2021年04月30日

飛鳥時代の木像

法輪寺 薬師.JPG


聖徳太子建立とされる寺が所蔵、如来立像に飛鳥時代の部材…「国内最古級」と確認
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210426-OYT1T50098/

法隆寺の近くにある親戚の寺のようなお寺が、中宮寺、法起寺、法輪寺なんですが、あまり知られていない文化財もあるようですね。昔、法起寺ではない法輪寺の宝蔵で、不思議な飛鳥時代風の木造を何点も観て、なんでこれらが国宝重文になっていないのだろう、と不思議に思ったが、似たような事情があったのでしょうか?
法輪寺の宝蔵にあった仏像では、年輪年代では、法輪寺の薬師如来木像(イメージ)が、「伐採年代が670年前後の可能性が高いため、この仏像は飛鳥時代の制作と推定された。
というニュースもきいた憶えがあります。

イメージ・ソース
東洋美術特輯  日本美術史 第2冊  飛鳥時代 昭和6年11月5日発行 (写真著作権消滅すみ)


posted by 山科玲児 at 08:35| Comment(0) | 日記

2021年04月29日

イタリアとゲルマニア

italia germania.jpg

佐藤 直樹, 東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)  2021/1/27
https://honto.jp/netstore/pd-book_30701946.html

で知った ナザレ派のオーヴァーベックことヨーハン・フリードリヒ・オーファーベック (Johann Friedrich Overbeck 1789年7月3日 - 1869年11月12日)

の代表作は、
 イタリアとゲルマニア (1828) です。
  https://www.pinakothek.de/kunst/friedrich-overbeck/italia-und-germania
   キャンバスに油彩: 94,5 x 104,7 cm

髪の色や背景からして、左がイタリア、右がゲルマニアなんでしょうが、服の色は逆のようにもみえますね。
この絵の様式は、どこを模範にしたんだろう、、と考えたんですが、ラファエロじゃない、むしろヴェネチアのジョヴァンニ・ベッリーニやヴィンセンチオ・カテーナ、特にカテーナの様式に近いと思います。

 カテーナの作品は、上野の西洋美術館 にもあるし、
https://collection.nmwa.go.jp/P.2011-0001.html

他でも2、3鑑賞した記憶があるので、よく覚えている。

ただ、ナザレ派の時代には、カテーナの絵画も ラファエロとその仲間の範囲に入っていたのかもしれない。


 
posted by 山科玲児 at 10:04| Comment(0) | 日記

ラファエロそっくり

Friedrich Overbeck.jpg

佐藤 直樹, 東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)  2021/1/27
https://honto.jp/netstore/pd-book_30701946.html

で知った ナザレ派のオーヴァーベックことヨーハン・フリードリヒ・オーファーベック (Johann Friedrich Overbeck 1789年7月3日 - 1869年11月12日)

ラファエロにならった模倣作(イメージ):

イエスと洗礼者ヨハネ、聖母、聖エリザベス (高精細度イメージ)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Vierge_Marie,_Sainte_Elisabeth,_J%C3%A9sus,_Jean_le_Baptiste_par_Friedrich_Overbeck.jpg

これは、ミュンヘンのノイエ・ピナコテークにあるそうであるが、、写真でみる限り、真に迫っていて、贋作作りになったら巨万の富が稼げたのではないかと邪推したくなるぐらいである。

ノイエ・ピナコテークの頁の情報
https://www.pinakothek.de/kunst/friedrich-overbeck/maria-und-elisabeth-mit-jesus-und-johannes
マリアとエリザベスとイエスとヨハネス、1825年
キャンバスに油彩、146.4 x 101.7 cm
1857年にルートヴィヒ1世がシェーンボルン伯爵のコレクションから購入
 Inv. Nr. WAF 754

 ブラッセルのボザール Palace de Beax Artsで2005年7月26日に 「Ensor a Bosch」展をみたとき驚いたのは、19世紀の画家が15世紀の初期ネーデルランド絵画を模倣した絵画である。本当に真に迫っていた。この伝統がジョセフ ファンデア ベーケンJoseph Van  der Vekenの模倣作や過剰修理につながっていくのかもしれない。
posted by 山科玲児 at 07:57| Comment(0) | 日記

