2018年08月21日

キューレーナイカのシルフィウム

Cyrene Coin BM silfium.jpgCyrene Coin BM heart seed.jpg


で思い出したのが、絶滅した香草・香辛料 キューレーナイカのシルフィウムである。キューレーナイカはキュレネの古代での名前だ。
これは古代では大変珍重されたものだそうで、当然、高価だった。コインにきざまれたほどの重要産物であった。茎や根にキズをつけてでてくる汁をとって、固めて輸出したそうだ
当時のコインにも刻印されている。まあ、稲が日本の硬貨に入っているようなものかな。
真贋問題もあるので、比較的信用できそうな、大英博物館のコインを紹介する。


 古代ローマの料理書として有名な「アピーキウスの料理書」にも「シルフィウムをいつまでも使う方法」なんてのが書いてある。香りだけを松の実に移してその松の実を使い、シルフィウム本体は使わないという智恵である。
 このシルフィウムを最後にみた記述が四世紀にあり、その後は絶滅したと考えられる、

  私が昔、考えたのが、リビアのキュレネの砂漠のどこかにこのシルフィウムの種が埋もれていないだろうか?という希望的観測である。大賀ハスのように古代の蓮の種から育てることができたのだから、古代の種から現代シルフィウムを再現することはそれほど難しそうではないと想う、たかだか1600年前程度である、
  マコーミックとか味の素とかの食品メーカーがスポンサーになってプロジェクトを組むというようなことをやってもよさそうなものだ。
 現在ある、 シルフィウムに類似した草はジャイアント・フェンネルらしい。 当然、味は違うはずであるがてがかりにはなるだろう。
  ただし、今のリビアは治安が悪すぎる無政府状態だそうなので、こういう探検はできないという事には、残念に想う。「アラブの春」に踊らされてカダフィ政権を崩壊させ、カダフィ大佐を殺してしまったのは明らかな誤りだった、残念だ。
 ただ、古代の珍味が、現代でおいしく感じるかどうかはまた別で、激しい拒否反応をおこしてしまって、食べられない、という悲劇的な結果に終わるかもしれない。というのも、アピーキウスの料理書を読む限り、ローマ時代の料理には、タイ料理のニョクマムのようなリクァィアーメンというものを調味料として頻繁に使っていて、現在の西洋料理より現在のタイ料理などに似ていたのではないかという印象があるので、果たしてキューレーナイカのシルフィウムが復活したとしても受け入れられるかどうかな?というリスクも感じる。
  一方、シルフィウムが堕胎剤として使われたという伝承もあるが、アピキウスの料理書に使われていることから同意しがたい、、なにかの間違いか、他の草・薬剤と混同しているのではないかと想う。少なくとも、古代の文献にはみつからないようだ。より新しい時代の解説書には書いてある。また、キューレーナイカのシルフィウムが高価だったので,トルコ・イランなどの類似の植物から採られた偽物も多く流通していたらしいから、薬効が違い、そういうことになったのかもしれない。
REF   アピーキウス古代ローマの料理書,ミュラ=ヨコタ・宣子訳,1987三省堂

posted by 山科玲児 at 09:47| Comment(0) | 日記