2021年11月30日

クラーナハと顧客

Durer AdamEve Prado.JPGDurer Adam Eve engraving.jpg




山田五郎氏の最近の動画
【クラーナハ】エロの匠が描く女性はナイスバディじゃない︎【ヴィーナスとクピド】

は、なかなか面白く、クラーナハの名声の秘密を推測っているように思えました。

どうもね、クラーナハは良い作品も結構あるし、素描はルーベンスなみに実に上手いとおもうんですが、油絵にはなんか量産型というかしょうもないものがおおいんですよね。
ベルリン エジプト逃避上の休息https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:The_Rest_on_The_Flight_into_Egypt_by_Lucas_Cranach_(I)
プラハ 聖クリスティーナ
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:St._Christina_(Cranach)
のような佳作名作もあるんですけどね。

この顧客の趣味に迎合するというセンスは、デューラーのアダムとイブ(プラド 油彩板絵 右イメージ)の完璧な肉体とデューラー版画(左イメージ)のアダムとイブの差を連想しました。版画は多くの人に販売するものですからね。油彩の板絵はパトロンに納得してもらえばいいからね。

レンブラントのひどい「アダムとイブ」版画(下イメージ)もなんらかの顧客の需要に要求されたものなのかなあ。



Rembrandt Adam Eve.jpg
posted by 山科玲児 at 08:15| Comment(0) | 日記

悪役令嬢レベル99



日曜日には、

悪役令嬢レベル99というマンガ

のこみ (マンガ), 七夕 さとり (原作), Tea (キャラクター設定)

に、注目したせいで、時間をとられてしまった。

これはライトノヴェルのコミカライズであるが、ノヴェルと読み比べてみても、よくできている。マンガと小説が相互作用をおこしている感じもあり、良い方向への改変がある。

 角川のWEBマンガ COMIC WAlker  連載作品のようである。このマンガ家(orプロダクション どうみても集団制作だろう)はかなり有能だと思った。

「剣と魔法」の異世界転生 小説という超絶ステロタイプな・陳腐・ありきたりなテーマをひとひねりした原作だが、マンガでさらにチューニングされている。

原作ノヴェルはあとのほうになると、なんか平凡な点がめだってきているように感じた。ここが足引っ張ってるんじゃないかなあ。

マンガ「花の慶次 ―雲のかなたに―」(原哲夫)が、優れた小説「一夢庵風流記」(隆慶一郎)を大改変して、それでも成功した先例に鑑みて、マンガ版で成功してほしいものだ。
このマンガは筋というよりキャラクター(メイドなどわき役こみ)の魅力のようだ。

正直いうと当方はRPGや「剣と魔法」には、縁がなかったのだが、偶然ちら見したマンガが面白かったので、一言書いてみた。
 当方がヒット予測し、現在1250万部でたSPY FAMILYほど成功しないかもしれないが、ある程度までいってほしい。
posted by 山科玲児 at 05:02| Comment(0) | 日記

2021年11月29日

古代ローマの料理

アピーキウス  古代ローマの料理書 ss.jpg

イメージはアピキーウスの料理書  和訳


 料理人:カレームは、料理は建築の一種だと書いたそうであるREF.
そして、様々な観る料理、を図示している。

一方、古代ローマの宴会ではねっころがって手で食べたので、食べやすく細かくした料理が多かったようである。ボーン・ステーキのような大きなものはなかったのではなかろうか。
また、カレームが図示したり、日本の中世の宴会にあるような誇大な盛り上げをする観る料理もあったのかどうか?
ただ、アピキウスの伝記に大きなエビをもとめて北アフリカまでいくという話がある。
細かく料理してしまえばエビの大きさはわからなくなってしまうわけで、やっぱり見せる料理というものもあったのかもしれない。
トリマルキオの供宴でもそれらしい料理がないわけでもない。どうも最初大皿に盛った大きな料理をみせて、それをひっこめて、細かく切って分けたものをまた出したようだ。