2021年04月28日

プラドの十字架降架【訂正】

edelS.jpg

佐藤 直樹, 東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)  2021/1/27
https://honto.jp/netstore/pd-book_30701946.html

の、あまり馬鹿馬鹿しい間違いは、そのうち重版訂正や正誤表になるだろうから、あえてとりあげません。ここでは、長年親しんだ初期ネーデルランド絵画のことに限ります。プラド美術館の十字架降架の作者と翼部の再構成についての問題だけ論じます。

まず、この第3回講義のなかで、

45p>ロヒールの作品には1点も署名が残されておらず。記録もないのですが、
52p>記名作品を残さなかったがゆえに、基準となる作品がロヒールには実は存在しないのです。カンピンが姿を次第にはっきりとさせているのとは対照的に、その姿が揺らぎ始めています。

 こういう連呼は、ミスリードです。カンピンのほうも署名作はないし、記録もない。
  カンピン(カンパン)については、画家としてトルネで活躍し、ギルドの長にもなったという事績は残っているが、現存の画でカンピン作という伝承・記録をもつものはありません。困ったことにトルネの古文書館が第2次世界大戦で破壊されたので、そこからは今後新資料発見ができないという事情もあります。
 その一方、ロヒール・ファン・デア・ワイデンについては、
  フェリペ2世のころのスペイン宮廷の目録では、エスコリアルの大きな磔刑図 はマスター・ロジェの作品と記録され、ブリュッセル郊外のスヘウトのカルトジオ教会が1555年に売り、また代替品としてモルの模写を受け取ったときの古文書にも、マスター・ロジェという記録がある。また、プラドの十字架降架については、ビンシェのマリー・ダングロワ(ハンガリーのマリア)の宮廷礼拝堂にあったときに既に「ブリュッセルの正義の壁画と同じ画家」という記録がある。いうまでもなく「ブリュッセルの正義の壁画」はロヒールの作品として有名なものでした。戦火で消失してしまいましたが。

つまり、現存作品と結びついた記録は、少数で同時代資料とはいえないとしても、ロヒールのほうがあるわけです。

 これはミスリードですね。

 次に、年輪年代法の結果をみてみましょう。
 プラドの十字架降架の基底材の材木が伐採されたのは1425年と推定されています。バルト三国あたりから出荷され、船で運ばれ、何年か枯らして使用することを考えると、ちょっと推定制作年代に接近し過ぎていませんか? パリの受胎告知が1424年伐採材、ロヒールの素晴らしいベルリンの女性像が1426年伐採材、ミラフローレス祭壇画が1427年伐採材ということを考えると、ロヒールが独立した後の制作と考えるのが妥当でしょう。

次に、
Felix Thuerlemann,  Robert Campin,  2002/11/1
による、ロベール・カンパンとロヒールの合作説ですが、、
この人Felix Thuerlemannは1993年に既にロベール・カンパン説を発表してたんですね。ずーっと主張されてきたわけで最近になって言い出したわけではないようです。ドイツ語の本だし、英語版はあるようですが高価なので、あえて読む気にもなりませんので、佐藤 直樹氏の本にのみよります。フランクフルトの三枚の絵がプラドの十字架降架の翼部であったという推論が述べられています。

第8図に 多翼祭壇画の外面のグリザイユの復元図があります。左の方はフランクフルトの三位一体でいいとして、右はなんでしょうか?これは、ルーヴァンにあるエーデルヘーレ祭壇画の外側にあるグリザイユ(上イメージの右)なのです。このエーデルヘーレ祭壇画の中央画面はプラドの十字架降架の縮小コピーなので、外翼のグリザイユもプラドの十字架降架にもとあったものをコピーした可能性があることは当方もとっくに論じておりました。
エーデルヘーレ祭壇画の外翼グリザイユについて
http://reijiyamashina.sakura.ne.jp/eedelhe/Eedel.html

縮小コピーなので当然サイズは違います。高さ1mです。

しかし、それなら、全部エーデルヘーレ祭壇画にあわせるべきで、こういう中途半端な組み合わせはいかがなものかと思います。
【訂正】
>それに図7の内側の画面の再構成ですが、中央が十字架降架やピエタ・磔刑図である祭壇画で聖母子が内側の翼というのは、例がなく甚だおかしい。 
と書きました。確かにこの場合は不調和で、ありそうにない再構成ですが、一般論で「十字架降架やピエタ・磔刑図と聖母子像が共存する祭壇画」は、特にイタリアにはあるわけですから、一般論としては成り立たないことに気がつきました。聖母の7つの悲しみ・聖母の7つの喜び のような並列的な作品ではなおさらでしょう。この件、お詫びします。

