2022年04月01日

古月軒

横河古月軒 雍正年製.jpg

イメージは東京国立博物館のいわゆる「古月軒手」  当方撮影。もと横河コレクション、裏に「雍正年製」
https://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=TG1333

 「古月軒」というのは、骨董業界用語である。現在では廃れてきた用語で、ややうさんくさい雰囲気すらある。「胡月軒」ということもある。別に「古月軒」というメーカーや店や家や楼閣やスタジオがあったわけではない。清朝時代の宮廷文書にも「古月軒」はでてこない。

  単に、戦前、おそらく19世紀末から20世紀前半の中国の骨董屋の間で流布した用語である。日本でも流布したようだ。
  雍正帝時代から乾隆帝時代の官窯陶磁器で景徳鎮から白磁のボディを運んできて北京紫禁城で色絵をつけたといわれている小型で特に優れたものの一群に、おそらく20世紀のはじめに北京瑠璃廠の骨董屋たちが、そういう名前をつけたのだろう。日本では「古月軒手」とも言う。そういう人為的な名称・美称なので、「古月軒であるかどうか」などという質問は意味がない。どうにでもできるグレーゾーンが広すぎる。また「古月軒」なんて文字が入っている「古月軒」「古月軒手」の陶磁器は1点もないし、あったら全て20世紀の作品である。
  そもそも、なぜ、この時代にこういう謎の用語が誕生したのか?というと、おそらくアロー戦争での円明園略奪、さらに義和団事件での北京占領、さらに辛亥革命後の親王家や紫金城からの文物流出、に伴って、19世紀まではまず民間の骨董屋には出回らなかった精美な陶磁器が売買されるようになり、それらをグループにし、ランク付けし高価に売買するためにつけられた名称だろうと考えている。
 そのためか、中華民国時代の模倣品が、一番「古月軒」っぽい/らしい、という変なことになっていて、「古月軒」は全部中華民国時代の贋作だという説すらあったぐらいである。下に1930年代の模倣品の写真(当方撮影)をあげる。これはロンドンのデヴィッド・コレクションで観たものでその精巧さにアゼンとした1品である。ラベルにちゃんと1930年代と書いてある。
 そういうのを誤魔化すためか、「胡某」という陶工がいた、とか、紫金城に「古月軒」という部屋があったとか、さまざまなまことしやかな憶測伝説が雲のように起こっていた(ref)。さすがに21世紀になってからは、あまり聞かない。
 未だにまことしやかに、この用語を使う人もいるが、やめたほうがいいと思う。かえっていかがわしく思われるかもしれない。
  じゃ現在では、昔「古月軒」といわれていたものは、今なんと呼ばれているかというと、それぞれ、清宮中琺瑯彩とか、雍正琺瑯彩とか、とか色々呼ばれているようだ。もちろん希少で最高級で高価なものぞろいである。

 曜変天目事件で信用失墜した例の鑑定団番組でも、底に「古月軒」と書いてあるという「古月軒の壷」なる言語道断なものがでていたようだが、さすがに落第していた。テレビ局の利害が絡まなかったから最悪の鑑定は避けたのだろう。

民国30年代 琺瑯彩 瓶.jpg

ref  奥田誠一、古月軒の作品、ミュージアム、No.39, 1954年6月号、9-11P
posted by 山科玲児 at 17:23| Comment(0) | 日記

ヴィターリのシャコンヌ バロック音楽として  続

昨日紹介した  
バロック音楽  奏法で  ドレスデンの写本楽譜をもとにした演奏(同じ演奏)の演奏動画がありました。
イタリアの修道院での録音、そこのオルガンを通奏低音に使ったものです。
ヴァイオリンも上手いですね。
また、音質はこちらの動画のほうがこころなしか良いように思います。

Tomaso Antonio Vitali - Ciaccona in Sol minore per violino e basso

https://www.youtube.com/watch?v=AvnYonmzbsk
posted by 山科玲児 at 07:31| Comment(0) | 日記

古楽の楽しみ 5時からに変更


NHKーFM 古楽の楽しみ 朝5時からに変更

ええっ、殆ど予告なしでしれっと変更、いくら受信料払ってないといっても
突然すぎる。

録音予約やってる人は皆、大変でしょ。。

朝早いのは年取って朝型になったのでまあ、いいんですが。。
タグ:NHK FM
posted by 山科玲児 at 07:00| Comment(0) | 日記