2022年05月17日

ヒューホー・ファン・デア・グース??


2017年4月の  クリスティーズのオークションで、ちょっと興味深い作品がでていた。
15世紀の画家 ヒューホー・ファン・デア・グースにアトリビュートされる(怪しいが)作品で、
1996年以来 メトロポリタン美術館に寄託されていたものだという。


聖母子とおそらく洗礼者ヨハネの部分が大きく剥がれおちてしまっていて、下書きがみえているようにみえる。
描いている途中で放棄されたもの、という考えもあるが、どっちなんだろう。。
posted by 山科玲児 at 07:55| Comment(0) | 日記

ボス展のカタログを読む 32 ギルドがなかった


Jheronimus_Bosch.jpg


 久しぶりに、この表題を書いてみた。理由はウィキペディアのヒエロニムス・ボス項目記述が古すぎるし、おかしいからである。


>    当時の画家は石工や大工と同様ツンフト(12世紀前半に発生したドイツの手工業者のギルド組織)に属していた。ツンフトでは見習い期間の設定や職人資格作品の制作による仕事や注文を受ける権利の獲得などの規約があり、職人たちを競争から保護していた。

というウィキペディアの記述は、

ハインリヒ・ゲルツ 『ヒエロニムス・ボッシュ』(ref)からの引用であるが、

実は、ス・ヘルトーヘンボス(デン・ボス)には1549年まで画家ギルドがなかった(ref2)。


1549年というとボス逝去後30年以上後である。代々の画家一家であったボスの一族で独占していたのだろうか? 顧客が不満だったり一族で対応できないときは、他の町の画家、たとえばブリュッセルのロヒール・ファン・デア・ワイデン工房に依頼したりしていたらしい。
ヤン・ファンアイク以来の画家の町であったブリュージュとは全く違うようだ。

あまり ひどい誤りの場合、ウィキペディアの修正も考えなければならないだろう。

Ref. ハインリヒ・ゲルツ 『ヒエロニムス・ボッシュ』(初版) PARCO出版〈パルコ美術新書〉、1995年1月25日。
Ref2.  Pilar Silva Maroto, Bosch and His Work
posted by 山科玲児 at 03:15| Comment(0) | 日記