2017年12月30日

ブリューゲル展 どうですかねえ


ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展
        公式サイト http://babel2017.jp/
 で賑わった 東京都美術館ですが、

来年1月早々、
ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜
http://www.tobikan.jp/exhibition/2017_bruegel.html
というのを開催するそうです。1月23日〜4月1日
 どうも、ラインナップに、これという目玉・傑作がないので、パスかなあ、と感じております。
 そういう意味では、
神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展
  2018.1.6. SAT. - 3.11. SUN.
   Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)
  2018.3.21. WED. - 5.27. SUN.
    佐川美術館(滋賀県守山市水保町北川2891)
のほうが、あの有名なアルチンボルド作品を鑑賞するという愉しみがありますので、まだ外れがないように思います。
   私は福岡で鑑賞しましたが、地味ですがそう悪くない展覧会でした。ボイマンスのような凄みはありませんでしたが。

  さて、「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」展の展示作品ですが、、
 ヤン・ファン・ケッセルの大理石板に油彩で描いた昆虫というのが、そうとう珍しいとは思いますが、必見というわけではない。
  チラシに出てるヤン・ブリューゲルの花瓶の花は同類を多数観ましたが、なかなかこれはというものはないもののようです。本物間違いないとおもわれるアンブロジアーナのものですら、まあこんなものか?という感じですからね。
  実物は観ていませんが、ベルガモのアカデミア・カララ美術館のヤン・ブリューゲルの花は、実は真蹟ではないかもしれない(「?」がついてる疑問作)とされているものですが、カラー画像を見る限り相当良いようです。もっとも、このカララの作品は、あるいはダヴィッド=セーヘルスなどのヤンの弟子筋の作品なので、かえって素晴らしいという逆説的な作品なのかもしれません。 
この件については、ミラノのアンブロジアーナを訪ねたとき、こういうメモを書きました。
さて、ここのヤン=ブリューゲルは、画家に直接注文したフェデリコ・ボロメオ枢機卿自身のコレクションであり、しかも最近クリーニングしているので、これほど確かなものはない。2点の花瓶にさした花束を観た結果、やはり、ダニエル セーへルスのほうが遙かに上手いと想う。ヤンには花の瑞々しさ、水っぽさが欠けている。一方、葉の描写には後世にまけない見事な描写が伺われる。陶器の描写、貝の描写は優れているがガラス瓶の描写はそれほどでもない。以上を総合すると、水の光沢、透明なものの描写に関する革新がヤン以後に行われたということができる。

   この「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」展、特設サイトがよくできていて、全貌に近いものを観ることができるので、いかなくてもこんなところかなあ、という感じはします。ただ、当然、これに掲載されていないものはわからないわけで、それ以外に良いものがあるのかもしれません。どうもボローニャで開催展示されたものとほぼ同じ企画展のようなので、そうすると、グリマーの割と良い風景画は、この展覧会に入っているはずです。開催されたらリストは公開されるかもしれません。


  こういう、プライベート コレクション(個人蔵)中心で集めた特別展というのは、なかなか良質な絵画を集めることは難しいもののようです。1995年にいまはなき池袋:東武美術館で開催された
「ブリューゲルの世界 コペ・コレクションと世界の11美術館から」
という特別展もコペ・コレクションは、どうみても鑑賞に耐えず、

≪絞首台のうえのかささぎ≫
ダルムシュタット、ヘッセン州立美術館

が1点、もの凄く素晴らしかったので、こればかり観てました。
それ以外は、素描が2点良かっただけです。

  ただ、最近 観た経験や、プラドがナセイロ・コレクションを一括購入したり、西洋美術館がローディ・コレクションの優れた静物画(楽器画)を購入したりしていることから推察して、静物画にはまだ個人や画商コレクションに優れたものがあるようです。 そういう部分では期待できるかもしれません。



posted by 山科玲児 at 09:17| Comment(0) | 2017年日記