2019年07月20日

布にテンペラで描く

 長崎は台風の風が強くなって傘が裏返ってしまい、近くに買い物にも行けない状態になってしまいました。そこで少し追加::

ロンドン・ナショナルギャラリーのウッチェルロのことに関連して、なぜ「油彩キャンバス」なのか、ということですが、テンペラ+布という組み合わせが、より古くからあるようだからです。

ロンドン・ナショナルギャラリーで実見して印象深かったのは、
Dirk Bouts | The Entombment | NG664 | National Gallery, London
亜麻布+テンペラです。
なんか褪せたようなさめたような感じがする絵でした。

やはり経年劣化しやすいのか、もともと消耗品あつかいだったのか、現在残っている絵は少ないのですが、16世紀はじめぐらいには多量にあったようです。スペイン王室のヒエロニムス・ボス作品目録(伝ボス作品、模倣品、コピーも多かったでしょうが)には、むしろこの形式のものが多い。そして面白いことに評価価格がかなり安いんですね。一桁ぐらいは違います。


ブリューゲルの新発見:プラド美術館の「聖マルティンのワイン」

もやはり、亜麻布+テンペラです。こちらも相当傷んでいます。森洋子先生の本のカラー写真図版は美化し過ぎです。



posted by 山科玲児 at 14:53| Comment(0) | 日記

ネットでダウンロードできる拓本目録


淑徳大学 書学文化センター蔵 中国石刻拓本目録(PDF) 最新版を淑徳大学のサイトでダウンロード(無料)できるようです。

2016年 書学文化センター拓本目録.pdf
https://www.shukutoku.ac.jp/shisetsu/takuhon/cat2228/m-26.html

写真図版イメージはこちら
https://www.shukutoku.ac.jp/shisetsu/takuhon/

このコレクションには、日本で1,2を争う旧精拓本の張遷碑拓本册も含まれております。
また、清末のあくの強い蒐集家:趙烈文のコレクション:天放楼の拓本がまとめて入っております。
  その一方、古いコレクションと違って20世紀以降に出土した書道史的に重要な石刻の拓本も丁寧に集めてあるのが特徴です。書道史研究に使うためという意識で収集されているからでしょう。西林昭一先生が関わっていましたから、偽物翻刻の類いはかなり排除されているはずです。

日本の他の著名な拓本コレクションでは、

台東区書道博物館の中村不折コレクション
三井文庫=三井美術館の三井高堅コレクション
大阪市立美術館の師古斎コレクション
藤井有リン館
寧楽美術館
書藝院春敬記念書道文庫
などがありますが、収集した時期が古く、時代の古い拓の名品を収集するという意識が強かったせいか、そういう部分はあまり収集しておりませんからね。
書学院コレクションなんかは、やや淑徳に近いかな。
 東京国立博物館は、この部門はかなり弱い。何点も抜群の名品をもっているのは確かですが、体系的網羅的とはいえません。そういう意味では、最近台東区書道博物館とのコラボ企画が多いのはお互いの短所を補うので良いことだと思います。

 五島美術館は宇野雪村コレクションの名品をうけついでますが有名品だけこっちにいった、という感じで、広範なコレクションは大東に残したようにみえます。

posted by 山科玲児 at 09:00| Comment(0) | 日記

本当にキャンバス画?【補正あり】

Paolo_Uccello NG London.jpg



来年のロンドン・ナショナルギャラリー展
https://artexhibition.jp/london2020/

ででる
パオロ・ウッチェロ
《聖ゲオルギウスと竜》1470年頃、油彩・カンヴァス

なんですが、ロンドン・ナショナルギャラリーにある最古の油彩キャンバス画なんだそうです。【「油彩」を加えました。テンペラならもっと古い例がありそうだから】
でも、現在キャンバスにのっているからといって、もともとキャンバスに描いたかどうかは考えなければいけません。
板に描いた絵から絵を剥がしとって、キャンバスに移すことがあるからです。

前、紹介したMartin Davies, The Earlier Italian schools.(Ref)
によると、「板からキャンバスに移したという理由はなにもない」と書いてありました。


REF.  
Martin Davies, The Earlier Italian schools.
National Gallery (Great Britain)
 623 p. ; 25 cm.
 Publications Dept. National Gallery, London,  1961.
posted by 山科玲児 at 07:39| Comment(2) | 日記