観光ガイドのスタンスのかたがイタリアのポンペイ遺跡近くにある古代ローマ料理のレストランの紹介やってました。

ポンペイ遺跡16】古代ローマ料理の味はいかに️ これぞ スローフードの真髄光るハート
https://youtu.be/IqlhGS4yUtY

ここでは、インテリアだけでなく、衣装貸し出しまでしてるようですね。

さすがに、ねっころがって手で食べるとこまではやらせない。

でてくる料理の写真 動画をみると、やはり切り分けないと食べられないようなもの、形 プレゼンを考えた、

刺身の盛り合わせとかTボーンステーキとか、魚の中華風蒸しとかいうようなものはないようです。


REF, ジャン=フランソワ=ルヴェル、美食の文化史、筑摩書房、1989
posted by 山科玲児 at 18:42| Comment(0) | 日記

トロントのイサベラ・ガードナー美術館

トロントにイサベラ・ガードナー美術館の分館があるらしい。
どうもそこで
ヴェニス・ルネサンスという展覧をやっていて工芸品中心で中国のものもでているようだ。
ルネサンス時代は、中国のほうは明であり、陶磁器も含め爛熟した感じがする作品が多い

香港の古美術雑誌オリエンテーションズで知りました。


posted by 山科玲児 at 07:24| Comment(0) | 日記

2021年11月27日

マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝

marcus aurerio.jpg

歴代ローマ皇帝 評伝の動画
で、
マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝
の動画をみて思い出したのは、エミール・シオランのマルクス・アウレリウス評

::皇帝には全く不向きな人で、皇帝以外だったら、どんな職業でも成功しただろう。

トラヤヌス円柱と同様な
アルレリオ円柱というものがローマにある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Column_of_Marcus_Aurelius
マルクス・アウレリウス帝の戦勝記念のようだが、
トラヤヌス円柱に比べてイチジルシく中世的なぎこちない描写で、すでにビザンチン美術への傾向がでてきているように感じた。
このアウレリオ柱をみると、ビザンチン美術のあの様式はキリスト教化とは直接関係はなく、ローマ美術の内在的な変化のように感じる。

イメージ::
Title: Romanorvm imperatorvm effigies : elogijs ex diuersis scriptoribus per Thomam Treteru S. Mariae Transtyberim canonicum collectis
Year: 1583 (1580s)
Authors: Cavalieri, Giovanni Battista, ca. 1525-1601 Treter, Tomasz, 1547-1610
posted by 山科玲児 at 11:04| Comment(0) | 日記

マーケティングと美術史




映画:
ダ・ヴィンチは誰に微笑む 劇場公開日 2021年11月26日
https://eiga.com/movie/95754/

を契機に、

山田五郎氏が美術手帳の編集者と対談した動画があって、なかなか面白かった。
山田五郎がレオナルド・ダ・ヴィンチ最後の作品について議論 橋爪勇介(美術手帖ウェブ編集長)との対談イベント 映画『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=SlhFzPOeaNw&t=1122s
他の山田五郎氏の解説はなんかちがうなあ、と思うところも多いんだが、この件では結構良かった。

この「レオナルド・ダ・ヴィンチ作とされる」絵画は、500億円前後の落札価でニュースになったものだ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Salvator_Mundi_(Leonardo)

当方は、オークション前に、ネットで画像を一目みて無視、ああ、またミラノ派のベルナルディーノ・リュイーニ周辺の作品をいじったものだろうと思って、馬鹿馬鹿しいと思っただけだ。
だから、その後はあまり知らなかったのだが、15 November 2017に、Christie'sのニューヨークオークションそれも「現代絵画」でUS$450.3 millionで落札されたという。この「現代絵画オークション」に入れたというのは、なんとも皮肉な感じがして、山田五郎氏も今回初めて知ったということであるが、Christie'sの公式サイトにのっているので嘘ではない。「Post-War and Contemporary Art Evening Sale 」であるから明かである。
https://www.christies.com/features/Leonardo-and-Post-War-results-New-York-8729-3.aspx

結局、マーケティングとプロパガンタで中身のないものを押し上げているわけで、マスコミ「政権交代」の連呼で政権をとった民主党や「自民党をぶっつぶす」で権力を握った小泉純一郎と同じしかけである。

