2020年05月31日

剽窃か復古か?



  有線放送を聞いていたとき、偶然

Gian Francesco Malipiero: Gabrieliana (1971) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YA3KWBVw084
を聴きました。

なんかさあ、ジョヴァンニ・ガブリエリそのものだろ。これで1971年の創作っていえるんかな。剽窃じゃね。まあ、一応ガブリエリアーナという標題だから、原典は明示していて編曲的なもの、ということなんだろうけれど。。
Giovanni Gabrieli: Canzon primi toni - University of Szeged Trombone Choir
https://www.youtube.com/watch?v=S5oPMyX6uQY


そういう意味で
ストラヴィンスキー  プルチネッラ
https://www.youtube.com/watch?v=nFNl6D75Jxo

序曲もガロDomenico Gallo(1730年〜1768年)作品の編曲だしね。。

どうも、20世紀の新古典主義というのは、そういう穽井にはまってしまうところがあるのかなあ。

その逆に古典の模作というか偽作に走ってしまったのが、
ヴァヴィロフ、ヴラディーミル・フョードロヴィチ(Vavilov, Vladimir Fiodorovich 1925-1973)ロシアのギタリスト・リュート奏者・作曲家。ソ連における古楽復興の立役者である。

この人がオリジナルでバロック風に作曲した「カッチーニのアヴェ・マリア」は今でも盛んに歌われている名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=4eVr0ieTx6w
こういうのも皮肉ですねえ。
posted by 山科玲児 at 09:29| Comment(0) | 日記

山口文憲氏の予言

香港世界P1070604.JPG




> もともと、あるべくしてそこにあった都会ではない。だからいつの日か、香港が死に絶えることはあるだろうと思う。
 潮が引くように数百万の人間がいなくなった(と*)き、いまわれわれが香港と呼んでいるあたりは、ふたたび華南の長い自然の海岸線のなかに溶け込んで、容易に見きわめもつかなくなる。

*山科 補充 校正


香港世界 (ちくま文庫) (日本語) 文庫 – 1986/12/1 (amazon URL)

に収録された、「南Y島」という文章の冒頭です。20世紀日本の散文の名文として、当方は、5年前に選んだこともあります。
2015年08月09日 私的20世紀日本文学選集
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/160788925.html


トランプ大統領のスピーチ、ホワイトハウス HPの公式の文字おこし・原稿です。
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-president-trump-actions-china/

で、「香港の貿易などにおける優遇措置を剥奪する」ということなので、この予言、現実味を帯びてきました。

posted by 山科玲児 at 06:17| Comment(0) | 日記

2020年05月30日

小説と歴史

男子の本懐 文庫.jpg





浜口雄幸総理大臣と井上準之介大蔵大臣の金解禁という愚行は、とっくに近代日本史の汚点として処理されているのか、と思っていたら、

  未だに評価している人もいるらしい。それも歴史小説「男の本懐」(1980年)に影響されてだというから、話にならない。
 伝聞だけで、小説を言挙げするのは公正ではないから、借りてきて読んでみた
「男の本懐」城山 三郎
https://www.shinchosha.co.jp/book/113315/
  城山 三郎(1927年- 2007年)は、一応、経済学を学んだ人のようだが、ひどい嘘というか事実誤認がある。
おそらく、デフレというのが全くわかっていない人だったのだろう。13歳のとき1940年で、この本書いたのが1980年なのだから、インフレの時代しか経験していない人間だから、無理もない。

  おそろしいことに、財務省キャリアの教育で必読書とされていたことがあったらしい。まあ、官僚賛美、緊縮財政賛美だからなんだろうなあ。 更におそろしいことにNHKドラマにもなったそうである。こういう無知で嘘の多い本を必読書にしちゃだめだろ。