【訂正終わり】

  さらにフランクフルトの聖母子と聖ヴェロニカの背景は見事な織物の垂れ幕になっていますが、プラドの十字架降架の背景は単なる金地です。なんで共通してないんでしょうね。垂れ幕を背景にする設定は、ロヒールでもエスコリアルの大きな磔刑図 でも採用しているのだからロヒールだからやらなかったわけではないし、カンピンだからやったわけでもない。

 Liverpoolにある、おそらく原作がカンピンまたはその周辺の画家であったであろう模写本を考えると
カンピンの先行作品はあったと思いますし、その断片がフランクフルトの盗賊である可能性は高いと思いますが、だからといって、プラドの十字架降架がカンピン工房作とはいえないでしょう。

 こういう 再構成は、ヒエロニムス・ボスの作品でも試みられましたが、あまり成功しておりません。成功したのは、同じ材木であることが確かめられた 放浪者・愚者の船・守銭奴の死 祭壇画の場合ぐらいです。
 プラドの十字架降架とフランクフルトの三枚の絵は関係ないと考えるべきでしょう。

主要REF. Rogier Van Der Weyden: The Complete Works First Edition Edition  by Dirk De Vos 、Harry N Abrams; First Edition edition (April 2000)

posted by 山科玲児 at 09:43| Comment(0) | 日記

2021年04月27日

読者への挑戦

藝大西洋美術.jpg



佐藤 直樹, 東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)  2021/1/27
https://honto.jp/netstore/pd-book_30701946.html
は、

ファンシー・ピクチャー、デューラーの水彩や素描のだまし絵問題、ナゼレ派の意義、ジョットーなどの絵画における劇舞台装置との関係、古典ギリシャのカノン、ハンマースホイの良さ、など、多彩で優れた見解が、多数述べられていて、推薦できる本である。おそらく孫引きも多いのだろうが、色々な説のうちどれが優れた説で、どれがトンデモなのかを判断してちゃんととりいれることができる才能だけでも大変なものである。
 ヴェラスケスの「ラス・メニーナス」とヤン・ファンアイク「アルノルフィニ夫妻像」の関係を述べるときに、「アルノルフィニ夫妻像」が当時スペイン王室にあり、宮廷画家のヴェラスケスは観ることができた、ということをちゃんと述べているのには感心した。これについては、当方も一応、複数の文献で裏をとって確かめたぐらいだ。

ただ、奇妙なことに、つまらない間違いや、あれっと思うところもある。 

これだけ、優れた本になんで、こんな変な間違いがあるのだろう? どうみても弱すぎる議論をヌケヌケと出しているのだろう? 

色々考えたんだが、アマゾンの広告で、 

>2021年後期の授業「西洋美術史概説V」より、『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』が授業の教科書になります

ということを知り、ひょっとしたら、これは「読者への挑戦」ではないか、と思い至った。

講義では、学生のレポートに「この本の誤謬を発見して論ぜよ」「この本の記述に異論を唱えて論破せよ」と要求しているのではなかろうか?
これは、学生にとっては、とても勉強になる。素晴らしい教育である。

一般読者に、藝大の「美術史を受講する」学生と同じ要求をするのは酷だと思うが、学者はあまりそういうことには頓着しないこともある。
タグ:西洋絵画
posted by 山科玲児 at 10:03| Comment(0) | 日記

博物館美術館  休館

緊急事態宣言にともなって、東京・京都・大阪などの博物館・美術館が
休館

東京国立博物館も休館で、鳥獣戯画展のチケット払い戻しになったようです。。

奈良国立博物館、九州国立博物館はオープンしています。

posted by 山科玲児 at 07:37| 日記

2021年04月26日

ルーベンスハウスがピカピカになる


2001  antwerpen.JPG

アントワープのルーベンスハウスの前面にピカピカの建物つくるみたいです。そこが、ルーベンス研究所や教育機関になるみたい。
Een nieuw gebouw voor het Rubenshuis
https://youtu.be/QfuUs2T_bng

