2021年04月27日

読者への挑戦

藝大西洋美術.jpg



佐藤 直樹, 東京藝大で教わる西洋美術の見かた (基礎から身につく「大人の教養」)  2021/1/27
https://honto.jp/netstore/pd-book_30701946.html
は、

ファンシー・ピクチャー、デューラーの水彩や素描のだまし絵問題、ナゼレ派の意義、ジョットーなどの絵画における劇舞台装置との関係、古典ギリシャのカノン、ハンマースホイの良さ、など、多彩で優れた見解が、多数述べられていて、推薦できる本である。おそらく孫引きも多いのだろうが、色々な説のうちどれが優れた説で、どれがトンデモなのかを判断してちゃんととりいれることができる才能だけでも大変なものである。
 ヴェラスケスの「ラス・メニーナス」とヤン・ファンアイク「アルノルフィニ夫妻像」の関係を述べるときに、「アルノルフィニ夫妻像」が当時スペイン王室にあり、宮廷画家のヴェラスケスは観ることができた、ということをちゃんと述べているのには感心した。これについては、当方も一応、複数の文献で裏をとって確かめたぐらいだ。

ただ、奇妙なことに、つまらない間違いや、あれっと思うところもある。 

これだけ、優れた本になんで、こんな変な間違いがあるのだろう? どうみても弱すぎる議論をヌケヌケと出しているのだろう? 

色々考えたんだが、アマゾンの広告で、 

>2021年後期の授業「西洋美術史概説V」より、『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』が授業の教科書になります

ということを知り、ひょっとしたら、これは「読者への挑戦」ではないか、と思い至った。

講義では、学生のレポートに「この本の誤謬を発見して論ぜよ」「この本の記述に異論を唱えて論破せよ」と要求しているのではなかろうか?
これは、学生にとっては、とても勉強になる。素晴らしい教育である。

一般読者に、藝大の「美術史を受講する」学生と同じ要求をするのは酷だと思うが、学者はあまりそういうことには頓着しないこともある。
タグ:西洋絵画
posted by 山科玲児 at 10:03| Comment(0) | 日記

博物館美術館  休館

緊急事態宣言にともなって、東京・京都・大阪などの博物館・美術館が
休館

東京国立博物館も休館で、鳥獣戯画展のチケット払い戻しになったようです。。

奈良国立博物館、九州国立博物館はオープンしています。

posted by 山科玲児 at 07:37| 日記