2022年06月25日

先延ばしの悪魔


やむをえぬ事情で、東京に治療に通うことになった。
まあ、それでスコットランド国立美術館展もついでに観たわけである。

2022年06月16日 怠惰
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/189604628.html

早く治療開始できればメトロポリタン美術館展も観賞できただろうに、7つの大罪の「怠惰」、「先延ばしの悪魔」の誘惑にひきつけられたため、できなかった。
優柔不断・先延ばし は大きな欠点だと思っている。

posted by 山科玲児 at 06:07| Comment(0) | 日記

2022年06月24日

小さいが大きくみえる

Fredrich Folkwang.jpg

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ Caspard David Friedrich
の絵はサイズが小さい。

そうとう有名な作品でも1mを超えるものは少ないし、まして2m、3mという大作は無い。

例えば、今、西洋美術館の特別展で展示されている

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
《夕日の前に立つ女性》(イメージ)
1818年頃 油彩・カンヴァス
フォルクヴァング美術館

なんか22cmX30cmである。

なぜだろう。
そして、どれも実物よりずっと大きな作品のような印象をうける。
posted by 山科玲児 at 10:36| Comment(0) | 日記

アンジェのダヴィッド

Gaspard Nuit 1920 ss.jpg


    ルイ・ベルトランの散文詩集「夜のガスパール」を詩人逝去後1842年に出版に尽力した友人で彫刻家 ダヴィッド・ダンジェ Pierre-Jean David d'Angers(1788-1856)
https://en.wikipedia.org/wiki/David_d%27Angers
 が、カスパール・ダヴィッド・フリードリッヒの関係者としてでてくる。この人David d'Angersと略称されるのでDavidが名前かと勘違いしがちだが、David d'Angersが姓というか渾名でPierre-Jean が名前である。師匠のダヴィッドと混同されるのを防ぐために「アンジェのダヴィッド」という渾名を使ったらしい。

1836年 彼は、フリードリッヒのアトリエをドレスデンに訪ねている。そして、フリードリッヒの横顔のメダルを鋳造している。
 彼の訪問記の文章がフリードリッヒ概論(ref1)に長々と引用されているのには、驚いた。
 夜のガスパールの詩を好んだ人は、カスパール・ダヴィッド・フリードリッヒの絵をも好んでいたのである。ある意味当方にとって「見ぬ世の友」という感じがする。
  イメージは、David d'Angersによる死の床のベルトランの肖像:1920年刊行のGaspard de la Nuit,Angers(ref2)に掲載。この本に収録されているベルトラン自筆挿絵は1920年のこの時点ではアンジェ図書館収蔵なので、これはダヴィッドがもっていたのだろう。

そういう意味で、このフランス革命の画家・ナポレオンの画家ルイ・ダヴィッドの弟子である David d'Angers の人物に少し興味がわいてきた。ただ、David d'Angers の作品自体は古典主義的な彫刻で、さほど個性がある芸術家にはみえない。
 ただ、平凡な肖像画ばかりが知られているルイ=レオポルド・ボワイー(1761 - 1845)にも、
トロンプルイユ テーブルトップ
   https://www.photo.rmn.fr/archive/11-532347-2C6NU0OM5O6Z.html
という珍作奇作があるのだから、David d'Angersの作品も思わぬ一面をもっているかもしれない。

 ref1 Tout l'oeuvre peint de Caspar David Friedrich、1976, flammarion, Paris  のHenri Zetnerによる序説
ref2  Gaspard de la Nuit, CH. BOSSE Libraire, Paris 1920
posted by 山科玲児 at 07:53| Comment(0) | 日記

2022年06月21日

木曜日まで休み

木曜日まで休みます
posted by 山科玲児 at 19:47| Comment(0) | 日記

カスパール・ダヴィッド・フリードリッヒの一つの問題 【URL訂正済】

CD FRIEDRICH RETABLE.jpg

山田五郎氏の解説で、
「山上の十字架」テッチェン祭壇画について、そのもとになったセピアによる作品(イメージ)が紹介されていた。
https://youtu.be/8k7xcx-B-ZE?t=363
 ところが、このセピアによる作品、ずっと紛失したということになっていた。1976年のカタログ・レゾネでは「紛失」となっている。1978年 京都、東京で開催されたカスパー・ダヴィット・フリードリヒ展では、京都展で、この作品を仔細に鑑賞したことを憶えているが、そのカタログでも「今日では伝わっていない」と書いてある。 現在の英文仏文ウィキペヂアでも「行方不明」いったいどういうことなんだ?行方不明のもののカラー写真がある??
  山田五郎氏のカラー図版は、どこからとったものなのだろうか??
  これはwikimediaにあるもので
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Caspar_David_Friedrich_-_Cross_in_the_Mountains_-_WGA08296.jpg
もとは、Web Gallery of Artのようである。
https://www.wga.hu/html/f/friedric/5/507fried.html
ベルリン美術館の版画素描室にあるもののようだ。
http://www.smb-digital.de/eMuseumPlus?service=ExternalInterface&module=collection&objectId=989316&viewType=detailView

 東西ドイツ統合、ソ連崩壊で、いろいろ発見されたものがあるから、あるいは、そういう美術品の一つなのかもしれない、とも思ったのだが、どうもそうではなかった。

 これについて、ドレスデンのアカデミーに展覧したセピアの絵とは別物の準備習作である、という説がある。だから、アカデミーに出した「セピアの絵」は「亡失」という主張で、よく読むと1976年のカタログレゾネにもそういう風に書いてある。これで混乱するんだなあ。。
でも、ベルリン美術館の解説は、断固支持・こんな優れた絵画があるか、これがそれだ、という勢いで書いてある(ドイツ語を機械翻訳で英語になおして読んだ)。
posted by 山科玲児 at 17:33| Comment(0) | 日記

