2020年08月13日

カラーとモノクロ

今回、中文大学サイトで拓本のカラー図版を多量にみて感じたこと、、
http://www.artmuseum.cuhk.edu.hk/zh/collections/search/
カラー影印はだいたいにおいて白黒モノクロ影印より優れていて、細部がよくわかることが多いのだが、必ずしもそうでないこともある。

  例えば、優れたカラー影印複製を多く出版している二玄社のものでも、どうも蘇軾の寒食帖は、感心しなかった。紙色が黄色すぎるのだ。これは、他のカラー図版も皆そうだからしょうがないといえばそうなのだが、豪華で高価な複製巻物では、こういうものを買う気にはなれず、昔の博文堂のモノクロ影印巻物で現物をしのんでいる。また、原色法帖選では蘭亭序八柱第三に限っては写真がよくなかったのか、どうもピンとこない。これは、当時八柱第三が修理中・または修理直後であったので、よい写真が北京から提供されなかったことと関係があるのだろう。
 拓本のカラー図版というのは、昔はほとんどなかった。もともと黒白なのだから、カラーにする意味ないだろ、と軽視されていたのかもしれない。しかしながら、最近、カラー影印みてみると、いろいろなことがわかる、あとで墨を補ったり塗りつぶしたところがよくわかるし、墨が重いのか薄くさっと拓して制作しているのか、また虫食いと石の傷の区別などもカラーのほうがわかりやすい。
北京故宮の張遷碑明拓本というものはあまりに墨が濃くてどうも感心しないということは、カラー写真をみて実感できた。粗雑なモノクロだけみていたときは、最高最古の旧拓本だと思いこんでいたものである。精緻なコロタイプをみてなんかおかしいと思い、カラー写真でがっかりした。

タグ:拓本
posted by 山科玲児 at 08:37| Comment(0) | 日記

北山汲古  碑帖

北山汲古ss.jpg


  さて、この本買ったのはサマーセールで、安く、香港で買う価格と変わらなかったこと。香港から送ること運ぶこと考えたら、コスト的には好機であると感じた。

その2。遊相蘭亭の十種全部の図版と解説があるはずだということ。現在、すすめている蘭亭研究では、多少質の悪い蘭亭拓本であっても一応、みておかなければ、、

その3、香港の混乱と中国共産党の弾圧により、仮に優れた展覧が開催されていたとしても、香港にいくのは、かなりハードルが高くなっている。また、中国共産党の流入により、ずっと香港では押さえ込まれていたコロナが再爆発している。コロナにおいても香港の中国化がおこるだろう。しばらくはとてもいけない。また、米中対立のこの情勢では、近々、中文大学からの日本への貸し出し展覧は望み薄である。

その4、十七帖や宋拓王右軍書のカラー図版がまとめてみることができる、ただしこれはネット詳細画像でかなり補完できた、それで注文しないほうがよかったかも、と一瞬後悔したが、遊相蘭亭でもそれほどは有名でない拓本の場合、ネットには一枚しか(一部分  巻頭)の画像しかないこともあってかなり困るので、結果的にはよかった。

その5、結果論ながら、北山堂旧蔵の、やや凡庸というか、超名品とはいえないものも知ることができたのは、やはりコレクションというのは、そういうものなんだな。あの粒揃いの高島コレクションですら問題のあるものがあるのだからね、と実感した。
posted by 山科玲児 at 07:41| Comment(0) | 日記