2020年04月30日

雨戸  シャッター

master Liesborn NG.jpg

>外側にシャッターをつけるのは、どうもドイツよりの地方の習慣らしい。雨戸・防護扉・シャッターが外側についているのは、ウェストファーレンの絵画に多いものだそうである、
と昨日のメルボルンの聖母子の件で書いたが、

ロンドン  ナショナルギャラリーの1465年ごろのウエストファーレンの祭壇画で例があった
The Liesborn Altarpiece

ただ、同じウェストファーレンでも、フレマールの画家を直模したような内側シャッターの絵もあるようです。
Master of the Schoppingen Altar
ショッピンゲン受胎告知
posted by 山科玲児 at 08:18| Comment(0) | 日記

2020年04月29日

北京料理と山東料理

今月の

『東方』471号(2020年5月号)

に、
中国/中華料理研究の記念碑的著作 
という、、
 岩間一弘 編著『中国料理と近現代日本 食と嗜好の文化交流史』 A5判 392頁 慶應義塾大学出版会
に対する書評があった。

ちょっと驚いたのは、京都の真ん中の中華料理店 東華菜館について、
http://www.tohkasaikan.com/

>本格的北京料理を掲げつつ、店側のアイデンティティは実は山東料理であり、

という文章がある。ここで、当然ながら、ハアア、とならざるを得ない。この書評者は北京料理がもともと山東料理をもとにして形成されたこと、山東省の厨師がメインだったことを全く知らないのだろうか??

典拠:: 魏元曠 都門懐旧記  
>昔の酒店は皆  山東人だった
トウ雲郷:魯迅与北京風土 にひく

勿論、北京は首都だったのだから、その後、広東省から譚家菜が来たり、四川料理が大きく影響したり、ムスリムが多かったため清真料理(とくに羊料理)の影響が大きかったりしたものだが、最初は山東料理のはずである。


posted by 山科玲児 at 11:22| Comment(0) | 日記

メルボルンの聖母子 増補  再掲

ins hall melborne madonna.jpg



コロナで、お籠もりの間に論文を再読したので、増補して、また出します。


2020年03月31日にインスホールの聖母子(イメージ)
というコメントを書いたが、もと、ヤン・ファンアイク作とされてきたこの小さな聖母子像
https://www.ngv.vic.gov.au/explore/collection/work/3945/
について、

メルボルンでの詳細な研究を読んでみた。。
The National Gallery of Victoria’s Virgin and Child, by a follower of Jan van Eyck: a continuing reassessment | NGV
https://www.ngv.vic.gov.au/essay/the-national-gallery-of-victorias-virgin-and-child-by-a-follower-of-jan-van-eyck-a-continuing-reassessment-2/

 1999年に行われた樹林年代法  はどうもうまくいかなかったようだ。オーク材には違いないのだが、該当する年輪パターンをみいだせなかったという。ひょっとしたら、バルト海沿岸から輸出されたオークではないのかもしれない。

 特に、面白いと思ったのは、聖母子の背後の錦の織物・壁掛けが ファンアイクのものと似ず、メムリンクが使っているものとそっくりだ、という指摘である。確かにこれはそうだ。色は多少違うが、メムリンクの真作間違いない、ブリュージュのヨハネ・マリア祭壇画(1479)の聖母子背後の壁掛けと柄が似ている。この壁掛けはロンドン:ナショナルギャラリーのダン祭壇画(1480?) 、ルーブルの「聖ヤコブと聖ドメニコのいる聖母子」、ロンドンNGの聖母子、、ワシントンNGなど実に多数のメムリンク画に使用されている。
 また、色は赤で違うのだが、(伝)ヒューホー  ファンデアグースの「三王礼拝」(ペテルスブルク エルミタージュ)にも同じ柄の錦が使われていることを、この論文は記している。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:The_Adoration_of_the_Magi_triptych_by_Hugo_van_der_Goes,_Hermitage.JPG
しかし、この作品はグースの真作とは到底考えられないので、グースの作品から派生した模倣作品のようだ、そうなるとこの「三王礼拝」自身が、ブリュージュのメムリンク・アトリエやその周辺で制作されても不思議ではない。

