2019年02月26日

陶磁器とオランダ絵画



  2017年01月21日
  今日、東京でもやってる
    http://reijiyamashina.sblo.jp/article/178491077.html
2年前に、この記事に関して、 花耀亭 様のコメントでご教示いただいた、シンポジウム論文集

17世紀オランダ美術と〈アジア〉 2018年11月30日発行
(Amazon のURL)
を図書館から借りてきました。

目次は、ここでみることができます。
https://honto.jp/netstore/pd-contents_0629341252.html

西洋美術館の幸福輝(こうふく・あきら)氏の編輯によるもので、氏の論文や序も、なかなか興味深いものでした。
例えば、1680年代にオランダ静物画から東洋陶磁器の描写が消滅する、、という指摘です。

風俗画なんかにはその後も東洋陶磁器らしいものが描かれることがあるんですが、静物画からは消滅。。

もともと、豪華な贅沢品・宝物として描かれていたことが多かったのですから、値段が安くなったのかな?それとも明清交替で輸出が止まって有田焼が入ってきたのが影響しているのか、、この辺はよくわかりません。

ただ、中国や日本美術を多く見てきたものにとっては、どうもおかしなところも眼につきました。

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 画中のアジア  ―一七世紀オランダ静物画に描かれた東洋磁器 (幸福 輝)
 フェルメールの描いた陶磁器 (タイス・ウェストステイン〔城靖之訳〕)
で、論じられている画中の「東洋陶磁」は本当に東洋陶磁だったのか?という問題です。
昔「セラミック・ロード展」でブリュッセルのコレクションをみたとき、オランダのデルフト窯やヨーロッパの窯がチャイナの景徳鎮や日本の有田の製品を、いかに巧妙に模倣できたのかを実感しました。そうするとデルフトのフェルメールが描いた陶磁器がデルフト製であってもおかしくない。現実問題として絵画になってしまうとそのもとが中国製なのかデルフト製なのかを区別するのは、例外的に側面からの証拠がある場合を除き、ほぼ不可能じゃないかと思います。更にヴェトナムやイズニーク(イラン)の製品もありますし。。

例えば、44Pにモノクロ図版であげてある 
ヤン・ブリューゲルの「花瓶の花」ウイーン美術史美術館
Flowers in a Painted Ceramic Vase (Vienna) | Brueghel Family: Jan Brueghel the Elder
https://janbrueghel.net/object/flowers-in-a-painted-ceramic-vase-vienna
の花瓶を景徳鎮の青花とみることはできません。広東の地方窯のものか、欧州や東南アジアでの模倣品じゃないだろうか?? 
わからない。。
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和紙についてのコメントを削除したのは、
どうも和紙の用語・分類が地方や企業によって違いがあるようですので、それで通じないようになっているのかな、と思い、さしあたりは削除しました。
「鳥の子紙」と「雁皮紙」は私の感覚では全く違うものですが、「雁皮」を主原料にした鳥の子紙が古来からあるようなので、どうも偏見だったようです。

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明代陶磁器と西洋静物画に関する当方の考察::
2017年01月20日
ペーテルスと中国陶磁
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/178480937.html


posted by 山科玲児 at 06:06| Comment(0) | 日記