2017年12月01日

画家の盛期と老年





六本木の泉屋博古館 分館(東京)
https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html
  今回、でた徐の花卉雑画図巻が2巻き並んでいた。東京国立博物館所蔵のものと泉屋博古館所蔵のものだ。 部分の開陳だったから全貌というわけにはいかなかったが、比較できるということでは一生の間に何度もない機会だった。。

  晩年窮迫の時代の作品と最盛期の作品ではやはりかなり違うものだと思う。泉屋博古館所蔵の方の、七十歳の晩年作品にはなんとなく、貧しさ荒れた余裕のない感じが漂っていて持病があるのかとさえ感じさせる悽愴な気分が絵から漂ってくる。
  一方、東京国立博物館の 五十四歳の最盛期の作品(イメージ)はおおらかで自信にあふれたもので、実際 徐自身の跋で「タルキのような大巻に」といっているような長い巻子であり、大作傑作である。

    東京国立博物館の作品は、戦前、相当高価なものだったらしい。1909年春に上海に売りにでたとき、相当な収集家の陶實 1877- 1951 が「値段が高すぎて買えなかった」と、写真だけを得て作った影印本の跋に書いているからだ(イメージ)。 この陶氏は、出版界にいた実業家だったようで、かなりの収集家であるが、たまたま懐が寒かったのだろうか。あるいはまだ32,3才だったから資金がそれほどなかったのかもしれない。


posted by 山科玲児 at 04:38| Comment(0) | 2017年日記