通りに面した方はもともと地味でしたが、近年はお土産物コーナーっぽいモダンなプレハブみたいなものが前面にできてました。素晴らしいファッサードなのは内部の庭に面したほうなので、まあいいんじゃないかなあ。もともと大通りからは、通路みたいなとこを経由して入ったような記憶があります。
イメージは当方撮影のアントワープの町でルーベンスハウス付近の通りです。

posted by 山科玲児 at 08:16| 日記

ヴァーチャル・コーラスでIn memoria aeterna

昨日 新動画を紹介した
ヴィヴァルディのIn memoria aeterna
をヴァーチャル・コーラスで やってる動画があり、え、こんなことができるのか
と感心しました。米国カリフォルニアらしく、武漢コロナ禍 のせいで集まれないので苦心してやってみたということでしょうけど、


ただ、ヴィヴァルディのIn memoria aeternaには2つのヴァージョンがあって、これは、昨日紹介したソリスト用のRV795ではなく、合唱用のRV597の方のようですね。
普通の合唱の例::
Chorale VILLANCICO - A.VIVALDI - In memoria aeterna -
https://www.youtube.com/watch?v=PURrWzc8xiw

posted by 山科玲児 at 06:42| 日記

2021年04月25日

東京藝大で教わる西洋美術の見かた

藝大西洋美術.jpg



佐藤 直樹, 東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)  2021/1/27
https://honto.jp/netstore/pd-book_30701946.html
は、
2021年04月23日  ファンシー・ピクチャーズ
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/188604882.html
で紹介したように優れた見解が、多数述べられていて、推薦できる本だが、奇妙なことに、色々な間違いや、あれっと思うところもある。


まず、第一回 古典古代と中世の西洋美術
の冒頭近くで、

>古代を何度も復活させるのは、ヨーロッパ人の古代への強い憧れにほかなりません。これは一種のナルシシズムだとも言えるでしょう。ルネサンスは、東洋には見られない西洋独自の最大の特徴なのです。

 ちょっと、東洋美術史における、とくに極東の尚古性、復古主義・古代尊崇を少しでも知っていたら、こんな言葉はでないだろうなあ。そりゃ東洋の美術制作者がギリシャ・ローマ時代の古代美術を「古代」「クラシック」として憧れるということはなく、別の「クラシック」を持っているだけなんだが、、藝大の大先輩:正木直彦校長や、矢代幸雄が嘆きそうですねえ。。
 むしろ西洋の特色は、反古代ギリシャ・ローマに走りがちな、もともとケルトやゴート、ゲルマンの野蛮人だった本性と「古代への憧れ」が衝突するというコンプレックスに満ちた内部運動にあるんじゃないかなあ、と思っている。

  どうも、白熱講義の講義録で突っ走り過ぎたところがあるのか、コロナのせいで編集者との打ち合わせができず、校正の問題があったのか、いろいろな問題があることを念頭において読む本です。ただ、面白いのは確かなので推薦はしたい。

タグ:西洋美術
posted by 山科玲児 at 07:53| 日記

In memoria aeterna  新動画



サルデッリ氏の「失われた手稿譜」
http://www.webmysteries.jp/topic/1803-04.html (東京創元社のサイト)
で屡々言及される  
詩篇111 Beatus Dir(主を畏れるものは幸なり)の一部
In memoria aeterna erit justus ( 正しい人は永遠に記憶され、
    悪い知らせにも恐れはしないでしょう。(詩編112:6-7))
Vivaldi - Beatus Vir RV 795
なんども言及しましたが、

また、新しいYOUTUBE動画みつけました。
A Vivaldi In memoria aeterna Coro Liceo Lussana
https://www.youtube.com/watch?v=lFzyTenszR0

かなり真摯で感動的な演奏なんですが、Coro Liceo Lussanaというのが、どこの団体でどこの会場なのか歌手はだれなのかわかりません。グレゴリアンを真面目に歌っている団体のようですけど、それしかわかりませんし。動画映像もぼけてます。

一方、以前から愛好してきた、優れた演奏は、、
Vivaldi Beatus Vir RV 795 Les Agremens Leonardo García Alarcón - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NOSxxK945KM
これは全曲なので10:20--14:29のところです。

posted by 山科玲児 at 06:47| 日記