2019年08月04日

ヴィヴァルディ チェロソナタの真偽問題


  音楽における偽作とか作曲者の間違い/取り違えというようなことは、ときどきあり、しかも有名作に多いという傾向がある。ロッシーニ「猫のデュエット」、カッチーニの「アヴェ・マリア」(なんと20世紀ロシアの作品だった)などが有名である。

  長年、愛聴してきた、ヴィヴァルディのチェロソナタ作品14にもそういう疑惑があると仄聞し(たぶんネット情報から)、不安になって、
、今回、バロックチェロのエキスパート 懸田 貴嗣 先生 に、講演会で、質問してみた。どうも現在の演奏家専門家の間では問題にされていない説のようであり、安心した。ただ、一部の曲にはチェロらしくない調性のものがあり、他の楽器の曲からの流用か?という疑問がでた曲もあるそうだ。

  ネットで繰り返し漁ってみたところ、、
 この偽作説の大元は、27年前の論文::
Eleanor Selfridge-Field, Vivaldi’s Cello Sonatas, in VIVALDI VERO E FALSO(Leo S. Olschki Editore, Firenze, 1992)(ヴィヴァルディの真贋(p.127-47.)
 なんだそうで、
>いわゆる作品14の中の4曲、第2番、第3番、第4番、第5番、RVで言うとRV41、RV43、RV45、RV40は、
その信憑性に大きな疑問を呈せざるを得ないと言うのです。
というような説のようである。
これもまた、
尽く書を信ずれば則ち書無きに如かず
の一例だろうか。

posted by 山科玲児 at 14:12| Comment(0) | 日記

梁楷三幅対で書院飾り

梁楷 雪山図P1000531.JPG



九州国立博物館の特別展
室町将軍 - 戦乱と美の足利十五代
https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s55.html

ですが、
大きな書院飾り・床飾りがつくってあって、そのメインが梁楷三幅対「出山釈迦、雪景山水図2幅」でした(〜8月11日まで)。
いや、豪華ですね。
学芸員解説動画の21秒のとこ
https://youtu.be/ql9o9CanGa8

 東博でも三幅揃っているのを観ましたが、今回はもっと近くでしたね。こう観ると3つは、同筆だと確信してます。まあ、中国絵画としては、右にある、従来はあまり公開されなかったずっと個人蔵だった雪景山水図(イメージ)が一番優れているようにみえますね。現在は文化庁か東京国立博物館所蔵のはずです。

  九州国立博物館の常設展エリアには、これほど大きなものではないのですが、いつもこの種の、書院飾り・床飾り風展示が作ってあります。学芸員や島田館長のこのみじゃないか? と思っています。もとのモデル・文献・絵図、については、写本::

愛媛大学図書館の鈴鹿文庫にある
君台観左右帳記
http://www.lib.ehime-u.ac.jp/SUZUKA/459/019.html

イメージソース::瀬津雅陶堂、宋元時代の絵画、1982


posted by 山科玲児 at 10:13| Comment(0) | 日記

江天暮雪【訂正あり】

江天暮雪  金閣寺.jpg

瀟湘八景のうち、あまり公開されない「江天暮雪」を観ました。

これは小軸といわれるシリーズの1点で、根津の「漁村夕照」、畠山の「煙寺晩鐘」、京博の「遠浦帰帆」などとは別の巻物の一部です。ただ、有名なものに較べて著しく遜色がありますね。未だに重文指定すらされていないのはしょうがないのではないかと思います。本日まで8月18日まで九州国立博物館 特別展で展示されていますが、推薦とは言いがたいものです。

上のイメージでは、まるで彩色画のようにみえますが、それは写真の間違い、カラー補正のあやまりで、実際は水墨画です。
しかし、なんというかなあ、模写本じゃないか?と思われるような平板なところがあります。
根津美術館:南宋絵画展 図録に掲載されている江戸時代の狩野晴川の模写本とは一致していますから、江戸時代には既に現状のとおりだったと推定できます。

posted by 山科玲児 at 06:57| Comment(2) | 日記