2017年09月22日

シャングリラ

夢の棲む街.JPG


  何十年も前に読んだ、山尾悠子の短編で、忘れ難い作品がこの「シャングリラ」だ。
  上イメージの「夢の棲む街」に収録されていた。
 「ファンタジア領」という連作のPART2であって、他の2編も佳作だったが、「シャングリラ」が一番記憶に深く残っている。その執拗な残りかたといったら、中島敦の名人伝なみであったから、かなり重症だ。
 ネットで検索したら、同様に評価している方々も散見しする。
 なんか、とても視覚的な作品で動きもあり、全部をアニメにできそうな感じすらある。金子國義や、まりのるうにい風の絵が似合いそうである。山尾悠子氏の作品は、言葉を獰猛に消化しながら硬い言葉の断崖をよじ登るような努力を読者に要求するものが多いので、やや親しみにくいものが多いのだが(「破壊王」シリーズなど)、、これは違う。

 図書館で  山尾悠子 作品集成という巨冊を借りてきて確かめたが、雑誌のときはともかく初出単行本(文庫本)との異同はみつけることはできなかった。最初、この巨冊を借りて読んだときは「シャングリラ」というのが目次になかったので、収録されていないのかと残念に思ったものだが、実は「ファンタジア領」で収録されていた。この本ではたった20Pしかない。

まだご健勝のようだから、集成にいれるとき手を加えるということもあるかと思ったが、そうでもないようだ。
 一方、長編:仮面物語は、別ヴァージョンの中編「ゴーレム」になって収録されているので、現在では図書館などでしか読むことができないのが少し残念だ。


posted by 山科玲児 at 08:11| Comment(0) | 2017年日記

ボストン美術館展の中国画

Boston Nine Dragons.jpg


ボストン美術館の至宝展 ― 東西の名品、珠玉のコレクション
会期2017年7月20日(木)〜10月9日(月・祝)

ですが、有名な中国絵画も来日・展覧されているようです。
作品リスト
によれば、たった6点なのですが、

白眉というべきは、

壮大な  陳容の九龍図巻::これはもう陳容のベストでしょう。藤田から売り立てられた六龍図巻もそう悪くなかったので惜しいと思ってますが、これは、更に上。。
これについては前も書いときました

また、五色鸚鵡図巻は、かなり傷み・補筆があるようにみえましたが、とにかく、宋時代の名蹟には違いない。

公式サイトの中国画紹介

にのってないものでは、
夏珪::風雨舟行図  扇面が久しぶりに出るようです。
これは、額装なので展示しやすいということもあるでしょう。

ただ、夏珪の基準作であり、真蹟はこれ1つ、他は皆ダメという人すらいたくらいのものなので、なかなか嬉しい展示です。
展覧会に行った方で中国絵画に興味のあるかたは、見逃さないようにご注意を。

夏珪::風雨舟行図 をめぐる激しい議論は1970年台北國立故宮博物院における中国絵画シンポジウムで日本の研究者と中国や米国の研究者たちの間で行われていて、英文ですが、記録されています。
  当時から米国の中国人研究者のなかにはいいかげんなのがいて、しかもそういう連中が権力をもっていたということがわかります。
 方聞教授とかさ。
Proceedings of the International Symposium on Chinese Painting, National Palace Museum, Republic of China, Taipei 18th-24th June 1970.

  まあ、しかし、風雨舟行図だけが真蹟というのも、狭量に過ぎるのでは。  例えば、台北國立故宮博物院の渓山清遠図巻は確かに雄壮で壮大な作品です。以前、 現物のネルソン美術館「十二景図巻」

とこのの渓山清遠図巻の「写真」が並べて展示されていたことがありました。なぜか「写真」のほうがずっと優れた絵のように感じました。
それ以来、この渓山清遠図巻を大いにみなおしています。

神戸会場
会期:2017年10月28日〜2018年2月4日
会場:神戸市立博物館

名古屋会場
会期:2018年2月18日〜7月1日
会場:名古屋ボストン美術館

posted by 山科玲児 at 04:40| Comment(0) | 2017年日記