2019年07月06日

セレナータはセレナードに非ず

Scarlatti Alessandro  Duetti CD.jpg




 アレッサンドロ・スカルラッティのデュエットのCD(イメージ)の解説を読んでいたら、スカルラッティの  serenadesが作品としてあげてあるのですが、これって、いわゆるセレナードじゃないんだよな。

柴田南雄先生(REF)
>
ヴィヴァルディではセレナータ「ニンフと羊飼」がVox, PL-7990にエドウィン・レーラー指揮で入っていたのを忘れることができない。セレナータとは要するに市井の公衆劇場向きに低俗化してしまったオペラに対して、宮廷などのお祝儀用に、もっと芸術的で純粋な、オペラの初心を忘れないような筋立て(牧歌劇の系統が多い)と音楽を盛り込んだもので、「ニンフと羊飼」も当時の耳ききのための、なかなか密度の高い佳作である。
>

この「ニンフと羊飼」は
Serenata a tre, RV 690 
Mio cor, povero cor, serenata à tre for chorus & continuo, RV 690
というものと同じものらしい。

このレーラー指揮も片鱗が動画で公開されているようである。
Serenata a tre, RV 690 "La ninfa e il pastore": Aria. "Come l'erba che languisce" (Nice) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=OkD6Uc90Ll4

ただ、ウィキペディアの解説では、戸外で上演される世俗カンタータだという解説で、ちょっとニュアンスが違う。ただ。現在考えるセレナードとは、全く違うものである。

このように、同じ単語なんだが、時代によって意味が全然違うというようなことは、一番 混乱のもとになる。
例えば、書道史の例なら「隷書」という単語がそうだろう。王羲之の時代と北宋時代以後で、同じ単語なのに全く実態が違うのだから。


REF   柴田南雄、西洋音楽の歴史 (中)、音楽之友社、昭和44年  
posted by 山科玲児 at 06:08| Comment(0) | 日記

マキシミリアン皇帝の祈祷書 デューラー挿絵

durer drawing Maxmi ss.jpg

印刷本への手書き装飾 その3 マキシミリアン皇帝の祈祷書
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/186132229.html
でネットで全ページ鑑賞できることを紹介した
マキシミリアン皇帝の祈祷書 Prayer book emperor Maxmilian
ですが、
デューラー、のデューラーの分について、のドーヴァー版を買いました。


2019年06月14日 ドーヴァー版があった
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/186136472.html
で紹介した本です。

最近、ちょっと本買いすぎですね。
ミュンヘンにある分からの抜粋53葉 のようです。もともと赤いインクが褪色していてネット画像ではかなり観るのが難しいのですが、この本では、イラスト部分だけを線描でモノクロ影印するという大技で乗り切っています。
1907年 刊行の豪華本からのリプリントなんですが、図版は53葉は、全部「片面刷り」になっています。現在の紙なら、裏抜けはあまりないでしょうに、もとの本に倣ったんでしょうか?

このイラストの複製はそれ以前、1870年代にも、1850年にも行われているようで、結構、知られているはずなんですが、真贋問題があるのでしょうか??  あまり称揚する人はいないようです。
丸善では、豪華本複製もあつかっているようです。
https://myrp.maruzen.co.jp/book/BayernBesanconGebetbuch/
まあ、私はドーヴァー版でいいかなあ。
posted by 山科玲児 at 05:00| Comment(0) | 日記