2018年02月28日

トリプティックは祭壇画だとは限らない

triptych.jpg


  昨日、米国ノースカロライナ美術館にあるアールストの華麗な絵のことを書いたが、
なんでノースカロライナ美術館を覗いたのかというと、イメージの絵がここにあるからだ。
この絵は宴会の絵なんだが、矢印で示したようにその真ん中にトリプティック(triptych). 三連祭壇画が飾ってある。宴会場だし、どうみても祭壇にはみえないところに飾ってあるし、下のリンクで細かくみても、必ずしもキリスト教的な絵画ではないようにみえる。宗教画だとしたら、真ん中は「キリストの捕縛」か「十字架の道行き」かな??

Bartholomeus van BASSEN  and Esaias van den Velde
Interior with Banqueters, 1618-20
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:BASSEN,_Bartholomeus_van,_Renaissance_Interior_with_Banqueters,_1618-20.jpg
North Carolina Museum of Art
http://ncartmuseum.org/

 ボスの「乾草の車」や「快楽の園」もどうも祭壇画とはいえない。
 16世紀ごろには、こういう「祭壇画でないトリプティック(triptych). 三連祭壇画」があったようだ。なんか用語が矛盾しているような感じで、triptychの翻訳語を買えたほうが良いようにさえおもいました。

  逆に、オーソドックスな、宗教的な三連祭壇画としては、メムリンクの作品をあげておきます。
 下の写真では、構造がよくわかります。ブリュージュのメムリンク美術館にあるこれらの絵ではオリジナルらしい額の構造がよくわかります。




posted by 山科玲児 at 08:18| Comment(0) | 日記

2018年02月27日

双子の絵

Willem van Aelst Kassel.JPG



偶然、米国ノースカロライナ美術館のサイトをみていたら、
アールストのどっかでみたような花瓶の花があった。

実は、1998年に東京で観た、カッセル美術館の花の絵とそっくりです。
http://altemeister.museum-kassel.de/32019/
よくよく観ると、トンボと鼠がノースカロライナ美術館のほうは多いんですが、これはもともとあったものなのかなあ?あるいは付け加えたものかもしれない。

  カッセルの絵は、とても華麗なものなので、ポスター(イメージ)を買いました。
  しかし、これは、どちらがオリジナルかはわからないなあ。
  こういうのは、中国では双胞案というそうです。

   アールストの花の絵には、似たような華麗なものがハーグのマウリッツハイスにもあって、これもまた豪華絢爛なものでした。
https://www.mauritshuis.nl/en/explore/the-collection/artworks/flower-still-life-with-a-timepiece-2/
posted by 山科玲児 at 10:12| Comment(0) | 日記

昭和天皇独白録の草書

昭和天皇独白録 bonhams detail.jpg

   昨年末、オークション会社BONHAMSのニューヨーク会場で、競売された
  昭和天皇独白録の原本のイメージをみることのできるサイトがあった。

  BONHAMSのサイト(英文)

  高須院長が、オークション出品された昭和天皇の回想録「昭和天皇独白録」を3000万円超で落札  歴史・文化 - Japaaan

  どうも、草書が多い漢字とカタカナで書いてある原稿のようで、かなり読みにくい。
  上は極一部だが、「ノモンハン事件」である。「事」の字が王羲之以来の正統的草書になっている。

  1990年に『文藝春秋』において公表され、 1991年に文藝春秋社から単行本が出版されているのだから、
 相当、短期間で解読され当用漢字の現代カナで活字化されているわけである。

 1990年という時点の文藝春秋社の編集者に、これを流暢に読める人がいたのだろうか?
 実は、1990年ごろに、ある専門雑誌の編集者に呆れたことがあるので、それ以後あまり編集者の教養には信用をおいていない。
  おそらく、外部の人を雇って読ませたのではなかろうか?
  短期間で解読ということもあり、1991年時点の刊行物には、かなり 省略・誤読・間違い  があったのではないか?

 と、容易に想像できる。

  原本の出現によって、かなり改訂が必要になるかもしれない。

posted by 山科玲児 at 06:01| Comment(0) | 日記

2018年02月26日

ヤン・デ・ビーアの動画

Jan_de_Beer_-_Annunciation.jpg


2016年11月27日
ヤン  デ  ビーアの本が出た
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/177830112.html
で取り上げた ヤン・デ・ビーアの絵(上イメージはマドリードのティッセン所蔵の絵)を紹介する動画があるようです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZKdaH4v6Oyw


これでみると、バーミンガムのものが一番 印象的だと思います。

posted by 山科玲児 at 08:23| Comment(0) | 日記

きれいなおたま

おたま PRES  SENCE LADDLE.JPG


  これは、博多大丸で買った、日本製のステンレス製の一体鍛造圧延によるお玉・ラドルです。
 かなり形が良いと思います。昔、唐時代の銀のお玉を観たことがありますが、それを思い出しました。
  1700円ぐらいで、こういうものが買えるのはありがたいことです。

製造販売::
PresSence ブランド
株式会社 フジイ
http://www.fcl.co.jp/
http://www.fcl.co.jp/products_pressence.php

タグ:お玉 ラドル
posted by 山科玲児 at 06:52| Comment(0) | 日記

2018年02月25日

大きな絵

memling Bathsheba.jpg




で、もう一つ気になったのは、
シュツットガルトにある  メムリンクのヌード大作「水浴のバテシバ」
が、高さ190cmという大きな作品だから、

>画面の大きさからしても公共の場におくべく意図されたとみられるからだ

という議論である。

 実は私も昔は大きな作品=教会などの公共の場、小さな作品=私的
と思っていたし、そういうことがあたることも多い。

しかしながら、あの高さ2m以上もある「快楽の園」(ボス、プラド美術館)
がヘンドリック三世のブリュッセルの宮殿にあった、、

ということを考えると、王侯貴族の場合、必ずしもそうはいえないのではないか?