  そうなると、メムリンクのアトリエにいたことがある、メムリンクとは別人の画家、またはブリュッヘで修行してネタを集めていた画家の作品であり、当方が昔考えていたペトルス・クリストスの絵ではないようだ。ペトルスより一世代後の画家ということになる。ヤン・ファンアイクの孫弟子ぐらいの世代ではなかろうか。

  もう一つ面白いのは左側の窓の雨戸というか防護用のシャッターがガラス窓の外側壁の外側につけてある、という指摘である。ベルギーの場合、ほとんど内側につけてある。例えば、メムリンク作マルチン・ニーウェンホーヘ像(ブリュージュ)の背景の窓:ファンアイクのアルノルフィーニ夫妻像(ロンドン)の左側の窓、、外側にシャッターをつけるのは、どうもドイツよりの地方の習慣らしい。雨戸・防護扉・シャッターが外側についているのは、ウェストファーレンの絵画に多いものだそうである(当方は未検証)。フェルメールの窓は外側に雨戸のようにみえる。そうなると、この画家はメムリンクと同様ドイツから来た画家なのかもしれない。
  また、赤外線レフレクトグラフィー でみえた天蓋の下書きが、天蓋からロールアップ  カーテンがぶらさがっていた。
https://content.ngv.vic.gov.au/col-images/api/EPUB002259/1280
しかし、このようなカーテンが聖母子の背景に使われたことはない。このカーテンはアルノルフィニ夫妻像のような寝台の周りに使われたものである。どうも、あまり初期フランドル絵画をよく知らない画家が描きかけてやりなおしたという感じがする。

  この論文の結論としては、北ドイツの画家が、ファンアイクなどの先人の材料を豊富に吸収して描いた作品ということである。しかし。メムリンク自体がドイツ出身の画家なのだから、ドイツからブルッヘへ修行に来た画家は多かっただろう。なんとアルブレヒト・デューラーも晩年のメムリンクのところに来たらしい形跡がある。このインス・ホールの聖母は、そういう画家の一人の作品ではないか? とも当方は想像している。

posted by 山科玲児 at 09:02| Comment(0) | 日記

2020年04月28日

インドでも中国製検査キット不良

 

日経新聞

インド、コロナ抗体検査延期 中国製キットの精度懸念


 >インドで新型コロナに感染している患者に抗体検査のキットを使用したところ、感染していないとの結果が出たため本格的な使用を控えるという。
***
ニューズウィーク日本版
インド、新型コロナウイルス抗体検査の一時中止を指示 中国製検査キットの正確性に懸念
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/04/post-93220.php

 企業の中国進出を煽った日経よりはニューズウィークのほうがまだ正確のようで、抗体検査のようです

>抗体検査の結果に矛盾が生じているため、保健当局に検査の一時中止を求めたと明らかにした。
***
産経新聞
インドが中国製の新型コロナ検査キット返品へ 抗体検査で精度にばらつき
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200428/mcb2004280736006-n1.htm

***

インドでも、中国製 検査キットのおかしさが明らかにされてきております。

英国でもスペインでもチェコでも返品、フィリッピンでも「40%も精度なし」でゴミ箱行き

こんな検査キットを輸入して日本で商売にしようとしていた連中が、経団連メンバーの錚々たる大企業なんだから、呆れる他はありません。

読売新聞
 15分で判定・精度95%、新型コロナ検査キット販売へ…中国から輸入
2020/03/12
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200312-OYT1T50221/


posted by 山科玲児 at 07:41| Comment(0) | 日記

メルボルンの聖母子


2020年03月31日に
インスホールの聖母子
というコメントを書いたが、もと、ヤン・ファンアイク作とされてきたこの小さな聖母子像
について、

メルボルンでの詳細な研究をざっと読んでみた。。
The National Gallery of Victoria’s Virgin and Child, by a follower of Jan van Eyck: a continuing reassessment | NGV
https://www.ngv.vic.gov.au/essay/the-national-gallery-of-victorias-virgin-and-child-by-a-follower-of-jan-van-eyck-a-continuing-reassessment-2/

特に、面白いと思ったのは、聖母子の背後の錦の織物・壁掛けが ファンアイクのものと似ず、メムリンクが使っているものとそっくりだ、という指摘である。確かにこれはそうだ。

