2020年06月25日

シアトルの文徴明

金焦落照 詩 det2 ss.jpg

金焦落照 詩 det ss.jpg

 最新号の香港の古美術雑誌 Orientations


https://www.orientations.com.hk/backissue/volume-51-number-3/

シアトル アジア 美術館 の収蔵品を紹介していた。

そのなかで気にかかったのが、文徴明の金焦落照詩書巻である。
Poem for the painting "Sunset over the Jin and Jiao Mountains"‘ – Works – Wen Zhengming – Artists – eMuseum


文徴明の金焦落照書画合璧巻は上海博物館にある。上海博物館本の後半にある書(イメージは部分)のさらに後半部分と同じ文徴明が書いてある。書体もまあ同じ行書草書であるが、行立ては違い、字は大きいようである。末尾の自跋の文章は違うようだ。

さて、これは本物なんだろうか?? 上海博物館のものとは書風も行立てもちがうので模写とはいえないだろう。 
文徴明の作品には生きていたころから贋作や代筆が多かった。後世になればなおさらで模写贋作の嵐である。台北で文徴明展に行ったのも、もっともまともな文徴明作品を基準作品として、眼にやきつけておきたいという目的であった。一部、どうかと思うものもあったが、ある程度の成果はあったと思う。どうも自らが描いたという文意の題賛ではなく、単に賛をして署名いれただけの絵の場合には、代筆や、他人の絵に賛をしましたよ 的なものが多いように感じた。

書にも優美なものだけでなく、謹厳なものから、力強いものもありずいぶん幅が広いと思ったものである。

 さて、このシアトルの書巻、上海のもの(イメージ)に比べて、やや奔放で暴れすぎているように感じる。王鐸なら、なるほどと思うような書風であるが文徴明の作品としては、いささか?がつく。確かに引首の題にあるように「米フツ」風の書風であるから、メトロポリタンの 呉江舟中詩巻 を模倣したか? という感じもする。実物をみないで乱暴だが、やや?? をおいておきたい。
2009年ごろにシアトル美術館に入ったもののようである。
posted by 山科玲児 at 06:39| Comment(0) | 日記