2018年02月13日

九州国立博物館がゲットしたもの


太宰府の九州国立博物館:特別展『王羲之と日本の書』
http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s50.html
で、九州国立博物館所蔵品として展示されているもので、瞠目したのは、、

・公任本  古今和歌集  上下册完本?
 色紙に金粉を散らした装飾紙に書いてます。
 隣に展示されていた元永本と比べたら地味なんですが、平安時代とされる古今集の完本は非常に少ないのですから、
 どうみても新発見のこの冊子 貴重です。
  書風は、益田本和漢朗詠とかに近いかなあ。。
  
・古筆手鑑  まつかぜ
  これは、明治以降に制作したものじゃないか?と思いますが、名品といわれる古筆が並んでいます。変な言い方ですが、現代で「名品」とされる古筆が並んでいるから手鑑の制作・編集が新しいんじゃないかとおもうんですよね。江戸時代以前の編集の場合は、伝統的にいれるべきものをいれているので意外に書道的な意味での名品が少ないんです。
  このなかでも珍しいのは
  尾形切(西本願寺三十六人家集の業平集の断片) かな、、現存6枚といわれてます。
  高野切第3は、少し違和感がありました。
  この古筆手鑑「まつかぜ」は 小松茂美氏が 2001ごろ記録・出版してるみたいですね。

どちらも、考古品とか、歴史資料とかが前面に出ている九州国立博物館としては、畏るべし、、という収蔵品です。

この2つは坂本五郎氏寄贈となってます。いろいろいわくつきの古美術商のかたですが、
2016/08/15 :坂本 五郎氏(さかもと・ごろう=古美術商)、92歳
で逝去されてます。生前の寄贈なのかな?あるいは国への遺贈で、文化庁経由でこちらに来たのかもしれません。
 中国陶磁の大物の取引で名をあげ、話題を呼んだ坂本氏ですが、日本美術のほうが良いセンスの収集してるんじゃないかなあ、、と思いました。
 広田不孤斎も、東博寄贈のものでは、中国陶磁以上に、日本美術や茶道美術の非常に優れたコレクションが素晴らしかったのですが、古美術商は自分の商売分野以外で自分のコレクションをつくるものなのかなあ??と再び思いました。
館長が平安古筆に詳しい島谷先生ですから、こういうものが回ってきたのかもしれません。

ところで、九州国立博物館には美しい
亀山切 の冊子があるのですから、
http://collection.kyuhaku.jp/gallery/1256.html
これもだせばいいのにね。他館から借りてきたものを優先展示して、遠慮したのかな?

 常設展のギャラリーでも、ちょっと面白いものがありました。
韋駄天・猿猴図 (重要美術品), 重要美術品, 伝・牧谿(13世紀
https://twitter.com/kyuhaku_koho/status/956694703541489665
です。
牧谿の真作かどうかはともかく13世紀〜14世紀の中国画であることは間違いないでしょう。
牧谿作とされるテナガザルというのは、そう珍しくないのですが、
韋駄天 図というのは非常に珍しい。
13世紀〜14世紀の中国画の水墨画で 韋駄天図って、みたことがありません。廟や寺院の壁画や仏教道教図像なんかなら、あるかもしれませんが、こういう水墨画では未見です。どうももと団琢磨旧蔵のようですね。。

これは、希少性という点だけでも面白いと思いますよ。。


posted by 山科玲児 at 08:58| Comment(0) | 2018年日記