2021年02月15日

諸星大二郎氏 壁に描く


 マンガ家の諸星大二郎さんが、北海道で、自分の記念展覧会の
  玄関パネル壁に直に作画してる動画が公開されてます。
  いやあ、絵師なんだねえ。プロだなあ。


posted by 山科玲児 at 07:57| Comment(0) | 日記

角川の沈周は流出

沈周送呉寛 (1).JPG


2014年01月23日 角川ホールディング?の沈周
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/85787254.html

で紹介した角川ホールディングズ所有の
沈周 送呉文定行図並題巻 

は2017年秋、 嘉徳のオークションで売られてしまったようだ。

中文:中国嘉徳2017秋拍 :沈周 
https://art.163.com/17/1214/17/D5KQ78F700999869.html

1.48億元(手数料こみ)である。日本円で21億円ぐらいであろう。

 この作品で残念なのは、全貌が公開されたことが、写真も含めてほとんどなかったことである。上のイメージは文人画粋篇の解説に挿入された小さな部分図版から。ひょっとしたらオークション下見会場が最初の一般公開であったのかもしれない。これでは、残念だといっていいのかさえも、わからない。
  そういえば、ほぼ同時期に藤田美術館の中国画売り立てもあって、
藤田美術館売り立ての六龍図巻: 玲児の近況
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/180396621.html
六龍図巻 というのが約56億円で落札されていた。
 これも、ほとんどといっていいほど公開されていないものだった。
  そうすると、長年表にでてない明清画のなかには、大陸へいっているものが相当多いと考えるべきだろう。
  例えば、一時は東京国立博物館に寄託されていた、張霊の赤壁後遊図は、縁に装飾を施した料紙に描いたという珍しい作品だが、これも流出した可能性がある。

 また、日本のマスコミ・収集家・鑑賞者・研究者ともに明清画への感心が低いということはよくわかる。このせいで、ずいぶん奇妙なことが起こることがある。どうみても明時代以降の、沈周系の山水画について、「宋画」だと執拗に主張した文章が「水墨画」という雑誌にのっていたことがある。
  この沈周 送呉文定行図並題巻 と類似した様式の、沈周と称する長い山水図巻は、世界中にかなりあるらしい。
例えば、米国ネルソン アトキンスの
沈周  呉中勝覧図巻 Nelson Atkins  19世紀
https://art.nelson-atkins.org/objects/15656/
は、いつのまにか19世紀という鑑定に変わってしまっていた。模写ということになったのだろうか?1982年に観たときは、やや堅い感じを受けたものだった。当時のカタログでは真跡あつかいだった。

また、福岡市立美術館のサイトで え、こんなものあるの、と思った
森山コレクション  沈周  山水図巻 
も長い5m以上という山水画巻である。実は「伝」沈周 となっているので、作者名については、美術館側は疑っているものらしい。
 しかし、沈周の鑑識というのはほんとに難しく、台北故宮でも 結構ゆらいだ意見を聞いたことがある。
posted by 山科玲児 at 07:49| Comment(0) | 日記