2022年06月21日

木曜日まで休み

木曜日まで休みます
posted by 山科玲児 at 19:47| Comment(0) | 日記

カスパール・ダヴィッド・フリードリッヒの一つの問題 【URL訂正済】

CD FRIEDRICH RETABLE.jpg

山田五郎氏の解説で、
「山上の十字架」テッチェン祭壇画について、そのもとになったセピアによる作品(イメージ)が紹介されていた。
https://youtu.be/8k7xcx-B-ZE?t=363
 ところが、このセピアによる作品、ずっと紛失したということになっていた。1976年のカタログ・レゾネでは「紛失」となっている。1978年 京都、東京で開催されたカスパー・ダヴィット・フリードリヒ展では、京都展で、この作品を仔細に鑑賞したことを憶えているが、そのカタログでも「今日では伝わっていない」と書いてある。 現在の英文仏文ウィキペヂアでも「行方不明」いったいどういうことなんだ?行方不明のもののカラー写真がある??
  山田五郎氏のカラー図版は、どこからとったものなのだろうか??
  これはwikimediaにあるもので
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Caspar_David_Friedrich_-_Cross_in_the_Mountains_-_WGA08296.jpg
もとは、Web Gallery of Artのようである。
https://www.wga.hu/html/f/friedric/5/507fried.html
ベルリン美術館の版画素描室にあるもののようだ。
http://www.smb-digital.de/eMuseumPlus?service=ExternalInterface&module=collection&objectId=989316&viewType=detailView

 東西ドイツ統合、ソ連崩壊で、いろいろ発見されたものがあるから、あるいは、そういう美術品の一つなのかもしれない、とも思ったのだが、どうもそうではなかった。

 これについて、ドレスデンのアカデミーに展覧したセピアの絵とは別物の準備習作である、という説がある。だから、アカデミーに出した「セピアの絵」は「亡失」という主張で、よく読むと1976年のカタログレゾネにもそういう風に書いてある。これで混乱するんだなあ。。
でも、ベルリン美術館の解説は、断固支持・こんな優れた絵画があるか、これがそれだ、という勢いで書いてある(ドイツ語を機械翻訳で英語になおして読んだ)。
posted by 山科玲児 at 17:33| Comment(0) | 日記

武田信玄の肖像

ここ数十年で、従来、日本史の有名人の肖像画として教科書や歴史書にあげられていたものが、
次々と別人だとされてきた。

源頼朝 しかり。
足利尊氏 しかり、
ずいぶん近い時代の例では、西郷隆盛も、かなりあやしいらしい。
そして、
武田信玄の肖像 として親しまれていた、あの肥満体の肖像画もどうも違うらしい。

この記事が、わりとよくまとまっているようにみえる。
「伝・武田信玄」の肖像画の真の像主を巡る動き
http://nanao.sakura.ne.jp/special/shingen.html

posted by 山科玲児 at 07:04| Comment(0) | 日記

ヒエロニムス・ボスのキャンバス画

2016 toledo Calle Comercio.JPG
スペインの古都トレドのコルメシオ通りの日除け

16世紀ごろ17世紀ごろのスペイン王室関係の財産目録を調査して、ヒエロニムス・ボッスの作品ということになっている項目を洗い出した研究が21年にすでにあった。
Pilar Silva Maroto, Bosch in Spain
Paul Vandenbroek.  The  Spanish inventories  reales and  Hieronimus  Bosch

2001  Boijmans Museum  Bosch特別展のとき出版された論文集に収録されている。
Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, Hieronymus Bosch. New Insights into his Life and Work, exhib. cat., ed. Jos Koldeweij, Bernard Vermet, and Barbera van Kordewiji, 2001,, LUIDON, Belgium,


その論文を読んで奇妙に思うののは、リネン・キャンバス使用の絵画が板絵よりずっと多いことである。しかもずっと安い評価になっている。板絵の半分以下の評価額になっている。十分の一以下というのもある。
  これはいったいどういうことなんだろうか?
  現在 伝世しているボス真作とされていたり議論されている作品では、キャンバス地の作品はまずない。キャンバスに移し替えした作品や後の時代の模写ならある。例えば快楽の園中央画面の模写(ブダペスト)はキャンバス地である。ただ、初期ネーデルランド絵画で、こういうキャンバス地の絵画の例が、わずかながら残っている。デイエルク・ブーツ(ロンドン ナショナル  ギャラリー)ジュスト オブ ゲント(メトロポリタン)。これらはかなり退色がひどい。

一方、ブリューゲルでは、イタリアの影響もあるのか何点もキャンバス画があり、ナポリ カピデモンデの2作品はかなり保存が良い。またブリューゲルの最大の作品はキャンバス地の「聖マルティンのワイン」(プラド)である。
ブリューゲルのころでは、もはやイタリア絵画の流行という背景を考えなければならないだろうが、ブーツ〜ボスのころのものは、ヴェネチアのキャンバス画とは少し違った性格の作品・商品ではなかったか?

スペインのリストの評価額の安さから考えて、タペストリーの代用品であり、かなりできの悪い模写的なおおざっぱな絵画、現在、欧州の祭りで使われる旗指物や山車の飾り、のようなものではなかったか?と推察したくなる。イメージのように野外でも使われたものもあるかもしれない。

フェデリコ・ゼーリ「イメージの裏側」、、にもヴェネチア派の旗を改造して、額縁にいれたらしい作品があげられていた(ref  240P)。

ref   フェデリーコ・ゼーリ「イメージの裏側−絵画の修復・鑑定・解釈」 (訳:大橋喜之)、八坂書房、2000年、


posted by 山科玲児 at 05:41| Comment(0) | 日記