武田信玄の肖像

ここ数十年で、従来、日本史の有名人の肖像画として教科書や歴史書にあげられていたものが、
次々と別人だとされてきた。

源頼朝 しかり。
足利尊氏 しかり、
ずいぶん近い時代の例では、西郷隆盛も、かなりあやしいらしい。
そして、
武田信玄の肖像 として親しまれていた、あの肥満体の肖像画もどうも違うらしい。

この記事が、わりとよくまとまっているようにみえる。
「伝・武田信玄」の肖像画の真の像主を巡る動き
http://nanao.sakura.ne.jp/special/shingen.html

posted by 山科玲児 at 07:04| Comment(0) | 日記

ヒエロニムス・ボスのキャンバス画

2016 toledo Calle Comercio.JPG
スペインの古都トレドのコルメシオ通りの日除け

16世紀ごろ17世紀ごろのスペイン王室関係の財産目録を調査して、ヒエロニムス・ボッスの作品ということになっている項目を洗い出した研究が21年にすでにあった。
Pilar Silva Maroto, Bosch in Spain
Paul Vandenbroek.  The  Spanish inventories  reales and  Hieronimus  Bosch

2001  Boijmans Museum  Bosch特別展のとき出版された論文集に収録されている。
Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, Hieronymus Bosch. New Insights into his Life and Work, exhib. cat., ed. Jos Koldeweij, Bernard Vermet, and Barbera van Kordewiji, 2001,, LUIDON, Belgium,


その論文を読んで奇妙に思うののは、リネン・キャンバス使用の絵画が板絵よりずっと多いことである。しかもずっと安い評価になっている。板絵の半分以下の評価額になっている。十分の一以下というのもある。
  これはいったいどういうことなんだろうか?
  現在 伝世しているボス真作とされていたり議論されている作品では、キャンバス地の作品はまずない。キャンバスに移し替えした作品や後の時代の模写ならある。例えば快楽の園中央画面の模写(ブダペスト)はキャンバス地である。ただ、初期ネーデルランド絵画で、こういうキャンバス地の絵画の例が、わずかながら残っている。デイエルク・ブーツ(ロンドン ナショナル  ギャラリー)ジュスト オブ ゲント(メトロポリタン)。これらはかなり退色がひどい。

一方、ブリューゲルでは、イタリアの影響もあるのか何点もキャンバス画があり、ナポリ カピデモンデの2作品はかなり保存が良い。またブリューゲルの最大の作品はキャンバス地の「聖マルティンのワイン」(プラド)である。
ブリューゲルのころでは、もはやイタリア絵画の流行という背景を考えなければならないだろうが、ブーツ〜ボスのころのものは、ヴェネチアのキャンバス画とは少し違った性格の作品・商品ではなかったか?

スペインのリストの評価額の安さから考えて、タペストリーの代用品であり、かなりできの悪い模写的なおおざっぱな絵画、現在、欧州の祭りで使われる旗指物や山車の飾り、のようなものではなかったか?と推察したくなる。イメージのように野外でも使われたものもあるかもしれない。

フェデリコ・ゼーリ「イメージの裏側」、、にもヴェネチア派の旗を改造して、額縁にいれたらしい作品があげられていた(ref  240P)。

ref   フェデリーコ・ゼーリ「イメージの裏側−絵画の修復・鑑定・解釈」 (訳:大橋喜之)、八坂書房、2000年、


posted by 山科玲児 at 05:41| Comment(0) | 日記

2022年06月20日

西洋美術館の常設展  変わった理由



2022年06月12日 西洋美術館の常設展  その1
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/189596342.html


>常設展示がそうとう変わっていた。

    

となった理由は、
国立西洋美術館リニューアルオープン記念
    自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
    2022年6月4日(土)〜9月11日(日)
に常設展に展示していたものを多数展示したためであったようだ。そのために、常設展自身をかなり変更した。数点なら空けておけばよかったのかもしれないが、そうできないくらいの数だったのだろう。

posted by 山科玲児 at 08:14| Comment(0) | 日記

好太王碑 改竄説が韓国で




もう完全に消滅したとされた、好太王碑 改竄説が2020年10月31日の韓国の中央日報に麗々しくのっていたそうである。中央日報は、嘘でもなんでも、かまわないんだろう。どうも、改竄説を主張した本の書評らしい。そうはいっても、明白なトンデモ本をとりあげるのもどうかと思う。


2019年08月18日 好太王碑 改竄説の評価
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/186437690.html

で指摘したように2006年中国での徐建新教授の発見で完全にとどめをさされているのにね。

また、古い拓本イメージは
2022年01月10日 好太王碑の拓本
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/189261243.html

に紹介しておいた。読みにくいが水谷本については、wikimediaに全部掲載済み
posted by 山科玲児 at 07:13| Comment(0) | 日記

2022年06月19日

厚労省のプロパガンタ




接種歴“不明”なら“未接種”に… 不可解なワクチンデータ修正 波紋広がる【大石が聞く】
https://youtu.be/1-0vYtNPOj4
ワクチンデータ修正問題 政府与党内でも見解の相違が【大石が深掘り解説】
https://youtu.be/wj_n1bWVW1Q

統計データで嘘をつく方法、グラフで嘘をつく方法より、もっと粗雑で確信犯の ニセ情報ですね。

ワクチン利権がおいしいのかもしれないけれど、厚労省さん、もうちょっと頭を使ったらどうかなあ。

脱炭素といい、なんでニセ科学が流行るのかなあ。結局  もうかるからなんだろうね。

同じニセ科学の魔女裁判ももうからない法制度のところでは、けたはずれに少なかった。

posted by 山科玲児 at 11:32| Comment(0) | 日記