  小説は小説、史実は史実、なんだが、小説の影響というのは馬鹿にならないものだと思う。小説というか講談の三国志演義が三国志の人物たちのイメージをつくってしまったという例、忠臣蔵の発端も、頭のおかしい浅野内匠頭が 、どっちかというと名君だった吉良上野介にきりかった殺人未遂事件なのに、人物評は逆になっている。

posted by 山科玲児 at 06:19| Comment(0) | 日記

2020年05月29日

サラチェーニの下宿人 イン ダブリン

Saraceni Peter.jpg

コロナ禍のための IN HOME  美術鑑賞  にのっかったわけでもないだろうが、


ダブリンのアイルランド国立美術館のサイトが改良されていて、

サラチェーニの下宿人「聖ペテロの否定」(イメージ)が拡大して鑑賞できるようになってました。

これについては、去年詳しく書いてます。
2019年03月02日  サラチェーニの下宿人
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/185645068.html 
2019年03月05日  サラチェーニの下宿人とジョルジュ・ド・ラトゥール
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/185659097.html
  



posted by 山科玲児 at 08:46| Comment(0) | 日記

スタンレー・ホー逝去



 マカオのカジノ王の大富豪;スタンレー・ホー氏が亡くなった。98歳。

 中国共産党が香港を暴力制圧する法律を決めた直後、コロナ禍でカジノが閉鎖の時期に亡くなったというのも、なんとも象徴的ではある。

しばしば噂に上る大富豪であるが、

Pioneers of Modern China: Understanding the Inscrutable Chinese
著者: Khoon Choy Lee

 によると、興味深いファミリーの出身で波瀾万丈の生涯である。
****
アヘン戦争の立役者、ジャーデン・マチソン商会の中国での大物コンプラドール:Sir Robert Ho Tung(ロバート・ホートン郷)が大叔父だった。スタンレー・ホーの父は、インド生まれのユダヤ系イラク人のサッスーン・ファミリーの一人であった。サッスーン・ファミリーは1870年代には中国でのアヘン取引の4分の3を支配していた。スタンレー・ホーは大富豪の子供として成長した。
  1930年代、スタンレー・ホー(まだ若いが中国人の結婚年齢は早いことが多いから、1930年代末なら問題なさそう)は破産状態になって、妻と子供を香港においたままサイゴン(現在:ホーチミン)に逃げ、母のところに隠れた。日本軍占領時代にはマカオに移り、父を通じたコネをもとに、日本との貿易で1945年までに百万長者になった。スタンレー・ホーは日本語を学び商売に役立てた。
  第二次世界大戦後、マカオでの黄金取引で、更に財をなした。
   1962年、マカオでのギャンブルの独占ライセンスを得て、カジノ事業にのりだす。
****

  いやー、すごいね、あのHSBC  ジャーデン・マチソン   サッスーン  ファミリーの一人だったんですね。。
  それに、日本軍に協力して財をなした人じゃん。協力者じゃなけりゃ1945年までに日本との貿易で百万長者になれるわけないでしょ。中国的センスなら「漢奸」として裁かれる人間だよね。マカオにいてよかったねえ。
posted by 山科玲児 at 07:35| Comment(0) | 日記

2020年05月28日

フランス絵画の精華

天王寺の大阪市立美術館の
フランス絵画の精華 展

2020年5月26日(火)〜2020年8月16日(日)

なんとか開催されているようです。
ルネ。ユイグの監修というかなり玄人っぽい良いセレクションです。
ワトーとルブランは太宰府で観たかったなあ。

posted by 山科玲児 at 20:09| Comment(0) | 日記

2020年05月27日

スペインの動漫



名画を動かすアニメというのは、台北の國立故宮博物院でも、ずいぶん前からやっていましたが、スペインでもやってるようです。

マラガのカルメン・ティッセン
https://www.carmenthyssenmalaga.org/en/

の美術館サイトに、ありました。
Museo Carmen Tyssen (2分9秒)  YOUTUBE動画
https://youtu.be/o-ZNfwiwrbs

 これは、よくできてますねえ。

カルメン・ティッセン男爵夫人といえば、もとミス・スペインで、2012年ごろ、コンスタブルの売却でハプスブルクのお嬢様と喧嘩した話題豊富な方ですね。
https://blog.goo.ne.jp/jiten4u/e/e673862f57c22328b6b401c34d9975a3