メムリンクの真作間違いない、ブリュージュのヨハネ・マリア祭壇画(1479)の聖母子背後の壁掛けと酷似しており、この壁掛けはロンドン:ナショナルギャラリーのダン祭壇画(1480?) ルーブルの「聖ヤコブと聖ドメニコのいる聖母子」にも流用されている。

  そうなると、メムリンクのアトリエにいたことがある、メムリンクとは別人の画家の作品であり、当方が昔考えていたペトルス・クリストスとは違い、ペトルスより一世代後の画家ということになる。ヤン・ファンアイクの孫弟子ぐらいの世代ではなかろうか。

  もう一つ面白いのは左側の窓の雨戸というか防護用のシャッターがガラス窓の外側壁の外側につけてある、という指摘である。ベルギーの場合、ほとんど内側につけてある。例えば、メムリンク作マルチン・ニーウェンホーヘ像(ブリュージュ)の背景の窓:ファンアイクのアルノルフィーニ夫妻像(ロンドン)の左側の窓、、外側にシャッターをつけるのは、どうもドイツよりの地方の習慣らしい。フェルメールの窓は外側に雨戸のようにみえる。そうなると、この画家はメムリンクと同様ドイツから来た画家なのかもしれない。

  いずれにせよ、偽物ではない。1480年前後の作品だろう。

posted by 山科玲児 at 06:27| Comment(0) | 日記

2020年04月27日

新型コロナウイルス感染拡大防止教育資料 再掲



陸上自衛隊制作の、もとはPowerpoint今はPDF資料です。

マンガや写真を使用したわかりやすい資料です。
特に7−25Pのゆるーい絵で解説した記事は必見です。
厚生労働省のHPは「馬鹿にしてんのか!」といいたくなるようなわかりにくいものですから。このような優れた解説をもっと普及させるべきだと思いました。高齢者には印刷してあげることにしました。

あの、ダイヤモンド・プリンセス号対応で、一人の感染者も出さなかった自衛隊病院からの資料でしょうから、そうとう信頼性が高いものです。

陸上自衛隊  謹製
新型コロナウイルス感染拡大防止教育資料
https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/images/korona-kyouiku.pdf
posted by 山科玲児 at 07:34| Comment(0) | 日記

陳介き の古銅器拓本技法

ho斎両京文字.JPG

陳介き の古銅器拓本技法 1
https://reijibook.exblog.jp/28956772/
陳介き の古銅器拓本技法 2
https://reijibook.exblog.jp/28957116/
陳介き の古銅器拓本技法 3(完)
https://reijibook.exblog.jp/28957129/
をアップしました.これで全部です。
タグ:拓本 青銅器
posted by 山科玲児 at 05:15| Comment(0) | 日記

2020年04月26日

パイプオルガン連弾

Famous Organ Music 10CD.JPG


かかし朝浩 のマンガ ムジカに描かれた、パイプオルガン連弾だが、実はマンガの話とばかり思っていたら、実際にあるようである。
2015April 19 カトリック六甲教会 <祈りと音楽の集い> 喜びと希望 ~パイプオルガン連弾コンサート~ - YouTube

ここで演奏されているのは、上記のCDセットのなかの1枚に
「四本の手と四本の足のためのオルガン音楽(Organ music for four hands and four feet)」という1枚があって、それにも入っている
ベートーヴェンの自動オルガンのためのアダージョ
Adagio in F major for mechanical clock, WoO 33, No. 1 / Ludwig van Beethoven
である。これはフルートと伴奏で演奏しても美しい曲で、最近ベートーヴェンというと、この曲しか聴いていない。




posted by 山科玲児 at 12:35| Comment(0) | 日記

伝古別録

ho斎両京文字.JPG

 

陳介き の古銅器拓本技法 1


をアップしました。順次 最後まで掲載する予定

イメージは、陳介祺(ちん かいき)(1813年-1884年)の蔵書印を押した拓本です。

posted by 山科玲児 at 09:26| Comment(0) | 日記

九州国立博物館の若冲




今、休館している九州国立博物館が発信しているTwitterで
伊藤若冲の屏風が紹介されてました。なかなか多様な画題で面白いと思います。


花鳥図押絵貼屏風 伊藤若冲筆
https://twitter.com/kyuhaku_koho/status/1253486107825541120/photo/1
posted by 山科玲児 at 08:12| Comment(0) | 日記