痛感したことですね。インドシナ半島の中心であり、東南アジアのど真ん中、タイカレーは食べているし、知っているつもりのタイについて無知であったということを知りました。デルフォイの神託みたいですが、こういう経験はありがたいものです。
  どうも、タイの古美術というのは十四世紀スコターイ時代から一変しているようです。それ以前とは別の国別の民族のようですね。そしてスコターイから現在まで、あまりセンスは変わりません。これが私が「タイの様式」「タイの図像」となんとなく触れてきたものに近いものです。この激変はローマ帝国と西ゴート以上に大きい。それも、形だけではなく、青銅の銅質、石材の選び方まで違うのではないか、と思わせて技術的流派まで変わっているようです。

 そして、現在の中華人民共和国南部からタイ族が南下したということになっているようですが、ヴェトナムと違って中華文明の影響を全く感じません。どちらかというとインド圏ですね。勿論華僑の影響でいろいろ入ってはいるんでしょうが周辺的なものだと思います。それでホントにタイ族は南下したのかと疑問に思うくらいです。北上したんじゃないの? なにかかなり確固とした文明技術美意識をもった民族がいきなり移動してきたという感じです。この展示をみてなんとなく思っているのが謎の国シュリービジャヤが絡んでいるのかも?? と感じたものでした。

 じゃ、十四世紀以前はどうかというと、これはかなりヘテロジェーナスであって、古美術という意味ではこっちのほうが面白い。実はアンコールワットのクメール文明の周辺地だったのかな?と従来思っていたのですが、タイ当局の意図(選び方)もあるでしょうがクメール風味は存外に薄い。もっと複雑です。そしシュリービジャヤの影響があるかも、、ただ7,8世紀からの展示になっていたので、これは日本の奈良時代と同じですね。日本の古美術と対照してみたくなりました。


タイ 〜仏の国の輝き〜
九州国立博物館: 平成29年4月11日(火) 6月4日(日)



posted by 山科玲児 at 08:52| Comment(0) | 日記