このカルメン・ティッセン美術館のことは、
スペインの扉さんのTwitterで知りました
https://twitter.com/Spainnotobira/status/1265372516245217288
posted by 山科玲児 at 08:18| Comment(0) | 日記

PCR検査と小林慶一郎



  呆れました。昨日、書いたように、7年も前に、ラインハート博士・ロゴフ博士たち本人が謝罪会見を開いて誤りを認めた「ラインハート・ロゴフ論文」を平気で根拠にして書ける人間:小林慶一郎を政府の、コロナウイルス対応の諮問委員会に入れたそうです。

  ・無知・無能な人間なら、もともと政府の諮問委員会に任用すべきではない。
  ・逆に、嘘つきの詐欺師なら、なおさら政府の諮問委員会に任用すべきではない。

こんな自明なことが、経産省の後輩小林をひきたてたい西村大臣にはわからないのでしょうか?即刻大臣を辞任していただきたい。

 では、その小林慶一郎のコロナ対策提言をみてみましょうか。これがまた眼がくらむような戯言です。5月1日日付なので、比較的最近のご見解でしょう。

2020.05.01
医療のためだけではなく、社会の不安を取り除くための「検査と追跡と隔離」
https://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20200501_6389.html
> ひとことで言えば、「一日500万件の大量のPCR検査を行い、濃厚接触者を追跡し、陽性者を(生活支援をしながら)確実に隔離すること(Testing, Tracing, and Supported Isolation, TTSI)」によって、職場や学校の感染リスクを抑えて、経済や社会の正常な活動を再開する、という戦略である。

 仮に、無作為に、1日500万人検査したとしましょう。5月23日現在、治癒した人も含めた国内感染者16536人・退院13244。退院した人は二回陰性になっている人なので、PCR検査しても大半が陰性でしょう。そうすると3292人ですね。ただ、未検査無症状の感染者が多数国内にいるという主張もあります。一万歩ゆずって、感染者が10万人国内にいると仮定しましょう。

すると日本人口の0.08%が感染者ですね。感度70%特異度90%の比較的良質のPCR検査キットで500万人検査したら、

49万6000人の偽陽性(感染していないが陽性になる人:偽患者)を生み出します。
これだけで国内の収容隔離施設はなくなってしまうどころか圧倒的に不足。。。

小林は三回繰り返し検査すればいいと言ってますが、一回目に陽性になった人の混乱はいかばかりか。また、仮に97%の特異度のある検査が迅速にできたと仮定しても、3万人15万人以上の偽患者隔離必要者ができてしまう。この偽陽性(偽患者)3万人15万人というのは、現在の確認された感染者数の約10倍。現在治療・隔離されている人数の約50倍です。

そして、1200人の偽陰性「感染者であるが陰性になった人」、2800人の本物感染者もわかるでしょう。

こんな、わかりきったことがわからない小林慶一郎って、四則演算、かけ算割り算もできない人間なんでしょうか。小学校で再教育するべき人だと思います。おそらく数学は赤点だったのではないかと推察いたします。

実際は、小林慶一郎の背後には、検査に何十兆円という国費を投入させその上前をはねたい政商や、何十万人という膨大な偽陽性人間の対処で日本政府日本社会を混乱させたい外国の策謀があるんでしょうけどね。。


posted by 山科玲児 at 06:16| Comment(0) | 日記

2020年05月26日

小林慶一郎

7年も前に、ラインハート・ロゴフ博士たち本人が謝罪会見を開いて誤りを認めた「ラインハート・ロゴフ論文」を平気で根拠にして書ける人間。無知なのか、嘘つきの詐欺師なのか、それとも読者を完全になめきっているのか。

こういう人間が政府の委員会に入って害毒をまき散らしているのは情けない。 




ラインハート・ロゴフ論文」事件については、7年前に書いておいた。

  1. 2013年04月20日  財政破綻論の破綻
  2. 2013年04月23日 財政破綻論の破綻 続報
  3. 2013年04月25日 インチキ論文を引用した経団連・官僚・学者




posted by 山科玲児 at 11:31| Comment(0) | 日記