2020年12月16日

弦楽トリオのゴールドベルク変奏曲  5


偶然、ボローニャでのゴールドベルク演奏を、また聴いたので、ゴールドベルク変奏曲の弦楽トリオ編曲について、まとめてみたい。
 当方としては、小樽での演奏の動画を聴いて、これはすごいと思ってのめりこんだものだ。
  これはもともと、ロシアのドミトリー=シトコヴェツキーが編曲して、演奏したのが始まりだった。現在でもこの編曲が一番多く演奏されているようである。これは驚くべき発見・業績だと思う。 はっきりいってピアノやチェンバロによる演奏よりずっと対位法の筋道輪郭がくっきりとして、各曲の性格もより露わになった。
  おそらく、これはグレン・グールドの晩年のゴールドベルク演奏に刺激を受けた試みだったのではないか?と推定している。グールドはソビエト・ロシアでも演奏会やっているし、ロシアでの知名度もあった。

 当方も、これを聴いて ゴールドベルク変奏曲には原曲というかもとになったトリオソナタなどの曲集があって、それをクラービア曲に編曲し、数曲を付け加えたものが現在のゴールドベルク変奏曲なんだろうと推理したものだ。
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/177624497.html
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/178497865.html
実際、バッハはオルガンによるトリオソナタやヴィヴァルディのコンチェルトを鍵盤楽器曲に編曲したりしているのだから。
  シトコヴェツキーも編曲している最中、興奮して楽しくてしかたがなかっただろうね。
  このシトコヴェツキーによる編曲の他に、イタリアのブルーノ・ジュランナBruno Giurannaによる編曲がある。シトコヴェツキーの編曲が鋭い感じを受けるのに対し、ブルーノ・ジュランナのものはより柔らかく和声的である。
  更に、純粋に弦楽トリオではなくフルートもいれた編曲で、パルナッシ・ムジチPARNASSI MUSICIのものがある。これもなかなかいい。
J.S.BACH:GOLDBERG VARIATIONS BWV.988 (FOR BAROQUE ENSEMBLE):PARNASSI MUSICI

 さてシトコヴェツキーの編曲での演奏は、シトコヴェツキー自身が参加した演奏があるが、録音が悪いのかあまり感心しない。
 小樽での演奏をまず勧めたい。ただ、これは繰り返しを省いているので、やや短いものになっている。

弦楽トリオでのゴールドベルク
 J.S.Bach Goldberg Variations (arranged for string t
  http://www.youtube.com/watch?v=LdIXzJyENTs
小樽ヴィオラマスタークラス  小樽市民センターマリンホール 2013年1月8日
ヴァイオリンの島田真千子 ヴィオラ 大島 亮(Ryo Oshima 、 チェロ奥泉 貴圭(OKUIZUMI TAKAYOSHI) 
   顔写真・経歴::http://vmc-otaru.info/vmc2012/page_01.html
10万回以上再生の上に、コメントが殆ど外国語なのが凄い。。

CDになっているものでは、
シューマンとのカップリングで、
バッハ:ゴルトベルク変奏曲(弦楽三重奏版)、シューマン:ピアノ四重奏曲
 日下紗矢子、赤坂智子、石坂団十郎、北村朋幹
日本コロンビア
これは、繰り返しも全部やっている。

外国では、意外と名演動画が少ない

フランクフルト
https://www.youtube.com/watch?v=H3ygA12-ABo

イタリアのブルーノ・ジュランナBruno Giurannaの編曲は、
ボローニャでの演奏が全曲公開されている。前は抜粋しかなかった。
https://www.youtube.com/watch?v=JCjLef-mfCI

  弦楽四重奏や大小のオーケストラ演奏用に編曲した試作品は古くからあるらしいが、どうもピンとこないものが多い。弦楽トリオほどぴたっとはまっている感じがしないのだ。
  ただ、パルナッシ・ムジチのものは、なかなか面白いものだと思う。これは、同時に演奏するのは三重奏以下に限定するという方法のようで、多数の演奏者がいても実質トリオである
https://www.youtube.com/watch?v=ezCXoRWbraU

  ゴールドベルク変奏曲は、やはりクラヴィコードやチェンバロ、ピアノ、または弦楽トリオまたはそれに準じるトリオ編成で演奏するのが最善だと思う。
posted by 山科玲児 at 07:56| Comment(0) | 日記