2017年12月08日

アンチノリ家のリュネット


Bargello.JPGLucca Della Robbia (2).JPG

 fonntana  様 から教えてもらったのですが、陶彫がらみで、、
イタリアのフィレンチェのバルジェロ美術館(イメージは中庭の階段、なんかエッシャー風です。)で 米国ブルックリン美術館からの里帰り展
が開催されているようです。

ブルックリンからバルジェロ美術館へ
DA BROOKLYN AL BARGELLO
http://bargellomusei.beniculturali.it/page/IN%20PRIMO%20PIANO.html

現在でも有名なワイン業者アンチノリMarchesi Antinori
http://www.antinori.it/
 の先祖であるニッコロ トマソ  アンチノリNiccolo di Tommaso Antinori (1454-1520) がパトロンになって作ったようです。アンチノリ家の紋章が両端についています。

ジョヴァンニ デッラ ロッビアGiovanni della Robbia (Firenze 1469-1529)が16世紀初ごろに親方として制作した大きな彩釉リュネットです。
なんか画像みると煩雑過ぎる感がありますが、実はこれはとっても大きいものなんですね。
174,6cm x 364,5cm x 33cm
横幅が3.6mもあります。3m以上!!

なんか、日光東照宮の陽明門みたいですねえ。。ロッビア一族の作品ならアンドレア デッラ ロッビアの青と白を基調にした大きな作品:ニッコリーニの受胎告知(イメージは、部分を本の表紙に使ったもの)のようなものが頂点だと思っていて、こういうのはあまり好きじゃないのですが、それでも労作だとは思います。
19世紀後期にアメリカへ売られたようです。

ブルックリンのリュネットの公式のブルックリン美術館公開の修理動画がありました
https://www.youtube.com/watch?v=rx_rS1E9nGA

  ワイン業者アンチノリが修理資金を出したプロジェクトのようです。
  冒頭が、あまりにもアメリカンなので、吹き出してしまいそうになるのですが、中身は非常にまともで、物体としての美術品を再認識いたします。
  このリュネット、多数の彩釉タイル(というより塊)を木材でできた裏板にとりつけた貼り付けて構成されているようです。厚みもかなりある彩釉タイル ブロックなので相互のかみあいや合わせも重要でしょうし、重量もそうとうあるので、起こすときはクレーンのような鎖を使ってますね。自重で壊れる心配もあるでしょう。修理の際は19世紀にあった木材裏板は保存して、タイルの周囲のゴミや充填物は除去しているようです。

 このリュネットの周辺部分の花綱にある、果物や動物なんかは、少し後のフランスのベルナール  パリッシーとその追随者の作品を思わせます。ベルナール  パリッシー自体は、自分の独自性、発明を誇示して、全部一人で開発したように著書で書いてますが、いくらなんでも、それはないのでは。。実はロッビア一族で、ジョヴァンニの弟、  若いルカ デッラ ロッビアLuca della, The Younger Robbia(1482-1547)とジロラモ デッラ  ロッビアGirolamo della Robbia (1488ー1566)はパリで逝去しています。  つまりロッビア一族の技術がフランスへも流れていたわけです。 影響がないとはいいかねますね。

  どうも、ルネサンス時代の芸術家や学者には大言壮語するくせがあるようです。これは生業のためではないか?と思います。  中世のギルド職人は伝統継承を売り物にして生きていけたでしょうが、個人の才覚で収入をえようとしたルネサンス期の一部の天才肌の人は、自己宣伝せざるをえなかったのでしょう。

posted by 山科玲児 at 09:04| Comment(0) | 2017年日記