2018年11月04日

プラドにあるファンアイク派絵画の修理

fountain  prado2.jpg    fountain  prado1.jpg


  
  Jan van Eyckのカタログレゾネ本を読むと収録されている、高さが1.8m以上ある大きな絵が、プラド美術館にあります。
  額の下には、ファンアイク・スクールという板がついてます。まあファンアイク派・工房ということになっているのでしょう。

  これが、最近修理されたようで、プラドで小企画展やっているようです。
   10/23/2018 - 1/27/2019
  https://www.museodelprado.es/en/whats-on/exhibition/the-fountain-of-grace/3d527c1d-1683-bade-d1fb-d775f969921b
  絵画そのもののサイト
  https://www.museodelprado.es/en/the-collection/art-work/the-fountain-of-grace/f578c5af-b1d6-4ef8-aaa3-ae05a6dd2393

   修理動画もあります。スペイン語なんでわからないのですが、部分拡大が多くて面白い。ただ、クリーニング中心で基底材はいじっていないようですね。樹林年代など測定できればいいのですけれど。。
   https://youtu.be/n8kedAXoEBM
  背後にFRANKE  van  der STOCKTの祭壇画(現在は他の画家の作品だと考えているようです)もみえますから、これも修理中なのかな?  そうしたら、現在はこの背後にみえる祭壇画は、公開していないものと考えたほうが良いようです。なんども観ましたけど結構良いものでした。

  ファンアイク風の絵に戻りますが、かなり前、実物みましたが、なんか平板な感じであまりよくなかった印象があります。。
  解説によれば、プラドに入って以来200年間も議論している絵だそうですね。私がわりこむのもなんですが、一応、観たことあるし、イコノロジー的には面白いので、まあ一言。。

  タイトルは、The Fountain of Grace 翻訳しにくいのですが、「恩寵の泉」かな? 下部は「教会の勝利・ユダヤ教の敗北」が描かれてるんで、反ユダヤ的ということでウケが悪いのか、この絵自体が、あまり紹介されませんね。このユダヤ人たちのとこ(イメージ左)見てると、なんかクエンティン・マーティエスみたいな感じがしたんで16世紀初期か?と思ったのですが、カスティーリャ王  エンリケ4世が、セゴヴィアの El Parral 修道院に1450年ごろに与えた、という記録・推測?があるようです。これが正しいとしたら、ファンアイクの死後1世代後ぐらいの絵画になるんですよねえ。そうなると、そうとう貴重ということになるんですが、この記録?真に受けていいのかかなあ。。なんかこの絵自体がコピー的な感じがあるんですよね。

   中心の神の描写を初めとして、ゲント祭壇画からの借用がかなりあるようです。擬似彫刻のような細かい描写もゲント祭壇画や、同じマドリードにあるティッセンの受胎告知のように精巧です。かなり細かいところは、ロヒールのミラフローレス祭壇画の飾りに近い気はしますね。
  聖母の顔は、ヤンファンアイクやロヒールやメムリンクやブーツとも違っていて、むしろペトルス・クリストスに近いと思います。そういうことから推測するとペトルス・クリストスはヤンの後を継いでブリュージュで活躍していたのだし、その周辺での制作なのかもしれませんね。
  泉から流れ落ちる聖水に丸いものが多数入っているんで(右イメージ)、銀貨かと思ったんですが、いくらなんでもそれはないだろう。。とすると聖餅ホスティア  じゃないかと思いました。

  この絵のコピーが米国オハイオ、オバーリンのAllen memorial Art Museumにあります。こっちはサインもあって Cristobal de Velasco (d. 1617)というスペイン人が16世紀末期ぐらいにコピーしたもののようです。上部塔の左右に紋章が入っているので依頼者もわかるようですね。
Spanish_Fountain of Life
http://www2.oberlin.edu/amam/Spanish_FountainofLife.htm


posted by 山科玲児 at 18:05| Comment(0) | 日記

拙政園図

拙政園Image9.jpg

明の嘉靖時代を中心に活躍した文徴明に縁の深い、蘇州の拙政園という大きな庭園があります(イメージ)。

文徴明自身の絵:拙政園図があるという話は、ときにきくこともありましたが、実物は拙い影印ですら
観たことがありません。拙政園自体が明時代から何度も改造変更されてきたでしょうから、 古い時代の姿がわかればいいなあ、という希望をもって探しておりました。

おかしいなあ、と思っていたんですが、

米国のメトロポリタン美術館に1セット8枚+書法題 があるようです。

  拙政園図詩

模写なのかどうかはわかりませんが、いくらかでも原形を留めていればまずOKだと思います。
全くの捏造だったら✕で、なんのやくにもたたないのですが、模写ならやくにたつでしょう。
一応、成親王、内藤湖南の跋がついてますが、信用できるのかなあ。。
清前期の  安岐の印が各葉に押してありますが、安岐の墨縁い観(及び続録)には記録がありません。




posted by 山科玲児 at 10:04| Comment(0) | 日記