とくにこういうヌードを中心とする絵画の場合は、プライヴェートな宮殿の1室にあってもいい。
当時は絵にカバーやカーテンをつけたり扉がついていて開けたときだけ鑑賞できるようになっていたりしているのが普通だったから、さして問題はなかったと思われる。




posted by 山科玲児 at 13:54| Comment(0) | 日記

蜜蝋画エンコースティック

白蝋.JPG

蜜蝋画 エンコースティックというのは、私は 古代ローマ時代のエジプトで多量に制作されたミイラ肖像画で初めて知った。
ところが、20世紀になって、復興していて、現代絵画でも行われており、日本でも蜜蝋画をやっている画家がいるようである。


蜜蜂の巣からとった蜜蝋に顔料をまぜ、刷毛やペインティングナイフのようなもので描くものらしい。


アイロンで木蓮の絵を描いている現代のエンコースティック制作
なんかアイロンで絵を描くって新鮮な感じがします。


蜜蝋を生成した白蝋は上イメージのようなもので、これは昔 東急ハンズで買ったものだ。
融点46〜54度となっている。 日本の夏でも日なたでは40度超えることもあるのだから、エジプトの夏だったら火を使わなくても融解して使えるかもしれない。


エジプトの沙漠の中でとはいえ、ほぼ2000年前の絵画が鮮やかな色彩を保っているのだから、この
蜜蝋画というのは絵画技法のなかで一番保存性が高いものなのかもしれない。

ローマ崩壊後、蜜蝋画はビザンチンのイコンなどに用いられていたが、その後衰微した。

ルネサンス時代にレオナルドなども試みたらしいのだが失敗。。そういうことで、蜜蝋画は
中世から現代までは無かったのかと思ったら、そうでもないようだ。

ミュンヘンのバイエルン王宮の部屋には19世紀前期に蜜蝋画で大きな壁画を描いた例すらあるようだ。
SCHNORR VON CAROLSFELD, Julius(b. 1794, Leipzig, d. 1872, Dresden)
という画家が1831-67ごろに制作したものらしい。それにしても制作年代が長すぎるように思う。単によくわからないだけなのかな。


ただ、やはり量的には少数派であるし、費用も他の絵よりかかったのではなかろうか?バイエルン王のように富裕な王侯貴族でなければ、できなかったのかもしれない。
posted by 山科玲児 at 08:55| Comment(0) | 日記

2018年02月24日

今日は休み

今日は休みます
posted by 山科玲児 at 06:17| Comment(0) | 日記

2018年02月23日

手の意味

Durer Christ doctors (2).jpg



2015年10月12日
西洋絵画と印相(ムドラー)
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/165528701.html
で、とりあげた、
マドリードのティッセン ボルミネッサ美術館の
デューラーの「博士の中のキリスト」だが、
https://www.museothyssen.org/en/collection/artists/durer-albrecht/jesus-among-doctors#

手の形・表情・意味について、当方は、図像学などからの解明を期待している。当方は全くわかりません。

の中に、デューラーの「博士の中のキリスト」のキリストの手について、少し書いてあったので、
この奇妙な手の形の意味について学者の深い解明があるかと思ったら、何もなかったので残念だった。

 この本は16年前の本なので、現在は解明されているかと思ったが、ティッセンの英語サイトにもそう明解な解説はないようである。研究者の方で解明された方はいないのだろうか??


posted by 山科玲児 at 10:13| Comment(0) | 日記

ミイラ肖像画は知られていないなあ

ルーブルの美少女 ss.JPG


を借りてきて読んでいたが、末尾に古代ローマ2世紀ごろのミイラ肖像画がとりあげられてあった。
ただ、ほぼ間違いと思われる記述があり、がっかりした。
>「ミイラを包む麻布や棺の顔にあたる部分に描かれた蝋画である」

実は、全くの間違いとはいえず、そういう例もあるのだが、圧倒的多数は、そうではない。
多くは生前に板に描いておいた肖像画を切り取って、ミイラの顔のところにはめ込んだものである。これには異論もあるようだが、ミイラの年齢が絵の年齢よりかなり高いケース(コペンハーゲン)をどう説明するのだろうか。また、葬儀のときに、いそいで調達作成した死後の制作品や既製品の絵もかなりあるらしい。このへんの制作時期の問題はちょっと議論ありとしておきたい。

  どちらにせよ、棺自体に描いた「ローマ風肖像画」はほとんどみたことがない。勿論、エジプト風のミイラマスクを棺に描いたようなものはあるし、金箔などを駆使したまさにエジプト風の葬儀用マスクはローマ時代でもあった。

  小池氏は、岩山三郎氏の本(古代の没落と美術―ミイラ肖像画とその時代 (1973年) (美術選書) 1973) をREFにあげているが、読んでいないのだろうか?と疑いたくなった。

  この種の肖像画はずいぶんたくさん世界の美術館に所蔵されていて、Wikimediaには、傑作駄作精粗はあるとはいえ、膨大なイメージがあげてある。
なかでも有名なのは、上イメージにある、画家ジョアン・ミロが絶賛したルーブル美術館のものである。


今年開催される
ルーヴル美術館展 肖像芸術 ―人は人をどう表現してきたか
国立新美術館
2018年5月30日(水)− 2018年9月3日(月) 毎週火曜日休館 ※ただし8/14(火)は開館
大阪市立美術館
2018年9月22日(土)− 2019年1月14日(月・祝)

にも1点 でるようだ。 それは上記のものとは違ったものであるが、結構良い作品のようだ。


posted by 山科玲児 at 09:27| Comment(0) | 日記