2019年02月23日

ブリュッセルのクリヴェッリ

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 最近、カルロ・クリヴェッリの作品が一部で話題になっているようですが、なかなか実物をみることのできないモンテフィオーレ祭壇画(Wikimediaイメージ)について、その一部をもっと安易に(安易かな???) ロンドンとブリュッセルで観ることができるという話をあげてみます。モンテフィオーレ祭壇画は分解されてその六面がモンテフィオーレに残っているんですが、他は世界に分散・流出しています。モンテフィオーレにあるマグダレーナ(右イメージは顔の部分)は特に名声が高いんですが、世界に分散流出したパネルでその良さを推察することもできるでしょう。

  ブリュッセルの王立美術館にある作品は2点ですが、そのうち一つはモンテフィオーレ祭壇画の中心である聖母子像(左イメージは上半部分、当方撮影)です。もう一つは地味な聖フランシスコです。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Carlo_Crivelli_-_Madonna_and_Child;_St_Francis_of_Assisi_-_WGA05787.jpg

 2005年8月3日に観賞しました。、イタリアの現地までいってろくに鑑賞できなかったMontefole祭壇画の連れの二点を、ここでは裸で至近で鑑賞できました。保存はまずまず。修理箇所はもちろんかなりある。しかし生彩がある。特に聖母はクリヴェリにしてはずいぶん大人しい表現で意外に思いました。アスコリの聖エミディオ祭壇画の中心パネル 聖母子とよく似た様式ですね。

  ただ、2009年にいったときは、展示されていなかったのか?それとも迷って展示場所までいけなかったのかわかりませんが、とにかく観ることはできませんでした。ブリュッセルの王立美術館で、イタリア絵画そのものがどこに展示されているかわからなかったんですね。
  まあ、時間がなかったので、あきらめました。

  現在展示されてるかどうかは不明でかなり不安ですが、展示されているとしたら、あの遠いアクセス困難な山の奥、モンテフィオーレ デッル アッソまで行く準備としてはブリュッセルで観るというのが一つの作戦じゃないでしょうか。私もブリュッセルのこれが、最初に観た感動したクリヴェッリ作品でした。

 もう一つ、こちらは確実に鑑賞できるのは、ロンドン・ナショナルギャラリーです。ここNGには多量!といってもいいカルロ・クリヴェッリ作品があり、特にアスコリにあった「受胎告知」などはイタリアにもない名品ですが、その中にモンテフィオーレ祭壇画の一部;中心上部にあったであろう「ピエタ」があります。
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Montefiore_Piet%C3%A0
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/carlo-crivelli-the-dead-christ-supported-by-two-angels
この作品は、

カルロ・クリヴェッリ―マルケに埋もれた祭壇画の詩人 
を書いた
石井 曉子 氏を最初にクリヴェッリに惹きつけた傑作です。

 まあ、この作品は常設で、たいてい展示されてますから、行って展示してないという悲劇が無いという点でお得です。ただ、2000年ごろには、修復していたらしいので、観ることが出来なかった人もいたかもしれません。そのときなんとオリジナルのニスが残っていたという発見がありましたサンダラック・レジン(北アフリカ産のイトスギ樹脂)をクルミ油に溶かしたニスだったそうです(ロンドンNGの記事)。修復後の写真みると前より更に迫真的になってますね。

 モンテフィオーレでは、今、小さな近代的展示館をつくったみたいなので、昔、私が行ってがっかりしたような状態より、はるかに良いとは思います。



ただ、2014年ごろに修復開始したというニュースが入ってきました。

 アントワープのメムリンクじゃないんだから、いくらなんでも、もう完成しているのではないか??と思っているんですが、事前調査はおこたりなく。。。下手すると複製が飾ってあって、高山寺へいって鳥獣戯画の複製をみせられる以上の大惨事になりかねません。。。
Montefiore dell'Aso. Restauro in corso per il polittico del Crivelli - YouTube


でも、ブリュッセルやロンドンがまず入門かな。。

posted by 山科玲児 at 09:01| Comment(2) | 日記