2017年05月06日

エドワード チューの遺訓

chow1980 ss.jpg


 オリエンテーションズの最新号(vol.48 No.2 March/April 2017)で、
ジュゼッペ=エスケナージがスイスのコレクター・実業家 Dr. Jhon Rudolph Stephen Zuellig(1917-2017Jan) の追悼記事を書いているが、その中に面白い話があった。

  中国古陶磁、特に官窯のものに強かった有名な古美術商、エドワード チュー Edward  T. Chow
が言ったという、、

「A serious collector  must always weigh  up  the  relative importance of  rarity, quality, and condition before putting  his  hand in pocket.」

拙訳: 真面目な蒐集家は財布に手を伸ばす前に、品物の相対的な希少さ、質、コンディションを見積もらなければならない。

ううん、「相対的な」というところがプロですね。

イメージはチューコレクションの売り立て目録

posted by 山科玲児 at 20:46| Comment(0) | 日記

ポンペイの壁画展にいきました

Herculaneum_-_Augusteum_-_Hercules_and_Telephos_-_Detail_1[1].jpg

ポンペイの壁画展 福岡市立博物館
公式サイト

にいきました。以上終わり、では芸がないので、少し感想を。。。
2010年にもここでポンペイ展があったのですが、そのときは壁画だけじゃなく器物や彫刻などと一緒でした。 また、あまり大きな壁画はでなかったように思います。


  チラシの表紙にもクローズアップされてる、エルコラーノ(ヘラクラネウム)という町のローマ皇帝崇拝の場と言われるアウグステウムから出土した《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》ですが、他の2枚とともに大きな部屋に飾られていました。相当大きな絵で、迫力はありましが、どうもこの系統の絵はあまり好きじゃないのが残念ですね。 それで、ちょっと雑談ですが、この絵の発見は、結構古い、たぶん19世紀前期ごろ?? それで、あのフランスの画家  ドミニク  アングルがこの絵の姿勢を真似して

アングル: モワテシエ夫人の肖像 (1856)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Dominique_Ingres_-_Mme_Moitessier.jpg
を描きました(イメージ)。アングル自身の模写、アングルの弟子の模写も残っているそうです。

 
【追加】 1789年までにはナポリ王の肝いりで刊行されていた本の図版に既にここの壁画がでているようですね。出土以来200年以上、大切にされてきたんですね。


この件は、
2015年09月15日
パクリ インスパイア  リスペクト
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/163628929.html
でも書きました。
この絵の図版を見る度にアングルのことを思い出すのは、妙な感じです。それで実物みてもあまり感動がない。

  まあ、好き嫌いというのはあるのですが、古代の出土美術品といわれるものには、どうみても「美術品」じゃないだろ、と思われるものも少なくありません、2000年、3000年と古くなればなるほど、また色々な事情から現在まで残りにくい(例えば衣装や織物とか)というようなことがあり、その時代のものが他に1点もなければそれを代表とせざるをえないわけで、場合によっては落書きとか粗雑な日用品とかが美術品あつかいされないとも限らないわけです。何百年も伝わってきたものの場合はその過程であまりひどいものが淘汰されたりすることもあるのですが、出土品の場合、勘違いが起こる可能性もなきにしもあらず。

 ポンペイやヘラクラネウムやスタヴィアのように一気にまとめて残る場合、量が多いのは素晴らしいのですが、全てを美術品とするのはどうなのかな?と思っております。

 今回そういう意味では、多くの壁画のなかで贅沢に吟味できる量がありました。

当方の好みでは、

黄金の腕輪の家 壁画 ss.jpg

最初に展示されている
黄金の腕輪の家の  壁画 断片  復元(イメージ)が 一番興味深いものでした。
にもっと良い画像があります。

これは 断片を復元して大きなパネルに貼り付けているもので、高さ2m以上あります。
高いところにある手の込んだ細密画をみるために、双眼鏡をもっていって良かったと思いました。双眼鏡や単眼鏡をもっていくことを推薦します。

特に最上部に僅かに残る女性の眼(⇓のとこ)は、アスコリ=ピッチェーノ絵画館の無残なクリヴェリの聖母に残った眼や東大寺法華堂弁財天の残った眼を思わせました
Crivelli AscoliPinacoteca1.JPG飛鳥園 写真P 弁財天.JPG




Wikimediaに細部のイメージがありました、ただ、これは左上の二番目の⇒の部分です。
他にも⇒の部分には精密で繊細な描写があり、なかなか達者な画家だと思います。

こちらに部分拡大がある

柱廊の描写なども繊細で幻想的で興味深いものでした。

この黄金の腕輪の家の::代表的な壁画は、庭園の壁画なんだそうです。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Affresco_romano_giardino_pompei_4.JPG

ただ、この断片群のほうが もう少し古い古典的な感じがしますね。

この遺跡と壁画については、動画がありまして、助かります。
Casa del  Bracciale d'Oro  a Pompei
https://www.youtube.com/watch?v=hqUuubKHyzE&feature=youtu.be

Casa del Bracciale d'Oro
https://www.youtube.com/watch?v=mPNIcG4BIEk


 やはり、かなり金持ちな豪族、ヘラクラネウムのパピルス邸の主人のような、フィレンチェのメジチのような人が注文した装飾壁画なんじゃないかな? 画料が高かったのか、かなり手が込んでます。






posted by 山科玲児 at 08:54| Comment(0) | 日記