2017年06月13日

大きな魚は小さな魚を食う

breugel Fish.JPGBreugel Fish monster char.jpg

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展
http://babel2017.jp/
ですが、マスコットの魚のモンスターのほうが、目立っているような気もします。

  このイメージはブラッセル図書館の版画なので、今回のボイマンスのものとは微細なとこで違うかもしれませんね。

海洋堂 で フィギュアもつくられているみたいだし、
http://babel2017.jp/project/04.html
もっと安価なマスコットも売店で売られているかもしれないなあ。

もともとこれは、銅版画の
ピーテル・ブリューゲル1世(下絵) / ピーテル・ファン・デル・ヘイデン(版刻)
「大きな魚は小さな魚を食う」 1557年
なので、色なんかないから、適当でいいんじゃね、
なんですけどね。

Breugel Fish Bosch invent.JPG


   ただ、この銅版画にブリューゲルのサインがなく、「ヒエロニムス=ボスの創案による」というサイン(イメージ)が入っているので、昔から議論がありました。 これは、素直に文字通り受け取ったほうがいいと思います。 ボスといわれる絵かデッサンかグリザイユをブリューゲルが緻密に描きなおした素描を使ったというだけなんじゃないのかな。ブリューゲルのサインのある素描がウイーンのアルベルティーナに残っているからといって、徒にブリューゲルの作品であることを煽ることもないと思います。ボスの方が売れるからブリューゲルに黙って・黙認させて出版したというのは間違いでしょう。

  なんというかなあ、ブリューゲルを偉大にみせたい褒めたいために、ひいきの引き倒しをやっているんじゃないの。実はこの推定はブラッセル王立図書館の碩學;ルイ ルベールがカタログレゾネに書いている推定です。私の妄想じゃありません。

 また、当時のフィリペ2世とアンリ2世のことを風刺している、風刺が弾圧されかねないので名前をいれなかったという説も、馬鹿馬鹿しい話で、もしボス(ACE1516没)の周囲で考案された図像ならフィリペ2世が生まれる(ACE1526)前にできたということになる。

  どうせ、訳知り顔の評論家が上の述べたような作り話をするでしょうから、警告しておきます。

  ただ、ボス本人の作品 真蹟、本物をもとにしたかというと、かなり疑問があります。 当時、いかがわしいボス作品贋作やコピーがあふれていたから(REF. ゲバラの「絵画へのコメント集」 1560ごろ)、出版者 ヒエロニムス=コックがとりあげたのは、そういうものだったかもしれません。ろくでもないものを元にしてブリューゲルが優れた作品へ仕上げたということもあったでしょう。

  実際、出版者 ヒエロニムス=コックはブリューゲル以外の画家にもボス・傳ボス作品の版画化を依頼して出版していました。これらにも同様に「ヒエロニムス=ボスの創案による」というサインが入っています。

例;;


誘惑
http://www.masterprints.nl/prints/17/si_06.html
Antiquariaat E.H. Ariens Kappers(美術商のサイト)

posted by 山科玲児 at 10:27| Comment(0) | 日記

トランプVS科学


日経サイエンス 2017年7月号
特集:トランプVS科学
2017年5月25日 A4変型判 27.6cm×20.6cm
   トランプの激震  川合智之
  変わる世界の勢力図  滝 順一
   ネットで軽くなる「事実」の重み  長倉克枝

 は、かなり呆れました。書いてるの日経の記者ばかり。科学と関係のないことばかり書いてある。

   トランプの科学に関する発言は、とくにおかしくないと思うよ。ただし、「ワクチンの多用を非難」「NIHの予算削減」これはちょっとどうなのかなあ。あまり感心できない。なんかアーミッシュ風のキリスト教原理主義の香りがする。

   トランプVS科学 じゃなくて トランプVS科学マスコミ  なんんじゃないのかな。科学マスコミって、1970年代には「氷河期が来る」って大騒ぎしてましたよね。よく憶えておりますよ。

 つい最近も、「宇宙初期インフレーションの証拠発見」といって記事にしたけど、そのあと「間違いでした」ってのはろくに報道しなかったよな。

  「重力波 発見」はたぶん確かだと思うけど、仮に間違いでも、訂正記事があまりでない悪弊がある。読者にとっては困ったものになっている。読者を誤らせること甚だしい。「バスに乗り遅れるな」と煽って失敗したら口をぬぐって知らん顔するというのは、どの分野のマスコミでも同じだな。


posted by 山科玲児 at 08:58| Comment(0) | 日記