2021年02月11日

貴族と武士

枕草子絵巻.JPG

  日本で、貴族と武士が別々の階級ということが、そもそもヨーロッパ人には理解できないでしょうね。かれらにとって貴族は「戦う人」であり、甲冑に身を固めた肖像画を遺すことも多い。ひどいときにはローマ教皇まで甲冑をまとったりします(ユリウス2世)。勿論「法服貴族」というのも17世紀からあるんですが、それは主流とはいえない。日本でも少なくとも南北朝ぐらいまでは、そういう傾向があったのではないでしょうか? 護良親王、北畠顕家などを考えると、現在考える貴族・皇族のイメージとはかけ離れております。
 鎌倉時代制作の枕草子絵巻(上イメージ) をみると帝のそばの貴族たちは、すべて弓で武装しています。鎧はつけていず軽装だが、武装には違いありません。

  江戸時代の貴族皇族押さえ込みのために、貴族イメージが変わったのではないかとも感じております。ただ、貴族の性格、武装の程度、私兵をどれだけもっていたか、治安の善し悪しは、欧州とはそうとう違うとは思います。

2018年11月22日 平安時代の基幹産業 でも書いたように、平安時代そのものが、良くも悪くも、かなり誤解されているんじゃないか、と感じております。 

下に、スペイン貴族  第17代セラルボ侯爵の  武器室の写真をあげておきます(当方  撮影)


P1070230 武器室.JPG
posted by 山科玲児 at 07:25| Comment(0) | 日記