あと、破損 損傷とその後の修理については、修理前の破損状況はそれほどひどいというわけではない。ただ修理はヤリスギっぽい感じはする。

posted by 山科玲児 at 08:41| Comment(0) | 日記

2021年11月26日

ヒゲとローマ皇帝

rome Museo Capitorino.jpg



最近、ローマ歴代皇帝  伝記 動画を youtubeで視聴しているが、なかなかおもしろい。
  人物評伝だから、皇帝ネロに対しても、私が昔読んだ、スエトニウス、ジェラール・ヴァルテル、塩野七生の本とも、評価は違うし、ハドリアヌス皇帝に対しても、ユルスナール、塩野七生の本とも、評価は違う。

そして、また思い出したのは「ヒゲ」のことだ。ローマの皇帝肖像 コインでも胸像でもであるが、カエサルにはヒゲがない、オクタビアヌスも、チベリウスもドミティウスもトラヤヌスにもない。当時の有力者の肖像にもヒゲはないから、そういうファッションが当たり前だったのだろう。そしてヒゲがあらわれるのは、ギリシャかぶれとそしられたハドリアヌスからである。。

ギリシャを含めた
古代オリエント文化圏では、ヒゲがあるのが普通のように思う。そういう遺風は、イラクに駐屯した佐藤正久隊長がバカにされないようにとヒゲを蓄えるようになった話にまで伝わっている。
ただ、エジプトではファラオはヒゲをつけるが、臣下の肖像にはヒゲなしが多い。この点はちょっと不審なところである。

そうはいっても、古代ギリシャ古代オリエントが「ヒゲだらけ」を観ると、古代ローマは特異である。
エトルリアの壁画にはヒゲがあっただろうか、ギリシャほどはなかったかもしれない、タルキニアの壁画をみると半分ぐらいかな。髭蓄えているのは。あれほどギリシャの影響が強くてもそういうとこは、古代ローマに近いのだろうか。。

  ローマのカピトリーノ美術館にいったとき、不思議だったのは、女装したと伝えられる少年皇帝ヘリオガバルスの肖像がヒゲ面だったことだ。

 15世紀ブルゴーニュ公の肖像にはヒゲがなく、16世紀から急に皆ヒゲがでてくる。
明治時代の日本人はヒゲの人が多く、20世紀にヒゲなしになってるね。

posted by 山科玲児 at 11:47| Comment(0) | 日記

銀板

BC1177.jpg

B.C.1177 ─古代グローバル文明の崩壊
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480858160/

の133Pに、
エジプト・ヒッタイト平和条約の原本である銀板に彫ったものがみつかったような、記述があった。
>ほんの数十年前に、そこで考古学者によって発見されている。

ネットで調べてみたが、そういう話題はなかった。

貴金属は略奪され溶解されがちなので、いくらなんでも話がうますぎる。なにかの間違いじゃないかという感じはしていた。

著者クラインが引用しているBRYCEの論文らしいもの

The ‘Eternal Treaty’ from the Hittite perspective

 
によると、1986年にハットゥーサ(ボガズキョイ遺跡)の南壁で発見されたのは青銅の板であって銀板ではない。
誤訳かもしれないなあ。

posted by 山科玲児 at 09:00| Comment(0) | 日記

2021年11月25日

声部の多い曲



53声部ザルツブルク ミサ のように声部の多い声楽曲では、

トマス・タリスの40声部モテット
https://youtu.be/fsWCV3-gu-c

もある。しかし、4声以上になると、聴くほうの人間の頭脳が追いついていかないように思う。
ギリギリ楽しめるのは、ニコラ・ゴンベールの八声のクレド ぐらいまでだろう。
posted by 山科玲児 at 07:52| Comment(0) | 日記

53声 ザルツブルク ミサ 続

53声部ザルツブルク ミサは、
日本のアマチュア合唱団でもしばしば取り上げられるレパートリーだそうである。
2台のティンパニ、10本のトランペットなどの器楽伴奏部門は圧縮・省略するヴァージョンがあるのかもしれない。

ハ長調の明るい曲想だし、意外にうけるのかもしれないなあ。

コープマンによる Gloria
https://youtu.be/93FKXwQc1RI
posted by 山科玲児 at 07:25| Comment(0) | 日記