2019年09月09日

いつ北京故宮に入ったのか?

米友仁  瀟湘奇観.jpg



今月の『東方』 2019年9月 463号
https://www.toho-shoten.co.jp/toho/tohonew.html

に、
中国蔵書家のはなし――続々・書誌学のすすめ(1) 王南と王安石集(上)  橋智(慶應義塾大学)

という記事にでている、香港の実業家・蒐集家::王南屏氏ですが、1944年、なんと21歳のときに、1万銀元?といわれた高価な「米友仁     瀟湘奇觀圖卷(イメージは末尾の1部)」を購入しています。この「米友仁     瀟湘奇觀圖卷」所有者として、上海の蒐集家たちと同格で交際・取引できるようになったんですね。いくらなんでも21歳の若者が数千万円?ぐらいの古書画買うってかなりおかしいだろ? これは父親 王有林も協力したファミリー・プロジェクトなんだ
ったんじゃないかな??

さて、この絵は、
2006年  上海博物館  書画経典 2006 ::北京故宮博物院との合同古書画展
で、観ましたが、

 >  宋    米友仁     瀟湘奇觀圖卷、この米友仁跋は剥落がひどいが真跡だと思う。画のほうは模写ではないか?画のほうが前なのに全く剥落がない。同じ画卷でなぜこのようなことがおこるのか。樹叢の描写も粗っぽい。画の紙高が5-10mmぐらい跋より低いのは上海の画巻と同様、下端に白い帯状の余白があったからだろう。ただ、この画はあまりできのよくない模写だと思う。
 こうしてみると、上海の雲山図巻は、痛んでるとはいえ、希な佳作だし、台北の雲山白雲図巻も再評価の価値は充分にありそうだ。今回、上海博物館がなぜ「雲山図巻」を展示しなかったのか疑問だ。



 まあ、このとき実見した感想は、これなんですが、写真では、かなりよく見えるのは事実なので、また観たらどうなるかはわかりません。まあ、同じ北京故宮博物院の、明白な模倣作の 雲山墨戯 図巻よりはマシですね。

そもそも、この絵、いつペキンに入ったのでしょう?? どうも古い記録はないようです。1949年12月、香港で張大千が跋書いているので、その後でしょう。どうも香港の王南屏家の事業が破産しかかったときに、北京政府に売ったのではないか?と思います。1960年前後、三希堂の三希のうちの2つを香港から買い戻したり、張大千から、古書画を買い戻したりやってますからね。



posted by 山科玲児 at 08:14| Comment(0) | 日記