2019年06月25日

ハリウッドに、ジャック・フィニイを推薦




ワシントンポスト 2019/06/14 英文
Business 署名記事
The trade war’s unlikely victim: Hollywood
By   Steven Zeitchik

 これは、芸能ではなくビジネスとして、ハリウッドが米中経済戦争で損害をうけるということを、信頼できる4人の人へのインタビューとして書いている。



  米中経済戦争のため、中国への映画輸出がキャンセルされて、ハリウッドが困っているそうだ。なんでも映画輸出売り上げの40%を中国で稼いだいたそうである。それが、現在契約中のもの3つをのぞくと、別に公式な拒否があったわけではないが、それ以後が個々の映画で破談になっていて、中国側から輸入禁止圧力が陰からかかっているようだという。VIP 上流階級風ふかせてヒラリー・クリントン一味と盛り上がっていたハリウッド・スターたちだから、自業自得 ざまーみろ、という感情しかない。

  しかしながら、やさしいやさしい筆者としては、米国映画界へ無料で提言してあげよう。
 トランプはじめ、草の根保守派が表にでてきて、「米国ファースト」を叫ぶ風潮におもねる方法だが、ジャック・フィニィの懐古的な小説群をもとにした映画なんかがいいんじゃなかろうか。「ゲイルズバークの春を愛す」(Ref)なんかは、その最たるもので、米国でなければ書けなかった小説だと思う。
  「ゲイルズバークの春を愛す」の日本語版の表紙絵(左) は、内田善美先生の絵で、これはフィニィの初版本表紙(右)よりできがよく、小説の空気をよく表していると思う。
 そういや、「ボディスナッッチャー」などという題名3度も(最新は1993)映画化されているフィニィの「盗まれた街」は、冷戦下での共産主義の浸透への恐怖、赤狩りの社会背景を背景にした小説だったと思う。現在でいうとチャイナのサイレント・インベンションへの恐怖と類似するから、こいう作品にも現代性があるのではなかろうか。しかし、むしろハインラインの「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」The Unpleasant Profession of Jonathan Hoag(1942)というのが1942年の作品ながら1950年代ごろの米国の空気をよく表しているように感じる傑作だろう。これはCGや舞台装置もあまり要らないから、低予算でも制作できると思う。制作予定という噂があって喜んでいたんだがつぶれたようで残念だ。
  往事の米国の雰囲気という意味では、エラリー・クイーンの作品もそういうスタンスでとりあげる価値があるだろう。

 ロイ・ヒル監督の「ガープの世界」で米国のリベラル側文化の爛熟を描ききったハリウッドはその後、スター・ウォーズ系統のもので興業的には成功して日本のマンガやエンタメにもそれなりの影響力も保っていた。「ライオンキング」で日本作品をパクりだしたころからおかしくなり、ついに「ウルトラQ」までぱくるところまで落ちぶれた。中国にのっとられるのも無理はない。あるいはのっとられたから落ちぶれたのだろうか。
 ディズニーの「バンビ」の画家は中国人Tyrus Wong(1910-2016dec) だったのだから、もともと中国系の人がハリウッドで仕事をしていたのだろうが、現在ほどではなかっただろう。
Ref.
 Jack Finney, I Love Galesburg in the Springtime
Simon and Schuster; First Edition edition (1963)
posted by 山科玲児 at 17:47| Comment(0) | 日記

フィラデルフィアにある

St Francesco Assi Phila.jpg



2019年06月08日 プラドでフラ・アンジェリコ展
で記述した

>
   また、木を切り抜いた書き割り人形に絵を描いたような珍しいとても大きな作品もフィレンチェのCampagna di San Niccolo del Ceppoから借りてきております。これはフレスコ画を剥がしたものかもしれませんね。てもとにはデータも総カタログもないのでよくわかりません。
>
この作品の画像がWikiimediaにありました。

この件ですが、どうもいろいろなイタリア語サイトを英語翻訳してみてみたら、
「基底材は木材」
のようです。ただ、現在の状態になったのがいつなのか、もともとこういう形だったのか、あのアルノ川の洪水被害と関係あるのか? はよくわかりません。

 それに、派生的なことですが、右下のアッシジの聖フランシスコ像の上半身は、なんと米国のフィラデルフィアにあり(イメージ)、
Philadelphia Museum of Art - Collections Object : Saint Francis of Assisi

今フィレンチェにあるもの、そしてプラドに出張展示されているものの該当部分はコピーなんですね。20世紀初頭ごろ流出したもののようです。この断片みると、もともと書き割りっぽい形していたのかな?とも思います。ルーベンスの聖ワルブルガ教会の天使
  2017年07月24日 山車の人形みたいなルーベンス
  http://reijiyamashina.sblo.jp/article/180433973.html

の例もありますしね。


posted by 山科玲児 at 06:24| Comment(3) | 日記